少 額 訴 訟
少額訴訟制度は、「60万円以下の争いについて原則として1日の審理で判決を出す」というものです。
但し、金銭の支払いの請求を目的とする訴えでなければならず、「50万の商品を買ったけど引き渡しされない」とか「身に覚えのない借金の返済を迫られているので、債務の不存在を
裁判で確認したい」とかいうものは、この制度を利用できず、簡易裁判所での通常裁判となります。
**********少額訴訟が使える訴えの例**********
・敷金返還請求
・貸金請求(友人間での貸し借り等)
・飲食代金請求(時効に注意)
・賃金請求(未払い給料)
会社の倒産に注意
・家賃請求(滞納家賃)
立退きを迫る場合は通常訴訟
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各種債権の時効
| 飲 み 代・給 料 | 1 年 |
| 売 買 代 金・売 掛 金 | 2 年 |
| 交 通 事 故 の 損 害 賠 償 | 3 年 |
| 銀 行・サ ラ 金 の 貸 金 | 5 年 |
| 私 人 間 の 貸 金 | 1 0 年 |
少額訴訟の手続き
少 額 訴 訟 の 提 起
↓
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訴 状 審 査
↓
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訴状の送達・呼出状の送達 →→ 通常訴訟へ(被告の選択あるいは裁判所の職権)
↓
↓
口 頭 弁 論
↓
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判 決 →→ 異議申立て →→ 通常訴訟へ
↓ (2週間以内)
↓
確 定
敷金返還訴訟
では東京簡裁の少額訴訟の取扱いでトップを占める敷金返還訴訟について、
具体的に見てみましょう。
まず訴状用紙ですが、簡易裁判所に定型の用紙がありますのでこれに記入するのが簡単でしょう。
用紙は3枚複写になっており、「敷金の額」「当方・相手方の住所、氏名」等の
事項を所定の欄に記入します。
そして原告側としては「敷金を支払った事実」「契約に従い退去を通知した事実」
「敷金を返却すると契約にある事実」を記載した添付書類をワープロやパソコンを使って
作成し(手書きでも可能ですが、読みやすさという点から手書きは避けたほうが
いいでしょう)、契約書や領収書のコピーを添えて裁判所に提出すればいいのです。
退去時の様子を納めたビデオや写真があれば安心ですが、これらは提出不要です。
なぜなら「敷金を返還しない理由」は家主側が明らかにしなければならないからです。
敷金の返還に際してよく問題となるのが借り手の「原状回復義務」です。
原状回復とはそのまま読めば借りた時と同じ状態に戻すということですが
(財)不動産適正取引推進機構発行の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
によると「経年経過による自然減耗や通常の使用の範囲内での減耗は家主の負担」
であり、部屋を借りた当時と全く同じ状態にするため壁紙を張り替えたり、
カーペットを新しいものと換えたりする必要は通常ありません。(判例上も)
つまり「借り主が普通の生活を送り、掃除や手入れも怠らず維持管理に
努めていれば敷金は返す」のが原則なのです。
家主は
- 「建物・設備等の自然的な劣化、損耗等」(経年変化)--減価償却の対象
- 「賃借人の通常の使用による生ずる損耗等」(通常損耗)------減価償却の対象
- 「次の入居者の確保のためのグレードアップ・化粧直し」
を負担する義務があり、
一方、借り主は
- 「通常の使用の範囲を超える使用による損耗」
- 「賃借人の故意、過失、善管注意義務違反による損耗」
につき負担する必要があります。
以下具体的に家主、借り主のどちらが負担すべきものか事例を列挙しますので
参考にして下さい。
| 家 主 負 担 | 借 り 主 負 担 |
クリーニングで落ちる程度のたばこのヤニ | 日常の不適切な手入れ、用法違反による破損 |
TV、冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ(黒焼け) | 壁の結露を放置して生えたカビ |
壁に貼ったポスターや絵の跡の変色 | エアコンからの漏れを放置して生じた壁の腐食 |
壁のピン、画鋲のあと | 壁の釘、ネジ穴 |
フローリングのワックスがけ | 天井に直接取り付けた照明器具の跡 |
破損のない畳の表返し、表替え | 引越し作業による傷 |
家具の重みによるカーペットのへこみ、設置あと | ペットによる傷 |
日照による畳やフローリング、壁クロスの変色、色落ち | 台所の油汚れ |
破損のない網戸の張り替え | 雨が吹き込んだことなどによるフローリングの色落ち |
地震で破損したガラス | カーペットに飲み物などをこぼしたシミ、カビ |
台所・トイレの消毒 | キャスター付きのいすによる床の傷 |
破損のない浴槽、風呂釜の取り替え | |
鍵の取り替え | |
専門業者によるハウスクリーニング | |
上記を参考に御自分で準備をすれば時間と費用をあまりかけず訴訟を起こすことも可能です。