塩ビ”可哀そう!





      Since     October 13,1999
              Last updated    June 30,2000


はじめに

1999年夏、キリン・ラガービールのテレビCMビールはしっかり苦く。それがスジでしょ!近頃、スジの通らん事が多すぎません? globe のヴォーカルで、F1グランプリの時に、『君が代』を歌う日本代表歌手に選ばれている、KEIKOさんと言うナイスバディーのお姐さんが小気味よく仰ってます。桃太郎のお父さんは、このお姐さんも、お姐さんが仰っている事も気に入って、なかなか気分のええCMやなあと言いながら、自分で醸造した、変わった味のビールのグラスを傾けていました。

ところで、こちらはCMではありませんが、1999.8.25付の神戸新聞の朝刊に
「安全と安心を守るために・・・」と言う欄が有り、その中に 「”コープこうべ”が10月から塩素系ラップ販売とりやめ」と言う記事が載っていたのを見てお父さんの機嫌が悪くなりました。記事の中味は焼却時にダイオキシンの発生が疑われている塩素系の食品ラップの販売を全面的にとりやめ、全て非塩素系に切替える」と言うものでした。「組合員の要望を受けて、今回の措置に踏み切った。」と書いてあったそうですが、一体どんな形で組合員の要望が集約されたのか、組合員のお父さんにも分からんなあと言ってました。「コープ」というのは、他のスーパーとは設立の趣旨が違ったんとちゃうんやなかったかなあ?ほんまに組合員の味方やったら、営利目的でやってはる所と違って、「これこれの理由でほんまに組合員の不利益(或いは利益)になるんです」と言い切ってほしいなあ。「塩素系食品ラップの販売全面とりやめ」の背景を、お父さんはこんな風に推測しています。即ち、『いま世間では恰も「塩ビ」だけが、ダイオキシンを発生させる極悪人みたいに言われています。こんな時に、「塩ビ系のラップ」を売り続けていると、世の中を汚し、人類に害を及ぼす事に、コープも一役かっているような印象を与えそうなので、客受けのために、取敢えず「塩ビ」を悪者にしといて、ラップとしての使い勝手の事は目をつむって、非塩素のラップ(焼却条件によっては、ダイオキシンを発生させるのだけれど、非塩素系という目から入る印象で何も知らない客の錯覚を期待?)に切替えたら売上も落ちないし、コープは環境の事や組合員の事を考えてる、と言う印象を持ってもらえる・・・。』これは下司の勘ぐりなんでしょうか?コープでは、’98年の「食品ラップ」の販売高に占める塩素系ラップの比率が三分の一を占めているそうで、これは密着性・切断性などの使いやすさが優れているからだそうです。今回の措置が、もしラップの販売高を維持するためのものであるとすれば、余りにも短絡的で組合員の利益を無視した発想のように思えてしまうのは桃太郎の考えすぎなんかなあ?

過ちは改めんと!

そもそも、グリーンピースとか言う団体が、15年ほど前に焼却技術や設備の事をそっちのけにして言い出した「塩ビ悪者論」が、消化不良のまま日本のテレビや新聞などのマス・メディアに乗って、何の専門知識も持たない一般大衆に向って、垂れ流しにされ続けていることは、世の中を混乱させるだけでなく、国民に不利益をもたらす大問題だと思うので、お父さんは今回マスコミから苛められて可哀相な「塩ビ」が、ほんまに世の中に害毒を垂れ流しにする悪者なのか?消費者の理解を高めるために、「塩ビ」と「ダイオキシン」の事を、少しまとめて見ようと思ったらしいのです。

聞くところによれば、ドイツの「緑の党」は今年(1999年)の3月に、ドイツのケルン近郊で進められている「発電設備と塩ビ生産の再編成計画」に、条件付とは言え賛成する旨表明しています。ドイツではこの様に、環境運動家の「塩ビ」に対する評価が大きく変わって来ているのです。一方日本では、今日まで充分な議論がされないまま、無難に世間受けする方向に流されてしまって、未だに「塩ビ」に対する評価は「悪者」のまま変わっていません。世界の「塩ビ」に対する見方は、大きく変わってきているのに、日本だけが猫も杓子も・・マスコミも消費者も・・「塩ビが悪い」では余りにも可哀相。今からでも遅くないので、誰か一人くらい勇気を持って援護する気にならんのかと悲しくなります。いったん汚名を着せられると、名誉挽回のチャンスも与えられんのですかねえ!論語では『過ちては則ち改むるに憚ること勿れ(*)』と説いているのにねえ。あのお堅い印象のドイツ人の方が、「やわらか頭」なんかなあ?ほんまに、どこか1社くらい違う見解を示しても良さそうなのに、どこもかしこも、みんな同じ意見(自分の意見とは思えないけれど・・・)とは不思議だと思いませんか?それとも一旦言い出したら、軌道修正するのは沽券に拘わるとでも思っていらっしゃるのでしょうかねえ???

