TRONプロジェクトとは?

私も誤解していたのだが、TRONとは(The Real-time Operating system Nucleus)というプロジェクトおよび仕様の名称であって、特定の製品を指している言葉ではなかったのだ。

もともとは東京大学・坂村 健博士によって提唱された電脳強化環境(Computer Augmented Environment)のためのコンピュータアーキテクチャで、その提案に賛同した民間企業によって新しい概念にもとづくコンピュータ体系を構築するために産学共同でトロンプロジェクトが発足。

中村正三郎氏の言葉で云うと
TRONって何かというと、誰にとっても(子供、高齢者、障碍者も含む)、いまより使いやすいコンピュータを作るのを目標にしているプロジェクト。プロジェクトで作ったり決めたりするのは、CPUからOS、さらにはヒューマンインターフェース(人とコンピュータとの関わり方の作法)やら、必要なものは全部。決まった仕様はオープンにして、誰が作ってもいいと。ライセンス料は要らないから、勝手に商品化してもよし、フリーソフトで配るもよし。反省すべき過去は反省し、明るい未来を信じてがんばろうという、いまどき珍しい理想主義を掲げてやっているプロジェクトである。それだけに反発があったり、「TRONなんてもう終わってる」といわれたり、坂村健にカリスマがあるせいで、「宗教がかっている」「コンピュータ界のドンキホーテ」などともいわれる。

と言うものだ。  そのトロンプロジェクトを推進するための中核機関として、社団法人トロン協会が設立され現在以下の種類が有る。

TRON
"The Real-Time Operating System Nucleus" の略

ITRON
"Industrial TRON" の略で、機器組み込み制御用リアルタイムマルチタスクOS仕様だ。電気洗濯機、電子レンジ、カーナビ、デジカメ等に利用され、皆が知らないうち使っている世界的にもっとも普及しているOS

BTRON
"Business TRON" の略称でパーソナルコンピュータ、ワークステーション用OS仕様を中心としたアーキテクチャだ

CTRON
"Communication and Central TRON" の略で通信情報処理向けOSインターフェース仕様

MTRON
"Macro TRON" の略

JTRON
"Java TRON"の略でITRON仕様OS上で、Java実行環境を動作させるためのインタフェース仕様

トロンプロジェクトの長期的な目標は「どこでもコンピュータ」環境を実現するということだが、その「どこでもコンピュータ」環境とは、人間の身の回りのすべての道具、家具、設備などにコンピュータが入り、それらが互いネットワーク接続され、協調して最適な生活環境を演出するというコンセプトで、トロンが世界に先駆けて提唱したものだそうだ。

このコンセプトは今ではUbiquitus Computing、Computer Augmented Environment、Intelligent Environment等の名前で、コンピュータ研究の最先端分野として、世界中で研究されているという。