私がMacを買ったわけ

加害上に退屈なので読まない方がいいよ(^_^;


 はるか以前、1980年頃、私がまだ二十歳ぐらいだったと思うがいきなり(どうしてそう思ったのか、今となっては思い出せないが)「これからはコンピュータの時代だ!俺も覚えるぞ!!」と思いたった。しかし本当のパソコンを買うだけの金も無い貧乏アニメーターだった私は池袋のビックカメラでしかたなく買ったのがSHARPのポケコン「PC-1210」だった・・・(多分)

 しかし私が頭の中で考えていた何でも出来る万能コンピュータとは程遠い物だった。解説本を買いサンプルのゲームなどを一晩がかりで打込んで、やっとしょぼいゲームが出来る。 何とも虚しい気持ちが一杯になり半年もしないうちにその「PC-1210」は兄に5.000円で譲ってしまった。

 その後ずいぶんブランクが空いた、まだ私が求めるコンピュータは現れてこなかったのだ・・・と言いたいところだが、実のところ完全に忘れていたと言っても良い状態だった。Macの存在を知ったのは劇場版の「STER TREK」の三作目だった。宇宙船エンタープライズのクルーの一人、スコットが現代の地球でMac Plusに向い、音声認識機能が有ると勘違いして「コンピュータ!」と呼びかけたのだ。更にこれはマイクが必要なのだと思ったスコットはまたまた勘違いをしてマウスを掴むと、もう一度「コンピュータ!」と語りかける。「なんだこれは?」私はちょっと関心を持った。スクリーンでは物凄いスピードでキーボードを打つスコット、続いて物凄い速度で画面を表示するPlus。(いま見ればこの画面は別に有るビデオか何かから映像を送った物なのだろう)「おおっ〜!こんなのがコンピュータなのか!」ちょっとした衝撃を受けたが、その事はすぐに忘れてしまった。

その後は趣味らしい趣味を持たず一心不乱に仕事に没頭していた。

更に何年か過ぎ'92年、System7は前年にリリースされており、漢字Talk7もそろそろ出るんじゃないかという声が聞こえてきた頃のことだった。
 ビデオアニメーションの「万能文化猫娘」という作品ををやっていた私は原作者の高田裕三氏と共著という形で「万能文化猫娘 完璧版」と云う本に40ページの書下ろしの漫画を描いた。その時に高田氏の好意で印税の半分をもらうことが出来た。そこで私は妻に泣きつき、そのうちの一部を私の好きに使えるようにしてもらい。70万円の予算でパソコンを買うことにしたのだった。

 と言っても、まったく情報を絶ったまま数年を経ていた為、一体何を買ったら良いのかまったく思い付つかない。「STER TREK」に登場していたのがMacであることも、ましてAppleが出している事も知らなかった(Appleに関しては「PC-1210」を買った頃に読んだ本でAppleIIぐらいは知っていたのだが・・)そこで私は、研究のために「良いパソコン悪いパソコン」という本を買ってみた。 その中で書いてあったのは、

今一番ユーザーの多いのがPC-9801で国内80%のシェアを持ちユーザーが多く、国産なので日本語版ソフトが充実していて安心。

DOS/Vは日本語がまだ満足に使えないから論外(まだWindowsは3.0がリリースされたばかりで評判も良くなく、まだDOSが主流の時代だったからね)

Macintoshはまだ十分ではないが日本語も使える。しかし基本は英語である、だが他のパソコンの3〜5年先の未来を見るならMacintoshである。というような書き方がされていたと思う、少なくとも私にはそう読めた。

 更に色んな本を調べていくうちにMac独自のアプリケーションとして「Acta7」というアウトライン・プロセッサ(アイデア・プロセッサとも言う)の存在を知った。これまで文章の組み立てが下手な私はとにかく文章を書くのが大っ嫌いだったのだ。これが有れば私もいっぱしの企画書が書けるかもしれない!と考えた・・・のかも知れない。今でこそメジャーなワープロはアウトライン機能を搭載しているが、当時アウトライン機能を搭載している物は無かったのだ。

この時点ではまだMacでグラフィックをやろうとは思っていなかった

 取り合えず実際にパソコンをを見に行くか、と秋葉原に出かけた私はソフマップで一つのソフトに出会った、タイトルは「あぶない女たち」作者はデジタル絵本作家のヒメタローさんだ。 他のソフトに比べちょっと変わった印象を受けるパッケージで私の目に焼付いた。 其の時点でMacの購入をほとんど決めていた私は、このソフトを買うことにした。
 私は何か大きな買物を買うときは周辺の物から買い、目的の物を買わざるえない状況を作る主義なのだ。 次は本体を何にしようかと物色をした。そこで目を付けたのが発売から二年近く達ち値ごろ感も進んでいた Macintosh IICi だ、しかし仕事に追われているうちに漢字Talk7のリリース、合わせるようにIIVxが登場してしまった。 そのパフォーマンスに「ああ、どうしよう・・・」などと迷っていたら'93.2月の MacWorld EXPO/Tokyo で新機種が発表された。 Quadra 800 が80万位、Centris 650も65万円位はしていたと記憶しているが。Quadra 800が少々予算をオーバーするものの IIVxの発売時期の値段とさほど変わらなかったので思い切ってQuadra 800の購入を考え、何人かの知り合いに話を聞くが皆んなPC-98のユーザーばかりで「そんな高いMacなんか買って使いこなせなかったらどうするの?」という否定的な声ばかりだった。
 私もちょっと不安になり機種を拡張性の無い、といってもパフォーマンス的には最初に考えていたIICiと同じスペックの Motorora680030/25 を積んだ Macintosh LCIII の購入を決めてしまった。 それでも本体が21万円、モニタ、キーボードなど周辺機器、アプリケーションを含み当初の予算ギリギリの68万円も掛ってしまった。PC-98なら40万で揃うぞなんて言われもしたが・・・でも満足だった。