(*)「論語」学而編より。「間違いに気ずいても体面とか威厳とかに傷がつくように思い改め難いものだが、決してそれを恐れてはならない」の意。

報道の恐さ
 
交通事故でも片方の当事者が100%悪いと言う事はまず無いし、少し不適切な例えかもしれませんが「盗人にも三分の理」と言う諺が有るのを思い出してしまいます。何も「塩ビ」が他の樹脂に比べて、完全無欠やなんて、言うてるのと違います。どの樹脂にも長所と短所が有ります。どうにもしようの無い短所ならいざ知らず、克服出来る短所なら、うまく使いこなすのが知恵と言うもんでしょう。偏りすぎた考え方が、「塩ビ」みたいに、これまで世の中に貢献して来て、これからも人々の役に立つであろう素晴らしい素材を悪者に仕立て上げて、間違っても世の中から抹殺してしまうような事が無いようにしないとねえ!もしそんな事になったら、人類にとっても大きな損失やと思いませんか?「塩ビ」が、これまで以上に立派な働きが出来るように、消費者に正しい情報を提供して、信頼されるマス・メディアになって欲しいなあと切望しています。お店の方も、客受けだけを考えず、本当に顧客のためになるのは何やろ?と言う事をもっと真剣に考えてくれんと困るし、消費者も聞きっぱなし、言われっぱなしでなしに、物事を正しく判断出来る頭と行動力を持たんとあかんねえ!キリン・ラガーのお姐さんみたいに「スジが通せて気分のええ人」は、世の中にはおいでにらないのでしょうかねえ?桃太郎は悲しくなってしまいます!

前置きとボヤキが長くなってしまいましたが、今回はそんなこんなで、世間から袋叩きにあっている「
可哀相な塩ビ」がほんまに悪者なのか?、それとも、偏見や誤解の塊みたいな節操のない報道と、それを正しく受止められない無知な消費者が団子になって、徒に世間の不安を掻き立てているのか?頭の中を整理する為に、少しでもお役に立てばと思って「塩ビ」ダイオキシン」に関する、ごくイントロ的な話をして見ます。読んで下さい。考えてみて下さい。そして、世間で騒がれていて、いたずらに恐怖心だけを煽り立てる様な、何か興味本位のように思われる事で、大騒ぎするのは、もう止めにしませんか!

 このページは、中立的なスタンスを大切にしながら書いたつもりですが、「お前の考え方は間違ってるで!」と思われる方には、どうか忌憚のないご意見を戴ければと思います。間違っていると思ったら反省もしますし、もっと勉強もします。必要なところは、勿論訂正も吝かではありません。 
(桃太郎 記)


「塩ビ」に関して思う事

塩ビ」は猛毒のダイオキシンを発生させる「悪い奴」、と言う烙印を押されかけています。『ほんまに「塩ビ」だけが悪い奴なんやろか?いや、そんな事無いで!ダイオキシンは種類によっては確かに有毒物質やけど、何も「塩ビ」だけが発生源とちがうで〜!』と思っている”桃太郎”のお父さんが、「塩ビ」とはどんな素材なのかと言う事を、簡単に整理してみましたので、この際「塩ビ」に対する認識を新たにして下さい。お父さんも余り説得力と迫力の有るページを作るほどの力は有りませんので、こんな事を調べとけ・・とか、それはおかしいで・・と言うような所があれば、どしどしご指摘下さい。世の中には、いろんな筋違いや誤解や改めにくい事が多いけれど”スジがきっちり通る”世の中になったらうれしいね!


