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4月に読んだ本


◎とても面白かった ○面白かった ☆まぁまぁ 
△ちょっと不満 ×読むんじゃなかった
  
東京アンダーワールド 神の街の殺人
エクスペリメント 上下 光の旅人
大疑惑 人生は五十一から
夢醒往還記 あの娘は石ころ
親子丼の丸かじり 劫火


ぬくだら面白本 他の月に読んだ本


東京アンダーワールド ロバート・ホワイティング 角川文庫

終戦後の東京闇社会の詳細なノンフィクションとして話題になったこの本、文庫になるのを待って待って待っていましたとも! そしてなんて面白いんだってば! 昔ってレストランでも独特の怪しさのある店が多かった。ニコラスは、気合入ったデートだったのにピザで歯が折れてしまって気持ちが一気に盛り下がった思い出もあるし感慨もひとしお。そのころすでにニコラは普通になっちゃってたけど、横浜のオリジナルジョーズはまだテーブルごとにちっちゃいロウソクの灯りがあるだけでもんのすごく暗くって、自分の食べているものさえ判然としない中、隣のテーブルの話し声の断片が聞こえてきたりして雰囲気あったな〜。そういうレストランって昔はけっこうあったけど、オリジナルジョーズはいつも空いているのにもかかわらず客のいないテーブルにはロウソク灯ってなかったし、ハイバックチェアのボックス席だったから特に暗かった。化粧室に立つ直前まで料理の皿を見ていると、眼が暗闇に慣れなくて確実になにかに激突しちゃうから、化粧室行く前には無意味に壁なんか眺めたものだった。そういうレストランは、食事じゃなく悪いコトをしているみたいなワクワク感があったし、大人になったんだなっていう楽しさも味わえた。それに、いっしょに食事する人とすごく親密になれた気がする。ま、そのぶん、味はサッパリ覚えてないほど印象薄いんだけどさ。


神の街の殺人 トマス・H・クック 出版社

記憶シリーズでちから尽きちゃったのか、最近イマイチもどかしさに不足しているよぉな気がするクックの初期作品。ソルトレークといえば今年の冬季オリンピックのコトも多少は覚えていたから街のイメージがハッキリして読みやすかった。内容は、モルモン教の暗部にまつわるミステリーなんだけど、オリンピックの時に感じた「なんかモルモン教徒って黒人少なくない?」みたいな疑問もこれで氷解。っていうか、12月にだしてくれればもっとオリンピックのソルトレーク情報を楽しめたのに残念だ。旧作なんだからなにも今じゃなくてもねぇ。


エクスペリメント 上下 ジョン・ダートン ヴィレッジブックス文庫

ソニーが文庫業界に参入してけっこう本屋さんでも最近棚をもらっているようだなぁ。このまま定着するかどうか見ものではあるけど、もしポシャるならベアのハードカバーを文庫にしてからにしてね。その応援の意味もかねて買った本。クローンがらみのミステリーで、データとかディティールは面白いんだけどキャラやシチュエーションに手垢みっちりでちょっと悲哀。

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光の旅人 ジーン・ブルーワー 角川文庫

ダニエル・キイスの実録多重人格モノにニューエイジをたっぷりまぶしたメルヒェンなファンタジー。なんで精神科医のレポート形式にしたかなぁぁぁぁ。そんなことせずに直球で書いてあった方がトンデモ臭が消えてちょっとストレンジテイストのあるファンタジーになったのに、惜しい。まぁ、猫が活躍していたので、それもこれも水に流してもいい。でもこれ、ケビン・スペイシーが主演して映画化されたそうなんだけど、ジャック・ニコルソンしかないでしょう、このキャラ。ギャラ高すぎて手が届かなかったのかしら? 


大疑惑 ウィリアム・バウンドストーン ハヤカワ文庫

ハヤカワのQ&A2大シリーズの1つ、「大秘密」第二弾。映画「バトルフィールドアース」が確かに駄作とはいえなぜあそこまでアメリカで酷評されたのかとか、自由の女神を消すイリュージョンのネタばらしとか、セシルおじさんシリーズに比べると一般的な疑問が多いかな。回答もフツーだし、いろんな意味で味が薄いけど、会話に薀蓄入れたい人にはオススメだ。あの映画なんてあんまり酷評されているんで、どんなにヒドいのか笑おうと思って観たんだけど、期待したほどダメではなくてガッカリしたもん。その時に、「これはね」って教えてもらったら、もう膝を打ちまくりだったと思う。


人生は五十一から 小林信彦 文春文庫

温泉キャスターと長野五輪については、ナンシー関とか小林信彦がこうやってちゃんと斬ってくれているのがホントに心強い。そして、現代<恥語>ノートは、まったくそのとおり! とブンブン頷いたり、恥ずかしさに身悶えしたりで射幸性が高いのなんの。小林信彦の本は、興味シンシンに身を乗り出したり、反省したり、大笑いしたり、シンミリしたり、なるほどって納得したり、読んでいてすごく忙しいんだよね。そしていつも読み終えると、「ちゃんとしなきゃ」って襟を正したくなる。そんな気持ちにはほかではめったにならないので貴重だ。

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夢醒往還記 井上祐美子 学研M文庫

表紙が表紙が表紙がなんだかすんごくエッチくさくて、これじゃ井上祐美子のファンが買いにくいんじゃないかな? 中身はロマンティックで上品な中華ファンタジーなのに。タイトルのレイアウトや書体、色が敗因だな。イラストはそれほどエッチくさくないもん。少なくともわたしは井上祐美子だと気がつかないで見逃しそうになった。危ないところだった。だってすごく面白かったもの。3つとも短編だけに終わらせちゃうのは惜しいくらい登場人物の描写がメリハリ効いてて個性的で、全部シリーズ化してほしいくらい。科挙の話は完膚ないまでに終わってしまっているので続きは無理そうだけど、残りの2つはぜひとも。


あの娘は石ころ 中島らも 双葉社文庫

エッセイにオリジナルソングの歌詞、そしてリリパットアーミーの脚本までついた1冊。楽器に関するエッセイが特に面白い。すごく珍しい民族楽器もちゃんと写真が載っていて親切だし。ただし、笑って笑って、最後にちょっと切ない気持ちになる中島らも節は抑え目。膝カックンみたいに脱力系破壊力のカタマリのようなあの絵もないしね。


親子丼の丸かじり 東海林さだお 文春文庫

文春文庫だけで東海林さだおが50冊かぁ。快挙というか、愛されているんだなぁ。しかも、今回は解説が中野翠で、ちゃんと芸を仕込んであっておかしいおかしい。コレ、最初に解説読んじゃダメだね。東海林さだおの独特のロジックや文体は真似したい気持ちをそそるらしくて、いろいろな人がやっているけど、中野翠のは憑依したみたいに似ているところと、中野翠以外のなにものでもない部分のメリハリが効いてていちばん面白かった。

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劫火 栗本薫 ハヤカワ文庫

いきなりリギア! あぁ、よかったちゃんと物語に早く戻ってきたのね。この先、またネチョネチョ苦労しそうではあるけども。それにしてもリンダとナリスは再会するし、マリウスも出てくるし、今回は前作よりもっともっと動きが大きくてあっという間だったなぁ、読むの。

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