|
| ||||||||
漁場は大きく分けると北太平洋、南太平洋、インド洋、北太平洋、南太平洋に分けられ、その中にもそれぞれの漁場があります。
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
漁場名 |
魚種 |
|
| 北半球低水温域 | ハリファックス、ボストン沖、ニューヨーク沖、地中海、日本近海、日本東沖、 | クロマグロ(ニュウーヨーク沖で採れるバチマグロは水温が低いので脂は多く本マグロ扱い) |
| 赤道付近高水温域 | ダガール、ラスパルマス、ギアナ、アビジャン、ソマリア沖、モンバサ、西経北側、西経南側、サンゴ海、ソロモン | メバチマグロ、キハダマグロ、カジキマグロ等 |
| 南半球低水温域 | ケープ沖、沖インド、タスマン沖、ニュージー北、ニュジー南、フリーマントル | ミナミマグロが主流 |
| 総トン数 | 400〜500トン | 総トン数と純トン数があります。 総トン数は囲いがある所すべての容積で算出 純トン数は魚艚だけの容積で算定します。 |
| 長さ | 50〜60メートル | |
| 速力 | 10〜15ノット | 『1ノット=1時間に1海里(1852メートル)進む速力を言う』 |
| 主機関 | 1300〜1500馬力 | 『1馬力=1分間に75kgの重さの物を1メートル動かすことができる力を言う』プロペラをまわすエンジンです。 |
| 補助機関 | 400〜500馬力 2台 |
発電機です。船内で使用される電気を作ります。どちらかが故障しても良いように2台有ります。港を出てから帰ってくるまで停止することはありません。 |
| 冷凍機 | 3台 | 釣った魚をマイナス60度の温度まで下げます。 原理は冷媒(フロン22、今問題になっているフロンとは違うようです、昔はアンモニアが主流でした)が蒸発する際に気化熱を奪う事を利用します。 |
| 造水器 | 1台 | 出港する際に20トン位の清水は積み込みますが、次の補給までは長い場合は2ヶ月位かかるので、造水器が必要になります。原理は富士山の頂上では100度以下の温度で水が蒸発する原理を利用しております。ドラム状の容器の中の気圧をエゼクターポンプを使用し下げることにより、補助機関の冷却水(30〜40度の海水)でも蒸発します。それを冷却することにより清水(蒸留水)が出来ます。 |
| ラインホーラー | 1台 | 揚縄で幹縄を巻き揚げる機械です。 |
| 燃料タンク | 250から300キロリットルの容量でA重油です。 | 1キロリットルは1000リットルです。 船底が燃料タンクになっていて、タンクの数は10位に分かれています。 座礁しても全部が流出しないようになっています。 |
| 名前 | 大きさ | コメント | 漁場 |
| クロマグロ | 3メートル | 「本マグロ」、「しび」、幼魚時期は「めじ」と呼ばれ、北半球の低水温海域を成長時期に合わせて回遊する。 | 北大西洋、地中海、日本海 |
| ミナミマグロ | 2メートル | 「インドマグロ」とも呼ばれクロマグロに次ぐ高級魚である。名前の通り南半球の低水温海域で捕獲される。 | オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ |
| メバチマグロ | 2メートル | 「ダルマ」赤道を中心に高水温海域を回遊して漁獲量は一番多い、目が大きいので目鉢(メバチ)マグロと呼ばれる。 | 赤道付近広範囲 |
| キハダマグロ | 1.5メートル | 漁場はメバチマグロと同じですが、成長が早く2年で1メートルまで成長します。 | 赤道付近広範囲 |
