環境中のダイオキシンを、私達は毎日どれ位摂取しているのですか? 環境庁の推定によれば、平均値として0.3〜3.5pg-TEQ/Kg/day程度のダイオキシンを摂取しているものと考えられます。その摂取経路は、殆どが食品からです。 |
| 経 路 | 大都市 | 中都市 | バックグラウンド |
| 食 物 | 0.26-3.26 | 0.26-3.26 | 0.26-3.26 |
| 大 気 | 0.18 | 0.15 | 0.02 |
| 水 | 0.001 | 0.001 | 0.001 |
| 土 壌 | 0.084 | 0.084 | 0.008 |
| 合 計 | 0.52-3.53 | 0.50-3.50 | 0.29-3.29 |
| 国 | 摂 取 量 | 備 考 |
| 日本(1) | 3.26 | (1)高山から大阪府下での調査。 |
| 日本(2) | 1.25(0.26-2.6) | (2)環境庁が9都道府県で行った調査結果。 |
| ドイツ | 2.2 | |
| カナダ | 2.3 | |
| オランダ | 2.0 | |
| アメリカ | 0.3-3.2 | |
| イギリス | 2.1 |
<注>pg-TEQ/Kg/dayは、体重1Kg/day当りに摂取しているpgを表す。
[環境庁、ダイオキシンリスク評価検討会,1997.5]
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私達の身体には、どれくらいのダイオキシンが蓄積されているのでしょう? @ 人体中の蓄積量 私達の生活環境中には、微量のダイオキシンが存在しており、毎日自然に摂取しています。ダイオキシンはあまり水に溶けず、脂肪によく溶けるので、結果的に体内の脂肪中に蓄積される事になります。体内に蓄積されたダイオキシンの量に関する調査結果は下表の通りです。 |
| 国 名 | アメリカ | カナダ | スウェーデン | 中国 | 日本 |
| 報 告 者 | Stanley | Ryan | Nygren | Ryan | 樫本 |
| 1986 | 1987 | 1986 | 1987 | 1989 | |
| 調査例数 | 900 | 46 | 31 | 9 | 13 |
| 2,3,7,8-TCDD | 5.0 | 7.1 | 3 | ND | 5.2 |
| 1,2,3,7,8-PCDD | 32 | 11 | 9 | 8.1 | 14.8 |
| 2,3,7,8-sub HCDD | 72 | 97 | 16 | 18 | 98.9 |
| 1,2,3,4,6,7,8-HCDD | 87 | 151 | 85 | 32 | 56.2 |
| OCDD | 560 | 951 | 421 | 189 | 1,602 |
| PCDD(計) | 756 | 1217 | 543 | 247 | 1,777 |
| TEQ-ppt | 29.6 | 24.8 | 10.4 | 6.4 | 24.7 |
[滝沢、ダイオキシンの医学]
表の中で、日本人のOCDDの量が高いのが注目されますが、こ
れは日本人が魚介類を多く口にしている事が原因と考えられます。
| A 母乳中のダイオキシン。 1985年に母乳からダイオキシンが検出されて以来、各国で調査が行われた結果、すべての母乳から5〜40ppt(TEQ)のダイオキシンが検出されましたが、先進国での母乳中の濃度はほぼ同じ程度となっています。しかし、授乳による子供への影響については、世界中の多くの学者から相次いで、健康障害は見られなかったとの報告がなされています。 「ダイオキシン評価検討会」は、母乳については以下のようなコメントをその報告書の中で述べています。すなわち:− 『母乳栄養については、1987年のWHOのワーキング・グループが「母乳中にはダイオキシン及びPCB類が含まれているが、母乳栄養には乳幼児の健康と発育に関する利点を示す明確な根拠がある事から、母乳栄養を推奨し推進すべきである」と勧告したが、1994年にWHOヨーロッパ地域事務局は、これを再検討した結果、現在までに利用可能なデータからは、この勧告を変更する理由はなく、また現時点では母乳栄養の制限や特別な食品の代替化の必要性を判断するだけの知見も無いしとして、母乳栄養の推進を勧告している。また、1996年8月にオランダのダイオキシン評価委員会は、ダイオキシン類が含まれる母乳栄養は、調合乳栄養に比べると発達の面からはより満足すべきものであり、ダイオキシン類の暴露を低減させる手段として母乳栄養を減らす事は正しい事ではなく、乳幼児に母乳栄養と調合乳栄養の何れを選択するかと言う両親の自由を制限する理由はないとしている。なお、母乳については、わが国の専門家の間では次のように考えられている。即ち、現時点では母乳中のダイオキシン摂取が幼児に与える影響は直ちに問題になるとは考えられず、母乳の有する利点及び諸外国における状況と合わせ、引き続き母乳栄養とする事が適当と判断される。また、今後とも継続して母乳の安全性を確保して行くため、その発生源対策や、研究等についての適切な対策を進めるべきである。』 |
