カペラカーゴワゴンPWSディーゼルSV

親父の自家用車です。それまではST150系カリーナディーゼルSGに乗っていました。そのカリーナがクーラント漏れを起こしたため、このカペラに買い替えた次第です。購入は1994年の4月。ちょうど巨大グリルに変貌したカペラワゴンが発売される半年前でした。購入の条件としては、ディーゼル4WD、MT、ABS付、できればPWSディーゼルという、まさにカペラ/テルスターを狙い撃ちにした車種選定でした。また、4WDを考えるくらいですから、カペラ/テルスター自慢のサードシートは当然不必要。それまで、「マツダはボディがヤワだ」と言っていた親父が、なぜマツダを選んだのか、僕にはまったく理解ができませんでした。後で聞いてみたのですが、親父はPWSディーゼルに乗ってみたかったということでした。
当初は何をカン違いしたのかテルスターワゴンが欲しかったらしく、当時のオートラマへ行った親父は、テルスターワゴンの見積もりをもらってきます。しかし、ここで驚愕の事実が判明。まず、カペラ/テルスターのディーゼル4WDはATしか設定がなかったのです。今までMTしか運転したことのない親父は一種の挫折感を味わいます(笑)。仕方なく2列シートのワゴンGLを検討したのですが、こいつにはABSのオプション設定がなく、ABS装着を前提にするのであればサードシート付のギアを購入するしかないということがわかってきたのです。そこで、姉妹車のカペラならどうだろう、と思ったようで、今度はマツダでカペラカーゴの見積もりをもらってきます。カペラも当然ながらディーゼル4WDのMTは設定がないので、FFのABS付に的を絞ったのです。まず、テルスターに設定のあった2列シートのGLに相当するカーゴSV2列シート仕様を考えたようですが、これはガソリン車のみという設定。ブランドによって内容に差をつけるあたり、さすがマツダです。おかげで親父は大混乱してしまいました。残るは3列シート仕様のカーゴSVとカーゴSX、ワゴンギアのみとなってしまい、この中から購入費が安く済むカーゴSVに絞ったのです。マツダ店とアンフィニ店の叩き合いの結果、不本意ながらサードシート付のカーゴSVを晴れてマツダ店で購入することになりました。なお、値引きもマツダらしく、40万円以上引いたということでした。
我が家は1人1台の車があるため、それぞれの車を運転するという機会はまずないのですが、家族総出で外出するというときにはどうしてもカペラを使用することになります。僕も年に1回くらいは運転することがあるんですが、はっきり言ってカペラを運転するのはいやになってしまいます。もっとも、軽自動車ばかり乗ってきたということもあるんでしょうが。
まず、デザインですが、後期型のカペラワゴンに比べるととてもすっきりしたフロントフェイスで、どこかのドイツ車らしく好感が持てます。ただ、フロントのエンブレムがカスタムキャブっぽくてどうもなじめません。ルーフはレオーネを意識したのか(カーゴのデビューは1988年)、2段タイプになっています。ただ、レオーネがBピラーからキックアップするのに対し、カペラはCピラーからのキックアップで差異をつけています。ルーフには当時のワゴン車お約束のルーフレールが装着されていますが、取扱説明書にはなんと「ルーフレールに物を載せないで下さい」という記述があり、えらくビックリしてしまいました。ということは、どう考えてもバンと差別化するためだけの装備、としか考えられないのです。なお、カラードバンパーやフロントスポイラー、テールガーニッシュを装備し、バンとの差別化を図っています。
室内空間はカペラそのものですが、廉価版なのにスポーツシートが標準装備という不思議な内容になっています。スポーツシートはランバーサポート、サイドサポート、シートリフターが装備されており、ある程度は自分好みのポジションが選べます。前後席のヘッドレストもシースルータイプで、これはこれでなかなかスポーティーです。ただ、今考えるとこのシースルーヘッドレストも見かけなくなりました。リヤシートはセンターアームレストが標準装備で、6:4分割式。そのわりにリクライニングタイプではありません。これはリヤサスのストラットタワーがえらく荷室に食い込んでいるためです。