| ビンナガマグロ | 1メートル | 「ビンチョウ」「トンボ」胸ビレが長いのが特徴で、その姿がトンボが飛ぶ姿に似るのでその名前がついた、シーチキンの原料、身が白身で柔らかく脂もあるので三崎では「ビントロ丼」として出しているのがこれである。 | 世界中で採れる、日本では三陸沖 |
わかりやすく言えば、良く岸壁でイワシとかアジを釣るサビキのオモリの部分にも浮を使って横にして仕掛ける漁だと思っていただければいいと思います。
| 漁具名 | 説明 |
| ラジオブイ | 幹縄が途中で切れて行方がわからなくなった時に電波で知ることが出来ます。切れてから時間がたつと1〜2時間も探すこともあります。 |
| 幹縄 | 幹縄の延長距離は130kmにもにも及びます。投縄(縄を入れること)作業は4時間、揚縄作業には大体11時間かかります。 |
| 浮玉 | 直径40〜50センチくらいの玉で、以前はガラス製でしたが、現在はプラスチック製に変わっています。幹縄の古くなった縄で網を編んでくるんでいます。 |
| 浮縄 | 浮玉と幹縄を繋ぐ縄です。採る魚によって水深が変わるために長さが違います。ミナミマグロや本マグロは浅い水深にいるため浮縄は短く、バチマグロやキハダマグロは水深の深いところにいるために長くなります。 |
| 枝縄(ブラン) | 別名ブランとも言います。幹縄と釣の間の縄です。縄と言っても釣の近くはワイヤーだったりナイロン(テグス)だったりします。 |
| 釣(釣針) | 大きさは10センチくらいです。本数は2、300本位使われますが、インドマグロの場合は良くて10〜20本、悪いとぜんぜん魚が食っていないときがあります。 |
| 浮標灯(ランプ) | 6ボルトのバッテリーと暗くなると点灯するセンサーが入った浮標灯です。 |
| 大玉 | 投縄の時に一番最後に投げ込む大きな浮です。これから揚げ始めます。 |
作業(操業中)
| 作業内容 | 時間帯 | |
| 投縄 | 船頭、船長、機関長、局長、コック長以外の15人が3グループとなり、三日に一回この作業を行う | 午前4時〜8時 |
| 流し | 縄を入れてから揚げるまでの間の事、主機関を停止して流す | 午前8時〜正午 |
| 揚縄 | 幹部職員(睡眠中の)と当直員を除いて全員参加する | 正午〜午後11時 |
| 潮登し | 揚縄を終わって次のポイントまで船頭が船を走らせる(この時間帯は船頭、機関長以外は基本的には全員睡眠時間) | 午後11時〜午前4時 |
人員構成と職務分担
| 所属 | 職種 | 資格の必要性 | 職務分担 | |
| 船頭 | 国家資格は必要なし。 | 漁場の決定、投縄時の操船、潮登しの操船 | ||
| 船頭 | 航板部 | 船長 | 国家資格が必要です。 | 流しの時間の当直、夕食まで揚縄作業 |
| 一等航海士 | 国家資格が必要です。 | 揚縄中に4時間くらい操船する、他は一般甲板員と同じ | ||
| ニ等航海士 | 国家資格が必要です。 | 揚縄中に4時間くらい操船する、他は一般甲板員と同じ | ||
| 甲板長 (ボースン) |
資格は必要ありませんが経験が必要です。 | 甲板での作業の指揮者、他は一般甲板員と同じ | ||
| 冷凍長 | 資格は必要ありませんが経験が必要です。 | 揚縄前に早く起きて、冷凍庫の前日の魚の整理を行う。他は一般船員と同じ | ||
| 一般甲板員 | 特に必要なし。 | 三日に1回投縄作業を行います。他の二日は揚縄だけです。 | ||
| 機 関 部 |
機関長 | 国家資格が必要です。 | 潮登しの当直、投縄時の当直、流し時の当直、 | |
| 一等機関士 | 国家資格が必要です。 | 揚縄中に4時間くらい当直する、他は一般機関員と同じ | ||
| 二等機関士 | 国家資格が必要です。 | 揚縄中に4時間くらい当直する、他は一般機関員と同じ | ||