「ダイオキシン」て、一体どんな物質なんやろ?。

このページでは、、「塩ビ」のことを理解していただいた上で、「塩ビ・バッシング」の目玉的な材料にされている、世にも恐ろしい(?)ダイオキシンの事を、イントロ的に勉強して下さい。「塩ビ」だけがダイオキシンの発生原因ではないと言う事や、現在必要以上に恐れられ、騒がれているダイオキシンの正体は一体どんなものなのか?「人類最強の猛毒」と言われているけれど、サリンやPCBのように人間が作り出した、今まで地球環境に存在しなかった化学物質なのか?限られた中味ですけれど、一通りご覧いただいて、「塩ビ」の事と重ね合わせながら、頭の中を整理して見て下さい。

ダイオキシンは、種類によっては勿論こわい化学物質やけれど、正体も知らずやみくもに恐がっていても仕方有りません。特に「塩ビ」だけに、発生原因を結び付けて、諸悪の根源は「塩ビ」や・・!と言うのはどんなもんでしょう!燃焼条件次第では、何を燃やしてもダイオキシンは発生するんやで〜!ここは試験に出るから、きっちり覚えといてね!(^。^)

賢くなろ〜!

ちょっとだけ賢くなりましょう!かしこい人だけが得をするんです・・!先日、東海村で発生した核物質の「臨界事故」では、唯一の原子爆弾被爆国である日本人の、事故の恐ろしさに対する認識が信じられないくらい低かった(殆ど無関心?)事は、世界各国から「何で?」と言う目で見られてるけど、政府が、核物質のええ所と一緒に、恐ろしさをもっと正しくディスクローズせえへんからこんな事になったんやと思います。政府がやらんのやったら、マスコミが国民を啓蒙せんと、国民の核に対する「感性」は育ちません。こんな場面で、マスコミがおおいに活躍して、議論を尽くせるように誘導してくれたら、ほんまに頼りになるんやけどなあ!今回のことは、国民が核に対して余りにも無知で無関心やった事が、世界中から馬鹿にされる原因やったと思うけど、「塩ビバッシング」と重ね合わせて見ると、何か感じること有りません?評論家のどなたかが、「日本の常識は世界の非常識」みたいな事を言うてはりましたが、日本人てほんまに非常識な国民なんやろか?僕は柴犬やけど外犬(?)とも仲良う出来るし、彼らと同じスタンダードで物事を考えられるよ!僕の常識は世界のワンチャンの常識や。日本人も見習ろうてほしいなあ!

ごり押しに法案を通す事だけが目的で、過半数のメンバー確保のために出来た、どこかの国の無節操垂れ流しの連立政権(野合政権)のようになってしもうては、counter opinion も出て来ません。無法な majority のやりたい放題が罷り通ってしまって、「議論を尽くす」民主主義の本質なんてものはどこかへ行ってしまうんだよな!「塩ビ」がイジメられてるのも、何か日本人の悪い性格丸出しの犠牲のような気がしてなりません。正確で信念のある報道と、それを受け止めて行動の出来る、かしこい消費者にならんとあきません!日本人は”あほ”と違うんやから、その気になれば出来るんです。消費者一人一人がもっと賢くならんとあきません!。そして、先程の論語を思い出して、謙虚に反省できる人になりましょう!




参考図書

* THE MERCK INDEX of chemicals and drugs. fifth edition.
* HANDBOOK OF CHEMISTRY. tenth edition.
* The ENCYCLOPEDIA of CHEMISTRY. supplement.
* the kinetics of VINYL POLIMERIZATION by radical mechanisms.
* 「塩ビとリサイクル」(塩ビ工業・環境協会) 1998.9
* 「塩ビと環境」(塩ビ工業・環境協会) 1999.1
* 「なるほど塩ビ」(塩ビリサイクル推進協議会) 1997.1
* 「塩ビの環境・社会への貢献」(塩ビ環境協会) 1998.1
* 「ダイオキシンのリスク評価」 中央法規
* 「ダイオキシンなんでもQ&A」 塩ビ環境協会
* 「塩化ビニル樹脂 生産・出荷統計データ」 1998.8
* 環境庁 「ダイオキシンリスク評価検討会中間報告」 1996.12
* 厚生省 「ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について」1997.4
* 滝沢行雄 「ダイオキシンの医学」 (株)ブライユ
* 牧野哲哉 「環境問題と塩化ビニル樹脂」
* 牧野哲哉 「PVCとダイオキシン類」
* 「神戸新聞」 1999.8.25朝刊
* 「データパル」 小学館



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