アフリカ体験(ケニア編2) - 3
-- 青年海外協力隊 --
ケニアに赴任当初、私が馴染めなかったのがケニア人のダメモト精神である。
あるケニア人と仲良くなり、友達になれたなと思った次に出てくる言葉が「なにな
にをくれ」だった。これはホームステイの時から始まり、その時は家族全員から各々
「ナイロビから物を送ってくれ、友達なんだから」と言われ困ってしまった。
彼らよりよっぽど貧乏なエチオピア人でさえそんなことは言わない。さらに電話や手紙で催促する人までいる。「友達だから物をくれ、買ってくれ」というのは、私の中の「友達とはお金や物を抜きにしたところに生まれる」という常識から完全にはずれたもので、その度にがっかりさせられた。
徐々にわかったことだが、彼らの「なになにをくれ」というのはもちろんほしいのだが、余り期待しているわけではなくとりあえず言っておいて、もしそれで手にはいるならば大儲けといった程度の事で、いわば相手より貧乏な人の挨拶がわりとも言えるようだ。けれども異なる習慣、常識とは頭では理解できても実際馴染むまでは時間 と慣れが必要のようである。
ダメモト精神と言えば、ケニア人の女性の口説き方はその最たるものだ。例えば、ちょっと気になる女性と会うと次の瞬間から「愛してる」「きみ無しには一睡もできない」というようなことを言い出し、振られた時も気にした様子は全く見せない。そ して次の瞬間には隣の女性を口説いているといった具合である。全く開いた口が塞がらない程見事だが、日本人の男性などは少しは見習った方がいいかも知れないとつく づく思った。
不思議なものでこのダメモト精神に慣れるとケニアでの生活は、快適そのものになってしまい、最後にはこちらが逆襲していくようになった。ただし残念なことに女性の口説き方の方は上達せず、どうやら1年の滞在では私には課題が大きくそこまで会得できなかったようである。
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