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 塩ビとはどんな樹脂?・・・古くから使われ、加工性が良く、経済性に優れた樹脂です。
MSDS(製品安全データシート)では次のように示されています。

製品名: ポリ塩化ビニル(PVC)

物質の特定
 
 単一製品・混合物の区別   単一製品
 化学名              ポリ塩化ビニル(PVC)
 化学式              (CH2CHCl)n
 構造式              省略
 官報公示整理番号       6-66(化審法)
 CAS No.                             9002-86-2
 国連分類及び国連番号    分類基準に該当しない

危険有害性の分類

 分類の名称           分類基準に該当しない
 危険性              なし
 有害性              なし
 環境影響             データなし

塩ビ」はプラスッチックの中でも歴史の古い樹脂で、欧米では1930年代に工業化され、日本では第二次世界大戦が終わった1945年以降に本格的な生産が始まりました。
 
1950年以降は大量消費時代を背景に、驚異的な成長をとげました。戦後の復興に欠かせなかった電線、水道管、食料増産のための農業用フィルム・・・はもとより、ベルトやハンドバッグ、テーブルクロス、靴 etc. と産業用資材は勿論の事、日用品・装飾品まで生活のあらゆる分野で使われるようになり、プラスチック・エイジの先達の役割りをつとめました。
 
1955〜1965年の高度成長期には、耐久消費財の需要の高まりと共に活躍分野も広がり、この時期に卵パック、LPレコード、高速道路や新幹線の建設に使われる土木建設資材、血液バッグやカテーテルなどの医療用器材が開発されました。
 
そして現代では電子部品や光ファイバーの被覆材、住宅建材への展開で新たな役割りを担っています。50年余の間、社会の基礎資材や日用品を通じて、終始先達の役割りを勤めてきた「塩ビ」ですが、これから先も優れた加工性と経済性、バランスの良い特性で多くの可能性を秘めた材料と言えます。

少し見方を変えてみると、『塩ビの原料は40%が「石油」で、残りの60%は「塩」』なのです。この点が100%石油に依存する他のプラスチックスと異なる点で、省資源性のプラスチックと言えます.「」は海水に無尽蔵に含まれる資源で、これを電気分解して出来る「塩素」を石油から得られる「エチレン」と反応させて「塩ビ」を作ります。電気=石油資源とも言えますが、原子力や太陽・風力エネルギーの活用が安定的なものになれば、一層省資源(石油)樹脂と言えることになります。「塩ビ」はこの他にも色んな特性をバランス良く備えており,柔らかいもの(軟質塩ビ=ビニールと親しみを持って呼ばれている)からパイプのような硬いもの(硬質塩ビ)まで、用途に応じて自由自在に加工できます。

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 「塩ビ」のリサイクル。・・・プラスチックの中で一番進んでいます。

日本では年間約200万トンの「塩ビ」が使用され約80%は耐久製品に、残りの約20%は包装容器、日用雑貨に利用されています。年間の排出量は、過去から使用されている物を含めて約100万トンと推定され、その内の約30%がリサイクルされています。特にマテリアル・リサイクルに関してはビニールハウス用の農ビ(約45%)、電線被覆材(約35%)、パイプなどを中心に行われ、月間1万トンを超える量がリサイクルされています。これはプラスチックの中で最も進んだリサイクルなのです。

農業用排プラの種類別排出量と方法別処理量(1993年度) 単位:t/年・(%)
  排出量 処理方法
再生 埋立 焼却 その他
塩ビフィルム 105,915
(100.0)
47,703
(45.0)
22,995
(21.7)
23<989
(22.7)
11,228
(10.6)
PEフィルム 78,247
(100.0)
2,132
(2.7)
15,986
(20.4)
55,017
(70.3)
5,112
(6.6)
その他 9,007
(100.0)
131
(1.5)
1,451
(16.1)
4,123
(45.7)
3,302
(36.7)
合計 193,169
(100.0)
49,966
(25.9)
40,432
(20.9)
83,129
(43.0)
19,642
(10.2)

リサイクルには次の方法が有ります。
マテリアル・リサイクル 使用済みの塩ビ製品を、再び塩ビ製品として利用する。
ケミカル・リサイクル 使用済みのプラスチック製品を、化学的な方法で油や原材料にもどして再利用する方法で、熱分解油化とも言われる。
サーマル・リサイクル 使用済み塩ビ製品を燃焼させる事により、発生する熱や蒸気を回収し、エネルギー源として利用するリサイクル。分別の必要は有りません。
                             
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「塩ビ」と塩化水素ガス。・・・HClは「塩ビ」だけでなく、都市ゴミからも発生します。

都市ゴミを燃やすと塩化水素(HCl)が発生します。これまで、その発生原因として「塩ビ」などの塩素系樹脂が主原因であると考えられてきました。しかし、1996年塩化ビニルリサイクル推進協議会が実施した都市ゴミ焼却に伴う塩化水素ガス発生実験によって、塩(NaCl)からも、かなりの割合で塩化水素が発生する事が認められました。この実験は、これまで実態が十分解明されていなかった「塩ビ」以外の無機塩素化合物(食塩など)が、塩化水素の発生にどれだけ寄与しているかを「定量的」に把握する目的で行われたものす。
 
実験は実際の焼却炉とほぼ同型の炉を使い、塩・生ゴミ(ペットフード)・紙を実際の都市ゴミの組成に近い割合でまぜた物を燃やして行われました。実験の結論は、「塩ビ」を全く含まない生ゴミや紙などの都市ゴミの焼却でも塩化水素ガスは発生し、その量は塩やその他の塩素化合物の量にほぼ比例しました。都市ゴミの焼却に極めて近い条件で行われた精密な燃焼実験の結果は、「塩ビ」以外の塩素源からも、燃焼時に80%以上と言う高い割合で塩化水素に転化されている事がわかりました。しかも、その95%以上が排ガス中に存在しているのです。
 
この実験の結果から、塩化水素は焼却されている都市ゴミ全体の問題である事が分かります。世の中では、「塩ビ」だけが塩化水素を発生させるように言われている風潮が有りますが、正しい事でない事がおわかりいただけたと思います。

参考までに、都市ゴミに含まれる「塩ビ」の比率は、東京都や仙台市が行った調査では、都市ゴミに含まれるプラスチックは約10%(重量比)となっており、欧米でもほぼ同じ傾向が見られます。「塩ビ」の量はさらにその1/10以下、つまり、都市ゴミ全体の1%以下と推定されています。「塩ビ」の廃棄物が意外に少ないのは、パイプや電線といった耐用年数の長い製品が多く、他のプラスチックに比べて、使い捨てにされる比率が低いためと考えられます。下に品目別・種類別の比率の調査結果を示します。




下に実験による「塩の含有量と排ガス中の塩化水素」の関係をグラフで示します。
                         

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