| 操機長 (ナンバン) |
資格は必要ありませんが経験が必要です。 | 揚縄中に4時間くらい当直する、他は一般機関員と同じ | ||
| 一般機関部員 | 特に必要なし。 | 三日に1回投縄作業を行います。他の二日は揚縄だけです。 | ||
| 通信局 | 局長(無線士) | 国家資格が必要です | 揚縄に6時間位参加、他は通信業務 | |
| 賄い | コック長 | 衛生管理が必要か? | 朝飯(投縄時)、昼飯、夕飯、夜食と4回の食事の準備 |
|
鮪船乗船日誌も何とか終了致しました。 鮪船の初航海は高知の船でしたが、田舎に帰ってから一月もしないうちに焼津のスナックのママさんから次の船の紹介の電話がありました。
デッキにシートを引いて、無礼講の飲み会です。 船頭「おいAよ、今晩赤道を通過するんで、この赤道祭りをやってるんじゃが、おまんは赤道っちゅうもんを見た事はあるがかよ。」 A君「そんなもんは見た事はねえっすよ。」 船頭「そうか、見た事はねえか、いいかこれから教えるでよーく聞いておけよ、赤道ちゅうもんはアメリカや日本やイギリスなどで分担して、赤いロープと赤いブイで地球をぐるーっとまいたもんじゃ、我々は漁場に行くにそれを越えて行かにゃいかん、おい、船長よ、今晩何時ごろだったかな。」 船長「おう、夜中の1時過ぎじゃ。」 船頭「夜中の1時じゃと、Aよ、その時間になったら表(へさき)に行ってカギ竿でその浮やロープをかわさにゃいかんぜよ。その仕事は昔から初めて船に乗ってきた者の仕事じゃけんの。」 A君「ええ、そんなもん一人でかわせるんですか、ロープの太さとかはどれくらいあるんですか。」 船頭「俺もしばらく見とらんで、確か10センチ位じゃったかなあ。」 A君「10センチですか、そんなもん重くて持ちあがらんですよ。」 船頭「大丈夫じゃ、良い方法ば教えてやるきに、去年の若い衆はやはり重くて難儀したが、あれはカギで持ち上げるんじゃなくて、船の下に沈める様に押さえつけるんじゃ、そうしたら船長が船をそーっと進めるでな。」 A君「なるほど、それなら何とか出来そうですね。でも一人で出来っかな。」 果してその晩一人、A君はカギを持って表(へさき)に立ちました、しかし待てども待てども、赤いロープと赤いブイは見えてきませんでした。
|
||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
この言葉は、映画の中でビリー船長が言った言葉です。 昔を知っている者の言葉で、しかし、今は・・・・ この映画は2000年にアメリカで製作されたもので、映画の一部がこちらのURLで確認できます。 http://perfectstorm.warnerbros.com/ 私が書いた「鮪船乗船日誌」は、1975年12月10日に出航し翌年の1976年には、この映画に出てくる初めの漁場「Grand Banks」で操業を始めました。 そして15年後の1991年、この映画の嵐による海難事故が起こりました。 この「Grand Banks」では、私が乗った鮪船も、映画の「アンドレア・ゲイル」号も漁がなく、私の乗った船は南下し「パナマ運河」を渡って帰港、映画の鮪船は「フレミッシュ・キャップ」に向かい、この嵐に遭遇することになったのです。 船長の判断が甘かったと言えばそれまでですが、そうせざる得ない事情があったのも事実で冥福を祈ります。 |
|
| THE PERFECT STORM | 鮪船乗船日誌 |
| 1,1991年秋、グロースター 2,無事の帰還/クレジット |
20, 帰港 21、船は母港に |
