アフリカ体験(エチオピア編2) - 3

          -- 青年海外協力隊 --


■ 最貧国の娯楽とは  

 夜間外出禁止やアジスから出る事は難しくとも、アジスの中にも多少の娯楽はある。

 一つは映画である。アジスには3つの映画館があり、外人でも抵抗なく入れる所も一か所だけある。私は映画が好きなので、毎週日曜日には必ず見に行った。上映されるのは10年ほど前のアメリカ映画や三流映画がほとんどで、変わったところではイランの映画などもった。しかしちょっとしたラブシーンなどはカットなので、いきなり場面が飛ぶのにはまいってしまう。ここではカンフー物のようなアクション映画が人気のようであった。

 二つ目はサッカーである。これは一般の人の中では一番人気のあるもので、試合のある日スタジアムは熱狂の渦に包まれる。しかし外人は、こそ泥が多い事や非常に込むので行く人はめったにいない。

 三つ目は水泳である。アジスには二つのプールがある。一つはヒルトンホテル内のもので、狭いが外人が多く私たちのイメージ通りのふつうのプールである。ここは温水プールなのでいつ行っても問題ないが、値段が高いので私は泳いだ事がない。(アジスは標高2400mもあるので、日中でも泳ぐとなると寒い) 

 もう一つはギオン ホテル内にある50メートルの本格的なプールである。しかしこのプールには問題がある。水が透明度ゼロで濃い緑色なのだ。つまり日本人の感覚からは想像できないほどの汚れで、水に顔をつけたらまっすぐ泳ぐ事は不可能である。

 ここでは私が滞在中 ついに水を取り替えたのをついに一度も見なかった。一応温泉を利用した温水プールという事にはなっているが、それはほとんど気休めにすぎず、あの褐色エチオピア人さえも青くなって泳いでいるほどである。けれどもここは安いので利用者はエチオピア人がほとんどで、私も毎週のように利用した。慣れというのは恐ろしいもので、透明度ゼロもじきに慣れてなんともなくなってしまった。それでもたまに間違って水を飲むと気分がしばらく悪い。

 四つ目はボーリング場である。アジスには二つのボーリング場がある。そしてそのうち一つは人力ボーリング場である。表側は日本のボーリング場を恐ろしく古くしたような感じだが、裏側の構造は全く違う。ピンの裏には子ども達が控えていて、倒れたピンをすばやく片づけ、ボールを転がして返してくれるのだ。その俊敏な動きは、機械も真っ青である。そしてストライクを取ろうものなら、裏で大騒ぎである。ここではうれしいことにチップを少し渡しておくと、ピンが倒れ易くなるから不思議であ る。

 最後のものとしては二つほどディスコがある。ディスコ内部はネオンが輝く別世界である。ここにいたらこの国が最貧国で飢餓の国だとは想像もつかない。値段はべらぼうに高く客は一部の金持ちと外人で、女性の多くはディスコの前で待つそれら目当ての素人の夜の女性達であった。


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