で、カペラカーゴ自慢のサードシートですが、これはライバルのレオーネが4WDしか設定がなかったため、当初FFのみで地味なカペラの最大特徴にしたとしか考えられません。具体的には、本来床下に収納してあったスペアタイヤを荷室右に立て、サードシートを追加したもので、操作方法は、背もたれ(荷室床面の奥の板)を引き起こし、クッションを反転させるというもの。サードシートが現れると「オ〜ッ」という歓声があがりそうですが、まったくもって実用性はゼロ。本来スペアタイヤのある場所がレッグスペースになっているため、まともに座ると体育座りになってしまいます。ヘッドクリアランスも最小で、僕が正しい姿勢で座ったときには天井に頭がついてしまいました。正直言って、定員乗車したサードシート付カペラカーゴは1度も見たことがありません。当然、我が家もやったことはありません(笑)。ビッグマイナーチェンジしたときにはSVのサードシートがカタログ落ちし、SXもシート生地がビニールレザーになってしまいましたが、親父のカペラはシート生地がファブリックで、サードシートがどこまで本気だったのかよくわかりません。一応サードシートには2人座れ、ご丁寧にも3点支持シートベルトが装備されています。ついでなので、滅多に見られないサードシートの写真を載せておきました。上から格納時、使用時、そして実際に使用した状態です(モデルは親父)。親父はえらそうに真中に座っているため、パッと見は快適そうに見えますが、ここに2人が座るとケンカがおきそうです。特に、向かって右側に座った場合、マフラーの取り回しの関係からか床が異常に浅く、どうしても立てひざをつかないと座れません。まぁ、カップルが座ったらけっこう楽しめそうだとは思いますが、後続車の目の毒になりそうなので、やめたほうがいいと思います(爆)。なお、サードシートのクッション部は取り外しができます。ここにパンクしたタイヤを格納するためのものなのですが、親父はそれを逆手にとって2ドアの小型冷蔵庫を運んでいました。
装備品は廉価版のわりに豪華で、SXとの差はスイングルーバーが装備されないくらいのものではないか、という程度。もちろんフル装備です。このため、カペラは我が家で初めてのフル装備仕様車という栄誉を担うことになったのです、僕がムーヴを買うまでは(笑)。もともとSVはエアコンレスで、なぜかオートヒーターが標準装備されています。さすがにエアコンレスだとバカにされるらしく、エアコンをオプションでつけていました。このため、オートエアコン仕様になっています。ステアリングコラム下にエアコンのルーバーが装備されていて、夏場はけっこう快適。インパネはデビュー当時流行した逆L字型タイプです。余談ですが、マイナーチェンジしたとき、カペラとテルスターのインパネを入れ替えたのには大笑いしました。スイッチ類は特にリヤワイパー部分がリヤワイパーとウォッシャーで分かれているのが特徴的です。量販車種なので、妙なところにこだわっていないのには好感が持てますが、面白味はまったくありません。オーディオはこれまた最近見かけない1.5DINサイズで、インパネ下とリヤサスストラットタワーの計4箇所にスピーカーが装着されています。そして、寒冷地仕様だけにシートヒーターまで装備しています。ただ、作りはマツダだけに安っぽく、シボの使い方も下手で、積極的に買いたいとは思えません。
肝心の走りですが、はっきり言ってPWSディーゼルは期待はずれです。なんといってもディーゼル、しかもスーパーチャージャーのクセに低速トルクがスカスカで、2速発進でエンストするのには参りました。前車カリーナはノンターボなのにエンストするということはありませんでしたから、よほどマツダのエンジニアがディーゼルの実際の使われ方を理解していないということがわかります。ディーゼル車は低速域の粘り強さが一つの味なのですが、ガソリン車並みの性能を目指したついでにエンジン特性までガソリン車並みにしてしまったのには納得できません。また、加速時はマツダ車らしく黒煙がもうもうと吐き出されます。ただ、1度スピードに乗ってしまうとあとはガソリン車並みの走りをします。そのため、加速するまでが非常に大変な車、ということになります。中速域からの加速は素晴らしく、追い越しも楽です。ハンドリングはどっしりとしており、さすがドイツ車を研究したマツダらしい美点です。しかし、それも走っているときの状態であり、交差点や車庫入れなどの時にはこのステアリングの重さが憎らしくなります。ノンパワステのレックスよりも重いのには納得できません。クラッチも異常に重く、普段軽自動車に乗りなれた僕や母はカペラを運転したがりません。燃費は13〜14km/lという程度。ボディが重く、おまけに余分なサードシートつきのためか、思った程よくはありません。まぁ、ガソリン車よりは走るんですけどね。
カペラも12万kmを超えましたが、親父はまだ乗るつもりです。今度はミニバン、と言ってますが、あと3年はカペラに乗っているんでしょうね。