NetBSD生兵法

NetBSD/mac68k 1.3.3をMacintosh LC475に

1999/10/20
2000/02/04更新


探し方が悪いのか、LC475での導入例をほとんど見ないので、書いてみました。単なる「動く/動かない」のレベルを抜け出ない記事ですが、何かの参考になれば。あくまでLC475ので例です。他機種のことはわかりません、あしからず。


邂逅 | ハードウェア構成 | パーティション作成 | MacOSのインストール | NetBSD用ファイルシステムの作成 | NetBSDのインストール | 起動 | 各種設定 | X Window Systemのカラー化 | ネットワークカード | それから | 参考サイト

邂逅

Macで動くNetBSDのことは二年ほど前から何となく気になっていて、CD-ROMつき解説書が何冊か発売されていることも知っていました。それでも自分には使い道がないからと横目に見るだけでいたのですが、ある日、書店で見慣れない本を見かけました。『NetBSD/mac68Kネットワーク活用ガイド』(長谷川裕行著、ナツメ社刊、ISBN4-8163-2644-8、税別2500円、以下『活用ガイド』)、新刊のようです(1999年08月の話)。何の気なしに手にとってぱらぱらとめくってみたところ同種の既刊のものより印象がよかったので、思わず購入してしまいました。こんな具合にほとんどぱっと見で決めてしまったので、『活用ガイド』の内容が他と比べて特別優れているかどうかはわかりません。

もちろん、こういった本を買わなくても必要なファイルはftpサイトから入手できますし、参考になるwwwサイトもあります。通信費を気にする必要のない人なら、お金をかけずに導入できるのです。手間はかかりますが。

ハードウェア構成

さて、こうして手に入れたNetBSD。PowerMac 6100 w/G3カードに主役の座を奪われて眠っていた(眠らせたのは私なんですけど)LC475にインストールしようと思ったのですが実はこれ、1.3.xまでは対応機種に含まれていません。ただ、これはFPUを持たない68LC040での浮動小数点演算が主な問題のようなので(だいたい正式対応になった1.4.xでも68LC040はNGですし)、FPUを持つ68040に換装した私のマシンならどうにかなるかもしれません。クロックアップが施されているという点でも不安ではあったのですが、だめだったらLC II(こいつも眠らせている)で試せばいいやということで、LC475にインストールすることにしました。結果、わりとすんなり動いてしまったのです。あー、いよいよLC IIの使い道がなくなったなー。どうしよう(爆

Macintosh LC475「こより」
※CPUはFPU内蔵の68040に換装、33MHzにクロックアップ済み。

搭載メモリ 36MB (4MB on board + 32MB SIMM)
内蔵ハードディスク Quantum TRB850S (810MB)
外付CD-ROMドライブ PIONEER DR-124X (4.4倍速)
ネットワークカード REUDO RE-ETLC/T
キーボード TEC PARTS "Macway Keyboard Pro" TP-999KE-E
マウス PIONEER "PIONEER MOUSE" MPC-MU1

パーティション作成

これより先のインストールにまつわる諸作業はおおむね『活用ガイド』で説明されている通りに行ないました。当然マニュアルに(英語ですが)書かれていますし、ほかの書籍でも、あるいはあちこちのwwwサイトでも解説されています。ですから、各種ツールの使い方など一般的なことはそれら諸文献に譲り、「私はこうした」という部分について書きたいと思います。めんどくさいだけだろう?その通りです:-p

『活用ガイド』を含む多くの文献ではApple SC HD Setupを使う方法が紹介されていますが、私は常用しているFWB社のHard Disk Toolkit(以下HDT)がA/UXパーティションをサポートしていたため、これを使いました(ちなみにヴァージョンは2.5.3)。ほかにA/UXパーティションをサポートする市販のフォーマッタとしてはDrive7やSilverLinning(Liteではない)等が挙げられますが、実際には何を使っても、つまりA/UXパーティションをサポートしていなくても構わないようです。理由はファイルシステム作成の項に記します。

内訳は次の通り。

総容量 810MB
root 100MB
swap 72MB(搭載メモリの二倍という慣例にならって)
usr 300MB
HFS(MacOS起動用) 338MB(つまり、残り全部)