| 国 名 | 濃 度 範 囲 | 国 名 | 濃 度 範 囲 |
| カナダ | 16-23 | オーストリア | 17-19 |
| アメリカ | 15-17 | ユーゴスラヴィア | 12 |
| イギリス | 29-37 | ハンガリー | 9-11 |
| ベルギー | 34-40 | ポーランド | 21 |
| オランダ | 37-40 | インド | 6 |
| ドイツ | 28-37 | タイ | 6 |
| ノルウェー | 15-19 | ヴェトナム | 7-32 |
| スウェーデン | 20-23 | ニュージランド | 6-12 |
| デッンマーク | 19 | 日本 | 24 |
| フィンランド | 16-18 | パキスタン | 13 |
[ダイオキシンリスク評価委員会、1997.5]
| 報告者 | Pirkie 1989 |
Wolfe etal 1994 |
Schlatter 1991 |
Gorski 1984 |
| 2,3,7,8-TCDD | ヴェトナム戦争 退役軍人 7.1年 |
同左 11.3年 |
9.7年 | |
| 1,2,3,6,7,8-HxCDD | 3.5年 | |||
| 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD OCDD |
3.2年 5.7年 |
|||
| 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF | 1.7年 | |||
| OCDF | 1.8年 |
[ダイオキシンリスク検討会 1997.5]
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理由は、小動物の急性毒性テストで、モルモット(雄)の致死量が大変微量であったと言う結果によりこのような言い方がされています。ダイオキシンの毒性その他については、これまでに多くの動物実験が行われており、環境庁の「ダイオキシンリスク検討会」は、その結果を下表のようにまとめています。空欄になっている部分も沢山のテストが行われているのですが、当検討会としては、数値的な総括をしていません。この事からも分かるように、この問題についての評価は未だに定まっていないのです。 |
| テスト | 実 験 動 物 | |||
| モルモット | ハムスター | ラット | マウス | |
| 急性毒性LD50 [ng/Kg] |
600 (雄) |
5,000,000 (雄) |
||
| 亜慢性毒性 NOAEL [ng/Kg/day] |
0.6 | 10 | 100 | |
| 慢性毒性 NOAEL [ng/Kg/day] |
1 | 1.4-6 | ||
| 発ガン性 NOAEL [ng/Kg/day] |
1 | |||
| 生殖毒性 NOAEL [ng/Kg/day] |
1 | |||
| 免疫毒性 NOAEL [ng/Kg/day] |
5 | |||
LD50 :Lethal Dose、テスト対象動物の半数が死亡する投与量。
NOAEL:No Observed
Adverse Effect Level, 無毒性量。
| 急性毒性は、動物により、また、雌雄によって大きく感受性が異なるといわれています。表からも分かるように、モルモットとハムスターでは約8,000倍もの差があります。ラットでのLD50は約40,000ng/Kg、マウスでは150,000ng/Kg程度ですので、モルモットに対しそれぞれ、70倍・250倍にもなっています。見た目には比較的類似しているこれらの動物で、何故これほどの差が出るのか未だよく分かっていません。この中で、最も感受性の強いモルモットを取り上げて『人類最強の猛毒』と言う強烈極まりないコピーがダイオキシンに付けられたのです。蛇足ですが、人間に対しては、イタリアのセベソで起きた事故で住民が直接被爆しましたが、死者が出なかった事が注目されます。この事は「過去の事故例」の所で、いま少し詳しく触れる事にします。 |
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