ぬくぬくだらだら |
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3月に読んだ本
◎とても面白かった ○面白かった ☆まぁまぁ △ちょっと不満 ×読むんじゃなかった
◎ うたかたの日々 ○ 鳥姫伝 ◎ 90年代SF傑作選 上下 ☆ 末枯れの花守り ☆ 過ぎる十七の春 ☆ 緑の我が家 ○ 悪夢の棲む家 上下
○ だって、買っちゃったんだもん!
ぬくだら面白本 他の月に読んだ本
| ● | うかたかの日々 | ボリス・ヴィアン | ハヤカワ文庫 |
1ページにたいてい1つ、「ん?」とひっかかる文章が仕込んであって、無理やり立ち止まらせてしまう。たとえば、廊下の両側の窓から太陽が覗いていたり、浴槽の底に小さな穴を開けてバスの水を抜いたり、タオルを身にまとっているのに胴体と足が出ていたり。立ち止まることでより深くシュールでキレイで酷薄な情景の中に沈みこんで、日常から少しズレたところに引きずりこまれる。肺の中で睡蓮が育つ奇病っていうモチーフだけみると川端康成的な耽美かと思っちうんだけど、肉食人種のパワーがみなぎっていてどっちかっていうと『気狂いピエロ』とかのヌーベルバーグ映画のイメージに近いかも。ヴィアンに敬意を表して、デューク・エリントンを聞きながら読みはじめたんだけど、ぜんぜん合わない気がしたのがなんだかすごくおかしかった。 |
| ● | 鳥姫伝 | バリー・ヒューガード | ハヤカワ文庫 |
アメリカ人による中華ファンタジー。世界とガジェットが中華なだけで、内容はすんごくストレートな西洋風ファンタジー。過剰さはないし論理がぶっとんでなくて中華モノとしてはちょっと物足りないけど、RPGの原作みたいな気軽な楽しさがあるかな。それに登場人物が過剰じゃないのを補うようにすごくかわいい。なんといっても蓮雲がキュートなのは言うまでもなく、恋人たちの金むくの心と、だからこそ食指が動かなかった玉にキズの李先生。あぁ、李先生といっしょにからし鉱山の権利を売りつけまくって暮らしたい。 |
| ● | 90年代SF傑作選 上下 | 山岸真:編 | ハヤカワ文庫 |
スティーヴンスンとイーガンにダン・シモンズ、3人の短編が載っているんだからもう抵抗できない。他にもイキのいいSF作家がどぉんと集ったアンソロジーでゴージャスだったら! 上巻のしょっぱながスティーヴンスンの「サモリオンとジェリービーンズ」で、うわ、これは好み過ぎる! とアンソロジー全体に期待がいやが上にも高まったんだけど、結局これより楽しいのはなくてちょっち尻ツボミ。あと、ダン・シモンズの短編ってはじめて読んだんだけど、ハイペリオンシリーズとは全然イメージ違ってどよどよーんとしててびっくり。 |
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| ● | 末枯れの花守り | 菅浩江 | 角川文庫 |
ひとを異界の花に変えコレクションする妖艶な姉妹とそれを阻止しようとする花守り。お耽美な和製ファンタジーなんだけど、百合のワガママを聞くあたりはもっとざっくり残酷に落とした方が、よりデカダンだったんじゃないかなぁ。キレイなばかりで凄絶なところがないから、怖いような美しさまでいかなくてもどかしい〜。姉妹と花守りの因縁もハッキリ描かれていないから続きがあるのかな。 |
| ● | 過ぎる十七の春 | 小野不由美 | 講談社X文庫 |
呪われた家系に生まれただけでは足らず、運命がぐろんぐろんに交じり合った従兄弟2人。ドラマチックという形容をするのもむなしいくらいドラマチックだ。イヤな話ではないんだけど、すんごい怖い。特にネタが割れる前の夜中に尋ねてくるものの怖さといったら。屍鬼や十字国記シリーズが人気のせいか、売り切りゴメンだったティーンズ向けの文庫も増刷がかかってめでたい。 |
| ● | 緑の我が家 | 小野不由美 | 講談社X文庫 |
こちらも増刷がかかったヤツ。キャラと設定はいかにもティーンズなんだけど、落書きをするコドモとか、わけのわからない恐ろしさでのしかかってくる山の圧迫感なんかの描写が怖すぎ。途中に入っているいかにもな少女漫画風の挿絵が怖さを緩和してくれて、それで一息つく感じ。あんまり怖いとアドレナリンが出まくって、その匂いに感づいたせかいいちかわいいねこが暴れだして余計怖いからな。 |
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| ● | 悪夢の棲む家 上下 | 小野不由美 | 講談社X文庫 |
これはもうめちゃめちゃティーンズの王道! 突出した部分が、お金持ちかオカルトかの違いはあるにせよ、一条ゆかりを思い出させるような派手キャラドタバタ本格ホラー。ディティールがなぜか少し恥ずかしくて、たまらなく懐かしい。ゴースト・ハントシリーズっていうのの外伝みたいなヤツらしいんだけど、本編の増刷がなぜかかかってないみたいなんだよね。かかったけどすぐ売り切れてしまったのかな? |
| ● | だって、買っちゃったんだもん! | 中村うさぎ | 角川文庫 |
中村うさぎの、「あおげば尊し」にマジで怒るところが好きだ。既存の価値観に流されながら途中で「待てよ」と立ち止まる人は多いけど、中村うさぎはなんでもまず口に入れて咀嚼して消化してみる感じ。だから、行動が一般的ではなくても、そこに至る道筋がクリアに見えるのだし、咀嚼力を鍛えているから熱狂のさなかにいてもそれを描写できるんだと思う。対象は違っても、大抵の人には逡巡から思い切って飛び込む時の脳味噌が煮立って体が粟立つような経験がある。そういう普遍的な気持ちが描かれているから面白いし、身につまされたり、(人によっては)アタマにきたりするんだろうな〜。気楽にぎゃははは笑って楽しめる内容なんだけど、ついそんなコトまで考えてしまう。ファンレターとは名ばかりの説教手紙(しかも少々デンパ)が多いというのはめっちゃ笑った。 |
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