ミラ/クオーレ
基本輸出名:クオーレ

 ダイハツの中心的な輸出モデルであるミラシリーズは、かつてのクオーレの名で世界中に販売されています。日本のみで販売されがちだった軽自動車も、今や世界中のコンパクトカーと戦えるだけの実力を身につけました。また、アジア諸国ではKD生産され、現地の国産化事業のお手本ともなっている車です。ダイハツを代表するワールドカーに成長したミラ/クオーレですが、仕向け地によってその内容は大きく異なります。また、ニューカンチルのように、現地資本が独自に手を加えるケースも多くなってきました。

 主な海外例外ネーム

MIRA(タイ、ニュージーランド)
CARADE(イギリス、南アフリカ)
KANCIL、KERISA(マレーシア)
CARADE CENTORO(オーストラリア)
DOMINO(ベルギー)
KELISA(マレーシア)

ヨーロッパ仕様(クオーレ)

 クオーレシリーズがヨーロッパへの本格的な輸出を開始したのは、1985年のL70系になってからのことです。当初はハイゼット用に開発された850ccを搭載していました。その後、日本仕様と歩調を合わせてモデルチェンジを重ねてきましたが、エンジンは一貫して850ccでした。
 L700系クオーレが日本仕様と大きく異なるのはエンジンで、それまでの輸出仕様が850ccだったのに対し、L700系ヨーロッパ仕様はストーリア用の1000cc(DVVT付)をベースにDVVTを外した専用エンジンを搭載しています。これにより、軽量なボディとあいまってキビキビとした動力性能を獲得することに成功しました。その代わり、同じエンジンを搭載するシリオン(ストーリア)との違いが不明瞭になったのも事実で、あまり成功しているとはいいにくい状況です。
 日本仕様との違いは、エンジン以外では全長の15mm延長、ルーフセンターのラジオアンテナ、リヤフォグランプの標準装備、アクセサリー装備が簡略化されている点などです。なお、安全装備についてはデュアルSRSエアバッグの標準装備やABSのオプション設定など、日本仕様と大差ありません。トランスミッションは5MTが標準で、3ATがオプションです。
 なお、南アフリカのようにL150系登場後も販売されている地域があります。このこととミラジーノ1000が日本で追加設定されたこととは無関係ではないと思うのですが、どうでしょうか。

 2002年にミラがL150系に移行したことを受け、L150系クオーレが2003年より発売されました。デザインは日本仕様の標準車で、ボディサイズも共通。インテリアも標準車のイメージですが、日本仕様ではターボ車のみの設定となるタコメーターが標準装備されました。エンジンは新たにDVVTを採用したEJ-VEに変更されました。ATが4速に格上げされ、走行性能が向上しています。安全装備も充実しており、両席エアバッグに加え、サイドエアバッグの設定もあります。
 ラインナップは3ドアと5ドアの2種類にハイグレード仕様とスタンダード仕様がそれぞれ設定されています。。ハイグレード仕様はシートがアヴィ用のものになり、リヤシートヘッドレストも装着されます。一方、スタンダード仕様は標準車Lと共通デザインです。アヴィのシートを採用する3ドアは今のところヨーロッパ仕様のみとなっています。
 なお、イギリス、南アフリカ、ニュージーランドではシャレードの名前で販売されています。

 Specifications:クオーレ5ドア
全長×全幅×全高:3 410×1 475×1420mm ホイールベース:2 345mm トレッド前/後:1 330/1 300mm 車両重量:740kg エンジン形式:EJ-DE型直列3気筒DOHC 排気量:989cc ボア×ストローク:72.0×81.0mm 最高出力:40.5kW/5 200rpm 最大トルク:88.3N-m/3 600rpm 燃料供給装置:EFI トランスミッション:5速MT・3速AT サスペンション前/後:ストラット/3リンクトーションビーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:155/65R13

 Specifications:ニュークオーレ5ドア13インチタイヤ仕様(カッコ内は3ドア12インチタイヤ仕様)
全長×全幅×全高:3 400×1 475×1 500mm ホイールベース:2 375mm トレッド前/後:1 320/1 300mm(1 330/1 310mm) 車両重量:740kg(720kg) エンジン形式:EJ-VE型直列3気筒DOHC 排気量:989cc ボア×ストローク:72.0×81.0mm 最高出力:43.0kW/6 000rpm 最大トルク:91.0N-m/4 000rpm 燃料供給装置:EFI トランスミッション:5速MT・4速AT サスペンション前/後:ストラット/3リンクトーションビーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:155/65R13(145/80R12)

マレーシア仕様(カンチル)

 マレーシアの第2国民車として1994年に登場したカンチルは、L200系をベースに現地で生産されているモデルです。生産・販売はダイハツと現地資本との合弁会社である「プロデゥア社」が担当しています。マレーシアは右ハンドルのため、日本仕様をそのまま生産してもおかしくはないのですが、現地向きにエクステリアを変更し、豪華なイメージで販売されています。乗用車を購入する層が限られているマレーシアでは、より乗用車らしく見えるようにモディファイするのが基本のようで、シンプルな実用車であるはずのミラもメッキグリルなどで飾り立てています。また、独自デザインの前後バンパーにより、日本仕様に対して全長が100mm伸ばされています。
 エンジンはダイハツ輸出仕様の基本である850ccのほかに、廉価版として660ccも用意されています。この660cc仕様は内外装と装備類を除けばまさしく日本仕様そのものです。トランスミッションは850は5MTが標準で3ATがオプション扱い、660は4MTのみの設定です。グレード展開は850が廉価版のEXとEZ、660はEXという展開です。