 しかし搭載メモリが4MB、システムを立ち上げるのがやっとで、やたら「メモリが足りません」のメッセージが出る。 呆れ返って翌日には再び秋葉原を訪れた。 「大は小を兼ねる」ということわざの通りLCIIIに搭載できる、当時最大容量の16MBのメモリを積んでやろうと探すが何処のも無い、さんざん探した挙句 T-ZONE本店でやっと見つけたが何と値段が11万円!!クラクラしてしまったがやむを得ないと銀行へ行き、なけなしの金を下ろし購入したが、いま考えるとなんて高いんだろう。今なら16MBだと数千円で買えてしまう・・・怖ろしい時代になった物である。
 しかしSystemを立ち上げるだけでも楽しく「Finder」自体とてつもなく面白いアプリケーションだった。 大抵のユーザーがいそしむであろうカスタマイズも散々やった。「ResEdit」の使い方も憶えアイコン作りや英語版ソフトのメニューを日本語化したり、トンでもないことに時間を費やし、やがていつもこいつと一緒に居たいという想いから三ヶ月後には仕事に必要だからと妻を口説き落とし、PowerBook Duo230 まで購入してしまった。 余談だが、これを仕事場に持っていき何人もMacユーザーを増やしたものだ。

 やがてPowerPCを搭載したPowerMacが現れた、グラフィックをやり始めていた私はLCIIIの遅さに我慢しきれなくなり、またまた妻に泣きを入れ「本業とは別にアルバイトなどして返すなら」という条件で(今ででも新機種を買う場合の条件だ)思い切ってフラッグシップモデルのPowerMac8100/80AVを買ってしまった。メモリも後々後悔しないように64MBまで増し(最終的には180MBぐらいまで増やした)快適なMacライフを堪能した。

 しかし、そんな頃から古い機種も気になり出していた。最初に買おうかと悩んだ IICi のデザインが心に残っていたのかも知れない。

 基本的に仕事のストレスが溜まると物欲で発散する悪い癖が有る私が中古のIISiを9,000円で見つけたのが運の尽きだった、oldMacの魅力に取り憑かれてしまったのだ。
 いま考えると旧機種を買う時期は仕事に詰まった時期と完全に符号している。
 Plus、PowerBook 100、IIfx、SE/30、512Ke、OldMacでは無いがNewton MessagePad(Original)、NeXTcube、PowerBook 5300Csと、今考えると呆れ返て物が言えない。
 まあ過ぎたことを思い出しても仕方がない。うちではこれらを(Plusと512Ke、Newton、NeXTcubeを除き)AppleTalkやEthernetで結び一部屋に一台のMacが稼動している。IIfxをファイルサーバーにして総てのMacから同じファイルを使い作業できる環境を作っているのだ。これならアイデアなど思い付いた時、その場にあるMacでガ〜ッと文章を書く。いちいちファイルのシンクロなどする必要が無いので非常に便利だ。

 そんな中でPowerMac 8500/150を買ったときはちょっと状況が違っていた。本当なら今や幻となったOS「Copland」がリリースされたら即、そのOSに最適化された最新機種を買おうと思っていたのだ。 しかし「Copland」は開発が中止されてしまい、OS戦略が不透明になってしまったため新機種の購入は諦め、発売から10ケ月たち底値になったPowerMac 8500/150を買った。8500ならCPUカードの差し替えだけでクロックアップできるので、当分使えるだろうと言う思いがあってのことだった。

 しかしoldMacへの熱は未だに強い、今はQuadra950が猛烈に欲しい! あの実に力強いフラッグシップに相応しい巨体・・・考えてみたらうちには040Macが一台も無いではないか。 DSPを搭載し、起動音も他のMacと違うQuadra840AVも貴重な存在かもしれないから機会が有れば欲しいがデザイン的には8100や8500と同じなのでちょっと面白味がないな、しかしこんなに集めてどうするかというと、全然考えていない。

 妻は「博物館でも作るの?」などと皮肉をいっているし、すでに家に置くスペースは無いが、またストレスが溜まるとどうなるのだろうか・・・


【私のパソコン遍歴】
(入手順)

MacintoshLCIII, PowerBook Duo230, NEC PC-98NOTE NA, PowerMac 8100/80AV, Newton MessagePad 120, Macintosh IISi, Newton MessagePad(Original), Macintosh Plus, PowerBook100, IBM PolmTop110, Macintosh IIfx, Macintosh SE/30, PowerMac 8500/150, PalmPilot Pro 2MB, Macintosh 512ke, PowerBook 5300Cs

'97.10.20 記録
'97.11.12 一部訂正