はじめにこのような構成でパーティションを作成してインストールを試みたのですが、ディスク容量不足でX Window System(以下「X」)関連のファイルがインストールしきれませんでした。何せUNIXのことをまるで知らないのでどのように割り当てるのが適当なのかがわからず、『活用ガイド』にも「rootとusrそれぞれに100MB以上は欲しい」としか書かれていません。いや、そう書かれているからこのように割り当てたのに、こんな事態に陥ってしまったのです。

00/02/04追記:別パーティションとしたusrがマウントされていなかったためにすべてのファイルをrootに展開しようとして容量が足りなくなったようです。詳しくはインストールの項で。

どうしたものかとwwwでインストール事例を読んでみると、多くの方がrootとusrを一つのパーティションにしていました。また、ユーザーが少人数(自分一人ならなおさら)だったり用途のはっきりしなかったりするうちはとりあえずそうしたほうが無難だというような記述も目にしたので、それにならうことにしました。
結局、このような内訳となりました。

総容量 810MB
root & usr 500MB
swap 72MB
HFS 238MB

HFSの容量を減らしたのは、どうせメインマシンはPM6100+G3なのだからこちらは起動さえできればいい、少しでもNetBSD用に余計に確保したいと思い直したからです。それなら100MBもあれば充分すぎるくらいなのですが、少しはMacとしても使いたいかな〜という未練がまだあったので、こんな具合になりました。

MacOSのインストール

NetBSD/mac68kのインストールならびに起動にはMacOS上で動作するツールを用い、またこれらはSystem7以上のMacOSを要求します。私は漢字Talk 7.5.5をインストールしました。

NetBSD用ファイルシステムの作成(Mkfs_1.45)

バージョン1.2以降のMkfsはApple_HFSやApple_FreeといったパーティションをNetBSD用に変換することができます。先にフォーマッタは何でもいいと書いたのはそのためです。HDTでApple_UNIX_SVR2(つまりA/UX用)としてパーティションを作ったのに、なぜかMkfsではApple_Freeとして認識されたので、結局NetBSD用に変換してからフォーマットを行ないました。

NetBSDのインストール(Installer 1.1g)

実際にはセット中のbase.tgz、etc.tgz、kern.tgzをまずインストールして起動できることを確認し、その後に残りをインストールしました。『活用ガイド』では「30分以上かかるでしょう」と書かれていますが、とんでもない!30分どころか、全部合わせて三時間近くかかりました。

00/02/04追記:インストーラを使ってインストールする際、rootとusrを別パーティションとしている場合にはあらかじめMini Shellでusrをマウントしておく必要があります。そうしないとすべてのファイルをrootに展開しようとして、容量不足に陥るそうです(やたらバカでかくroot領域を確保しているなら話は別でしょうが)。そんなこと、本には書かれていなかったぞ。ガッデム!しかし、wwwでもこのことに触れた記事を見た覚えがないなー...あ、やっぱり添付マニュアルに載ってた。やっぱり基本はこれか。だって英語読むの億劫なんだもん。

起動(Booter 1.11.3)

[Option]->[Booting]ではデフォルトに加え"Viodeo address hack (for LC575 & 475?)"にチェックを入れましょう。そうしないと起動時にハングアップしてしまいます。

[Option]->[Monitors]では"Change Monitor Resolution"にチェックを入れ、"640*480"か"1024*768"を選択。解像度はいずれかにしておかないと正常に表示されませんでした。もし間違っておかしくなってしまってもハングアップするわけではないので、ディスクアクセスがおさまったところでlogin、reboot操作をすれば再起動できます(ちゃんとインストールできていればですが)。Xを使う場合には"Change Monitor Depth"にチェックを入れて"B&W"を選んでおく必要があります。配布セットに含まれているXはカラーに対応しておらず、B&W以外のmonitor depthでは起動できません。

これで一応はまともに起動できるのですが、表示の全体が数ライン分上にズレて、コンソールの一番上の行が欠けてしまいます。640*480の場合はそれでもかろうじて読めるのですが、1024*768の場合だとさらにズレていて読めません。もっとも、Xを起動してしまえばウィンドウの配置で(根本的ではないにしろ)解決できますし、気にしないことにしていました。