 実質的な後継モデルとしてクリサが発売されたことを受け、カンチルは2003年にプロデュアの手によってビッグマイナーチェンジを敢行、ドア以外のボディパーツをすべて変更し、ベースがL200系とは思えないほどのイメージチェンジを図りました。内装も流行のセンターメーターを採用するなどの全面変更で、旧態化したカンチルの延命を図っています。装備レベルも向上し、全車にエアコン、パワーウインドー、カセットデッキを標準装備。エンジンは前期型と同じ660ccと850ccを引き続き採用するものの、850のみに設定される3速AT仕様には新たにEFIを追加しています。また、660のMTはこのマイナーチェンジを機に5速へと変更されました。

 Specifications:カンチル850(カッコ内は660)
全長×全幅×全高:3 395×1 395×1415mm ホイールベース:2 280mm トレッド前/後:1 215/1 205mm 車両重量:675kg(650kg) エンジン形式:ED-10型直列3気筒OHC(EF-CL型直列3気筒OHC) 排気量:847cc(659cc) ボア×ストローク:66.6×81.0mm 最高出力:27.5kW/5 500rpm(22.8kW/5 200rpm) 最大トルク:62.7N-m/3 800rpm(49.0N-m/3 200rpm) 燃料供給装置:キャブレター トランスミッション:5速MT・3速AT(4速MT) サスペンション前/後:ストラット/セミトレーリングアーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:155/70R12

 Specifications:ニューカンチル850(カッコ内は3AT)
全長×全幅×全高:3 365×1 405×1 415mm ホイールベース:2 280mm トレッド前/後:1 215/1 205mm 車両重量:681kg(717kg) エンジン形式:ED-10型直列3気筒OHC 排気量:847cc
 ボア×ストローク:66.6×81.0mm 最高出力:27.5kW/5 500rpm(36.7kW/6 400rpm) 最大トルク:62.7N-m/3 800rpm(74.4N-m/4 000rpm) 燃料供給装置:キャブレター(EFI) トランスミッション:5速MT(3速AT) サスペンション前/後:ストラット/セミトレーリングアーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:155/70R12

マレーシア仕様(クリサ)

 カンチルの上級モデルとして登場したクリサは、L700系輸出仕様をベースに現地で生産されているモデルです。カンチル同様、生産・販売はダイハツと現地資本との合弁会社である「プロデゥア社」が担当しています。デザインは他のマレーシア仕様同様、メッキ2分割グリルを採用して上級感を演出していますが、それだけにとどまらずフロントフェンダーやボンネットも専用部品となっています。カンチルと比べ、新規格モデルベースになった分だけボディが拡大されており、居住空間も格段に広くなっています。また、ホイールベースをフロントに20mm伸ばし、乗り心地・操縦安定性の向上を図っているのも特徴です。
 エンジンはヨーロッパ仕様クオーレと共通の1000ccエンジンを搭載、トランスミッションは5MTが標準で、最上級モデルが4ATです。グレード展開は5MT廉価版のEXとデラックス仕様のGX、4ATのデラックス仕様EZという展開です。

 Specifications:クリサGX(カッコ内はEZ)
全長×全幅×全高:3 480×1 490×1425mm ホイールベース:2 360mm トレッド前/後:1 330/1 300mm エンジン形式:EJ-DE型直列3気筒DOHC 排気量:989cc ボア×ストローク:72.0×81.0mm 最高出力:40.5kW/5 200rpm 最大トルク:88.3N-m/3 600rpm 燃料供給装置:EFI トランスミッション:5速MT(4速AT) サスペンション前/後:ストラット/3リンクトーションビーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:155/65R13

パキスタン仕様(クオーレ)

 2000年よりミラシリーズがパキスタンでKD生産を開始しました。すでにL700系が日本やヨーロッパでデビューしていましたが、パキスタン仕様はL500系をベースにしています。エンジンは850ccを搭載しています。850ccが選ばれたのは、パキスタンでの生産レベルや各国で長く生産されている実績などを考慮してのことです。このクオーレも現地の国産化計画に沿ったものです。その意味ではマレーシアと同様の事例といえるでしょう。
 トランスミッションは5MTのみで、グレードは上からCX、CL、CGの3グレードが用意されています。スタンダードグレードであるCGではアクセサリー装備も最低限のものが装着されていますが、CXだと日本仕様と変わらない豪華装備です。グリルのダイハツマーク以外は日本仕様と大差ないエクステリアとなっています。ただ、不整地走行を考慮して、最低地上高が180mmと高めに設定されているのが大きな違いでしょう。また、同じエンジンを搭載するカンチル850と比べて性能が向上しています。

 Specifications:クオーレ5ドアCX
全長×全幅×全高:3 300×1 400×1445mm ホイールベース:2 300mm トレッド前/後:1 220/1 210mm 車両重量:640kg エンジン形式:ED-10型直列3気筒OHC 排気量:847cc ボア×ストローク:66.6×81.0mm 最高出力:30.0kW/5 500rpm 最大トルク:65.0N-m/3 600rpm 燃料供給装置:キャブレター トランスミッション:5速MT サスペンション前/後:ストラット/セミトレーリングアーム ブレーキ前/後:ディスク/ドラム タイヤ:145/70R12

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