スバルレックス660バンF-s

 母の専用車です。9年間乗った2代目レックス(画像は「Historic Car Salon1」にあります)の後を受けて、1991年の11月に新車で購入しました。

 レックス購入の動機ですが、はっきり言ってレックスの指名買いです。やはり初代・2代目とレックスを乗り継いできたということが大きいのですが、技術的には4気筒エンジンのスムーズさ、当時軽ボンバン唯一のディスクブレーキと5速MTを全車採用していたことが決め手となりました。まぁ、室内に関してはどこのメーカーを選んでもたいして変わりばえしないので、その点は考慮しませんでした。もちろん、担当セールス氏の猛烈な売りこみがあったのは言うまでもありませんが、そのわりには値引きはシブかった、というよりもなんと0円でした。つまりワンプライス。モデル末期を狙って安く買い叩こうと思ったのですが、その目論見は見事に外れました。値引きの代わりとして前車レックスの下取りが3万円ついたくらい。たしか諸費用・付属品込みで71万円したと思います。仕方がないので、助手席のアシストグリップと助手席フロントスピーカー、シガーライターをサービスで付けさせました。

 購入してからかれこれ8年半が経ちましたが、走らせると、たいしたことがないということがよくわかります。ごくごく普通の軽自動車。可もなく不可もないのですが、気になるところがあるとすれば4気筒のわりにやたらやかましいということに尽きますね。エンジン音自体は許容できる範囲の「サウンド」といえるものなのですが、音のボリュームでは残念ながら僕が乗っているムーヴはおろか、場合によってはその前に乗っていたH10系ミニカにも負けるのでは、と思えるくらいのうるささです。特に加速時は会話ができないほどになってしまいます。それでも、2気筒レックスの騒音とバイブレーションの塊から解放された購入当時、その静けさとスムーズさには感動したものです。一方、走行性能で特筆すべき点は、加速がかなりよいことです。少なくともムーヴよりは出足はよろしいです。素人目には馬力・トルク共にレックスを上回り、4WDのためにローギヤード化されているムーヴのほうがよい気もしますが、レックスのほうがよいと感じるのは、やはり軽量ボディがエンジンのアンダーパワーを補っているのでしょうか。また、シフトの節度感がしっかりしているのも美点でしょう。燃費はトリップメーターがないため、計測したことはありませんが、リッター当り15〜16kmといったところです。ムーヴよりははるかに経済的ですね。

 装備品は、先のオプションサービス品以外は、ステレオ以外特に何もついていません。購入するとき、僕はエアコン付のバンLAスペシャルを推したのですが、母の「お父さんの車に付いていないものをお母さんの車に付けるわけにはいかない」という一言でF-sに決まったため、エアコンはなし。ではなぜF-sなのかというと、Fと比較して5,000円の差で間欠ワイパーとAMラジオが付くこと、ただそれだけです。カラードバンパーやセミファブリックシートなどはどうでもいいわけで、実利的な装備で選んだということです。ちなみに、僕が推したLAスペシャルにはエアコンの代わりに間欠ワイパーが付いておらず、それ以外はF-sとまったく一緒。エアコンと間欠ワイパーを天秤にかける我々も変ですが、あえて間欠ワイパーを選んだ母はもっと変です。「エアコンはドライ・アイになるから嫌だ」とむちゃくちゃなことを言ってました。それから変わったところは1997年にアゼストのCD1ボディデッキを装着したことくらい。これは僕が就職したときに初任給で買ってあげました(美談)。それ以外はまったくのどノーマル。最近では運転席のサイドサポートが破れ、ウレタンが見えるようになってしまいました。

 室内は、さすが当時のトップクラスの空間を持っていただけあって広いです。高めのアイ・ポイントで若干見下ろすポジションはなかなかいいものです。それでも、購入当時はそのアイ・ポイントの高さにびっくりしてしまい、とても落ち着けませんでした。ただ、ムーヴからレックスに乗り換えると、スポーツカー的なポジションと感じられるから不思議です。たぶん、ムーヴよりもシートポジションが低いこと、フロントガラスの傾斜がきつく、背もたれを若干寝かせた姿勢での運転を強いることが影響しているのでしょう。ペダル類が中央にオフセットされているのはこの当時の軽自動車全般にいえることなので、ある意味仕方ありませんが、長距離では疲れますね。でも基本設計が新しい分だけH10系ミニカよりはいいです。ただ、後のヴィヴィオや初代トゥデイに見られるような室内の工夫はまったくされていないので、やはり旧世代の軽自動車を思わせます。

 デザインは、前期型のパキパキとした直線的スタイルから一転して、フロント周りに当時主流になっていた曲面デザインをむりやり取り入れるという、とても不思議なものとなっています。前期型のあまりに安っぽいものと比べると大幅に改善されましたが、あのフロントマスク周りはレックス360を彷彿させる、よく言えば男性的、実際はすぐにでも喰いつきそうなデザインで、好みは分かれたと思います。一方、室内は外観のアクの強さから一転して非常にオーソドックスなもので、1988年にビッグマイナーチェンジを受けたジャスティと同じ流れのデザインです。今どき珍しいトレータイプのインパネで、開放感があってよいことはよいのですが、操作系(特にオーディオとヒーターのスイッチ)が遠く、背中を浮かせないとスイッチに届かないという、人間工学に反したものとなっています。もっとも、これは背もたれを寝かせ気味にして運転している僕だけの問題かもしれませんが・・・。

 現在までのトラブルは、ブレーキ周りがあまりにチャチで、フロントブレーキのキャリパーが破損するという、とんでもない故障に遭遇したことでしょうか。あと、暖機運転を怠るとエンジンがカブり、すぐにでもエンストしそうになること、プラグコードが断線して1気筒死んでしまったこと、マフラーの先端がサビで折れ、針金で吊って2年間もたせたことがあります。先日、エンジンルームを見ていたらエアクリーナーが埃と油でベトベトになっていたので交換しましたが、恐らく新車時から交換なしということを考えるとぞっとします。まぁ、8年半乗って6万キロも達成していませんから、トラブルは多いほうかもしれませんね。ただし、買ってから10回も洗車をしていないのですが、サビがほとんどこないのには感心しました。スバルの防錆対策は定評がありますが、このレックスにもいかんなく発揮されているわけです。現在、街で走っているレックスも、サビでグサグサになっているものはまず見かけません。

 最近、次の候補車の話を母としていますが、母は「もう、スバルは買わない!」と言っています。やはり、ブレーキの故障が響いているのか、それともスバルに飽きたのかはわかりませんが、「次はムーヴにする」ととんでもないことを言い出す始末。どうやら、僕のムーヴを見て室内が広々としていて、多くの荷物が積めるミニバンタイプに目覚めたらしく、次の車はミニバンにしようとしているらしいのです。で、最近、ムーヴにサビが発生したことをいうと、「ダイハツも嫌だ!」とのたまい、僕を困らせています。もっとも、母は「あのレックスにはあと5年はがんばってもらう」と頼もしいことを言ってもいるので、当分買い換えることはないでしょう。


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