これら表示の異常はBooterに起因するそうで、問題に対処したパッチ済みBooterがJKf proさんによって配布されていました。640*480/1024*768モード用と832*624モード用があります。

1152*870モードはそもそもサポートしないとどこかで読んだように思うのですが...失念しました。少なくともXは1024*768までのサポートですし、そんなに解像度を高くした状態でコンソールを使ったりしませんよね。

NetBSD 1.4.1のリリースに伴ってBooterのバージョンも1.11.4に上がっていますが、表示の問題は解消されていません。1.3.xの起動には上記のパッチ済みBooterを使用したほうがよいでしょう。

各種設定

起動に成功したら、マルチユーザーモードの設定、プログラム検索パスの追加、ユーザーの登録とそれに伴う各種設定、タイムゾーンの設定などなど、運用のための最低限の設定を行なうことになりますが、これも他の文献に譲ります。

X Window Systemのカラー化

カラー対応Xサーバーを入手して標準のものと置き換えただけでできました。32000色モードのみの対応で、ほかのモードだと色化けします。ということは256色までしか表示できない1024*768モードでは色化けを避けることができません。グレイスケールにして使いましょう(せっかくカラー化したのに...ま、白黒二値よりはいいか)

カラー対応Xサーバー「OSFAサーバー」のありか

Xのカラー化についてはFAQ9.14に詳しく記されています。

ネットワークカード

私が使っているネットワークカード(以下NIC)は先に記した通りです。LC475とこの組み合わせでの1.3.xの動作例を見かけたので大丈夫だろうと思っていたのですが、甘かった。発売元REUDOのwwwサイトによれば、シリアルナンバーが「LCT-B」で始まるものはカーネルのカスタマイズが必要とのこと。私が持っているのはまさにこれでした。というか、このモデルで現在出回っているものはみんなこれだと思われます(私が購入したのは'98年8月)

それから

1.3.xではNICが認識されないし、おまけに1.3.3だとPPP接続に問題があるらしい(書店で立ち読みしただけなので詳しくはわかりません)のでと、諸設定の仕方がなんとなくわかったところで1.4.1をインストールしてしまいました。確かにNICは標準カーネルで認識され、PowerBookからのtelnetやftpにも成功しました。起動の項にあるような表示の不具合もありません。が、カラーのXが先述の方法では使えなくなり、その他ノウハウも乏しく、これでよかったのだろうかなどと思っているのですが、とりあえず今回はここまで。なにせUNIX(ライクなOS)についてまるで知らない私はこれからいろいろ勉強しなくてはいけないので、実際の運用に関しては書けることがないのです。繰り返しになりますが、また読んでおわかりのとおり、「インストールしてみたら動いた」という域を超えていません。それでもLC475の例をほとんど見ることがなかったので、ないよりマシかと思って書いてみました。「そこはそーではなく、こーするもんだ」「LC475の導入例はこんなにある」等のご指摘歓迎します。メール掲示板でお願いします。

参考サイト

公式ftpサイト
ftp://ftp.netbsd.org//pub/NetBSD/
※以下、日本のミラーサイト
ftp://ftp.dti.ad.jp//pub/NetBSD/
ftp://ftp.jp.netbsd.org//pub/NetBSD/
ftp://core.ring.gr.jp//pub/NetBSD/
公式wwwサイト
The NetBSD Foundation, Inc.
NetBSD/mac68k
公式wwwサイトの日本語訳(全訳ではありませんが)
Japan NetBSD Users' Group
NetBSD/mac68k
NetBSD/mac68k F.A.Q.とその回答
先達の日本語によるインストールの解説・ほか
※実のところこれらで解説されていることの多くは公式ドキュメントを読めばわかります。しかし比較的とっつきやすく、具体例もあるのでこうしたサイトはありがたい存在です。ほかにもたくさんありますが、あまり内容が旧くなく(1.2.xとかだとちょっと...)、よく見たところをあげておきます。
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(NetBSDとは関係ありませんが、「Ω(オメガ)カーブ奮戦記〜雨の飯田編〜」もぜひご一読を(笑)
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