この2CVはクランクシャフトのガタのため搬入され、エンジンは既に分解されていました
オーナーは2CVを購入して間もなくこのトラブルに見舞われてしまいました。
日頃から「2CVには良いオイルを」とお勧めしていますが良いオイルを入れ続けている2CVは
バルブの擦り減り等にも違いが見られます。良いオイルは潤滑だけでなく油膜によるエンジン内部の
ギヤーやカム等の接触部や回転部の保護に優れ、オイルシールの保護や油温の安定などに違いが
見られます。
今回はコンロッド⇔クランクシャフト間のメタルにガタがあり分解したそうです。そして決定的なダメージは
クランクケースの摩耗でした、上記の不具合の全てがオイル管理によるものと思います。



S様、以下の様に現状を報告します
各部にかなりの問題が見つかりどのように進めて良いのかと思案中です。
見積もりを進めていきます。

ローラーの摩耗 ブーツの破れ 中間(左右交換)
プッシュロッドに亀裂
クランクのガタによる激しい突き上げのためと思います
チューブのつぶれ
シリンダーのキズ、左右ともツメで引っかかる傷が有ります、2CVにはオーバーサイズのピストンリングが有りま
せんので絶対的にコレ!という手段が有りません。
ピストンのスカートが擦れたのでしょうか、通常はここまで接触傷は有りません
ピストンのキズ、オイル被膜によってスカート部分はシリンダー壁に接触しながらも浮いているのですが粗悪な
オイルでは油膜が保持出来ません
車内には650用のピストンが入っていました、ノーマルとの差は御覧のとおりです
650にボアーアップしてもいいのですがシリンダーをかなり削る事になります、上記の写真で見比べて下さい
左の写真では650のピストンを乗せて有ります
650にする場合はシリンダーの有効厚が0.2ミリしか残りませんので、リスクを伴います、当店ではお勧めして
いませんので焼きつき等の責任は持ちません
カムシャフトがポイントの所に出ているクランクケース部分です、右の写真の様に逆回りのウォームギヤーで流れ
出るオイルを戻しています、クランクケースはかなりの摩耗が有り組み立ててもポイントケース内にオイルが滲む
ことも予想します、上にポイントが付きます。
2CVには絶対的に良いオイルを勧めているのはこの様な事が有るからです、今回のクランクシャフトのガタも
粗悪なオイルが要因しているかと考えます。
ミッションケースの一番後ろです、メータワイヤー固定の
ボルトが締めすぎて亀裂が有ります。
ヘッドライトステーです、御存じかと思いますがサビの
進行が進んでいます
右側、錆を落とすと無くなりそうです 左もウェハース状態