塗装で入庫した2CVです、不運な事にリヤーにダメージを負った車でしたが 板金処理が悪く腐食が
進行していました、外側は板金をせずに厚塗りのパテ、内側はコーキング材で塞いでありました。
オーナー立ち会いのもとコーキングを剥がすとウェハース状の激しい腐食で指がズボッと抜けて
しまいました。想像以上の大工事になりましたが現在は塗装工場にて社会復帰を行っています。

右の様子
入庫時の状態 パテを手でパキパキと剥がす 内側はシリコンコーキングを剥がす
指で押すと破れてしまいました 外販を切り取る フェンダー内部も腐食
大まかに切り取る トランク床も穴が有り 床下からの撮影
パテは厚塗りで下地は錆びています   三面とも腐食
別の車体から切り取ったコーナー部分
三面をそのまま利用
溶接で取り付けました フェンダー内部の溶接
左の様子
入庫時の状態 どこもコーキングで見た目を作っていますが
コーキングには酢酸が含まれサビを進める
コーナーのコーキングを剥がしたところ
タガネでコツコツ朽ちた鉄板カスを剥がす 床には穴が有り サビ処理のため広げる ↓は処理後
サンドブラスト後裏から鉄板を溶接 サンドブラストは砂を高圧のエアーで叩きつけ錆を削り落します ブラスト途中の2枚です
床下の状態 ブラスト後 コーナーには鉄板を溶接
フェンダーは鉄板を球面に叩き出して溶接
室内 フロアー、塗装
マットを剥がした床、浮きサビと亀裂が有り 運転席下です 右側(助手席)の足元
ウェハース状で指でパリパリ剥がれた 諦めて切り取る、左はフレーム右は車体の
床です
フレーム側にも亀裂がありトゥーボードを
切り取る、錆びているが浮き錆び程度
足元の補強材部分 構造物と床板の接合部が腐食 接合部を含め大きく切り取った
形状に合わせた板を床下から差し込むための
型取り、リブの部分を逃がすように切り欠く
フレーム亀裂の補修材 仮合わせ トゥーボード(下)を取り付け
トゥーボード(上)も取り付けた リヤーシート取り付け金具付近の状態 ガラスのフレームの錆び、2CVには多い症状
ヘッドライトとタワー、錆びはこんな感じで
手でパリパリ剥がれます
剥がれにくい所は錆びていません
塗装前の下処理が悪いのでしょうね
サンドブラストで錆を取ります
ライトハウジングです サンドブラストをかけ始めるとボロボロに
なり中止しました
中からの写真でお分りでしょうが、、、、
代わりの物を探して使います
トランクフロアー 右 トランクフロアー 左 内張りを貼りました
エンジンルーム 夜になって、幌を取り付け ナンバーブラケットは外して塗装後復帰
順調かと思えましたが問題の発生です。

ドアーのヒンジ下が摩耗して開けると
ガクンと下がってしまいます、下がった
ドアーがロックの入りを悪くしています。

左は閉じた時、右は開けた時に下がった
状態です、白い粉はコンパウンドです。
欠損部、青が正しい形体で赤で示すように
摩耗して欠損している
最良の方法を3日考え左右を1時間で作業、
欠損部分6ミリのレールを敷いた、この上をドアー
が通る
そのままではヒンジ下のエッジ部分が摩耗する
でしょうからドアー下にスリッパを履かせる

考えていたことを具現化させるのは楽しい作業です、考えているときは食事の時も寝る時も頭から離れません
ハンマーで板金しているように無造作に手が動いてしまう事もあり、今回はドアーを引く手が空を切っていました。
3種類位考えると4つ5つめは簡単に浮かびます、その中から1番良いのは何か、、を選んでいると別の良いアイデア
が現れる事もあります、今回はヒンジ内部の欠損ですが答えは外に見つけました。
水が貯まらないように窪みをシーリングしました、ドアーが解決したので内装の復帰で、もうすぐ完成です。

塗装工場に取りに行ったのですがエンジンがかからずに、後日部品と工具を持って出直してプラグとポイント/コンデンサーを
交換して点火一発! 快調になりトルク感も(以前と)変わりました、
帰りは夕方でした、後ろの車のヘッドライトが排気ガスを白く照らしているのをミラーで見ながらの運転でした、プラグもオイルを
帯びています。

エンジンがかからなくなり点検、ポイント、プラグ
共に真っ黒で交換しました
磨きが始まります、鬼の様に磨きます! ライトリムのビフォー/アフター
1、粗めペーパー砥ぎ
2、中目ペーパー砥ぎ
3、仕上げ砥ぎ 耐水ペーパー
4、電動バフ磨き
その後は自力で3工程ほど磨き上げます
20年の歳月を物語っています 少しづつ磨いていきます
きれいになっていくのは楽しい作業です シートも張りかえました 後席シートと内装
じっと完成を待つ リヤードアーの内側のゴムですが数か所欠損 もう1本は大きく欠損部あり
新しいカバーを取り付け ホイールのセンターキャップを新しい物に交換 ボンネットに映る初冬の空
銀杏並木 枯葉舞う公園にて 複合された曲線をもつ 造形の美しい車です
At the night,,,, Miyakeにて待ち合わせ納車 そして、フロントの足回りが折れた子が入庫です


Parisの郊外のような景色を求め近くの公園に写真を撮りに行きました、小さな子供が手を振ってくれました
車の旅立ちには毎回感動を覚えます、オーナーも喜んで頂けると思います。

翌日の日中足回りが折れた2CVが入庫、また新たな物語が始まるかも知れません、夕刻に桐生のMiyakeにて
オーナーと待ち合わせて納車、新車から乗り続けたオーナーは20年前の感動を再び味わって頂けたようです。
この先も10年、20年と末長い2CVライフをお送りください。

世相はエコカーブームで乗り換える事が美徳とされていますが、一生の道具として乗り続ける事は最大のエコでは
ないかと思います、1948年に2CVが誕生し海外では当時の車も沢山走っています、エコカーの要素にはいつまで
経っても変わらない快適さと時代を超えたデザイン、飽き足りない走行性能などが有ると2CVを見て思います。
日本でも数十年乗れる車が現れないかと期待します、最大の要素は数十年の間オーナーの心を魅了する事でしょうか
2CVにはそんな機能が標準装備されていると思います。

21.nov.2009 終了