映画は2隻の鮪船の入港風景から始まります。 長くても2-3ヶ月の航海と思いますが、船迎えの人の数が多いですね。 現在の日本の鮪船では、幹部4-5人以外は外国人船員で、外国船員は日本へ着く前に途中で下船し、船は回航船員で回航される場合が多いので、この様な風景は今は見れません。 入港すると魚が水揚げされますが、映画では我々日本人が刺身で食べる鮪の姿は見れません。 乗船中に先輩船員から、外国では赤身の魚より白身の魚の方が人気があると教えられましたが、映画に出てくる鮪は「メカジキ」といわれ、白身の鮪です。 映画の船は、小さいので船内凍結の設備がなく、日本では「生」と呼ばれる冷蔵方式で氷を使います。 水揚量は9.5トン、後の映画を見ると満船だと50トン位積むようなので、今回の水揚げは5分の1なので、いかに不漁かがわかります。 魚の値段は1キロ当たり7.7ドルで、9.5トンで73,000ドル、それから燃料餌代の35,000ドルを引くと残りが38,500ドルとなり、それを船主と船乗りで分ける事になります。 映画ではボビーが2,221ドルの取り金で、船主に意見する場面がありますが、為替を140円で計算すると30万円位で、航海日数は2ケ月位は掛かっているでしょうから、やはり少なく文句の一つも言いたくなりますね。 |
|
| 9,お別れを言いに・・ |
1)出港「大丈夫かよ」 |
船は入港すると遅かれ早かれ次の船出を考えなければなりません。 映画では入港してから出港するまで4-5日でしょうか、日本の鮪船では大きさにもよりますが1ヶ月位、場合によっては魚は運搬船、乗組員は飛行機で、船は外地の造船所で整備というケースも有ります。 出航するには、魚を釣る為の餌のイカやサバ、人間の食料、日常生活で必要な個人の仕込みも大事です。 乗組員は「10月のGrand Banks」は半端じゃないと船を下りるもの、金が欲しく新しく船に乗ってくるもの、女との別れが辛いものなども入れて、必要人数を集めなければなりません。 映画ではビリー船長が募集採用しましたが、日本の場合スナックやバーなど船乗りがたむろする酒場が職安の役目をします。 外国人船員が多くなった現在、現地インドネシアなどでも酒場がその役目をしているのでしょうか。 演歌が流れ、紙テープが舞い、それぞれの思いを乗せて船は港を出ます。 |
|
| 11、「始めるぞ」 12,息子の大事な人 |
2、さあ商売の始まりです。 3、投縄 4、揚げ縄 |
映画では「夕飯まで針を千本流すぞ、範囲は60キロだ。」と言って1回目の操業が始まりました。これから長い操業が続くのです。 詳しい内容は私のHPのこの頁 鮪延縄漁 に書いてあります。 船の大きさや、時代も若干違いますが、やる事はほとんど同じです。 長い航海で一番気持ちが高揚する時で、どんな魚が来るか、魚がいっぱい来れば早く満船になって早く帰れるのですから。 夕方には投縄(釣りを千本仕掛けること)が終わる予定が暗くなっても続き、僅かな睡眠時間で、無情にも揚げ縄開始のブザーはなります。 それでも魚が来ればみんな大喜びです。 この映画で釣れるのはメカジキです、 辞書で調べると【眼梶木】 スズキ目の海魚。大形で全長3メートル、体重500キログラムを超えるものがある。カジキの一種で、体は長紡錘形、吻(ふん)は剣状で長く突き出す。成魚は体に鱗(うろこ)がない。性質が荒く、大形の魚やクジラを攻撃することがある。食用。熱帯から温帯の暖海に分布。 とあります、私が行った季節は冬で水温の低いところで獲れる本鮪を狙って行きました。 |
|
13、サメだ 15、マーフの落水 28、バグジーの落水 |
17、しけ そして 会合 |
映画の中でマーフが言っています。 「海じゃ数え切れないほど事故が多い」 海での事故で多いのは、やはり「サメ」、「釣り針」、「しけ」そして乗組員同士のいざこざです。 幸い私のこの航海での事故はありませんでしたが、この2航海後でサメの歯で左足の内側を切った事があります。 デッキの順番の仕事を終えて、枝縄や浮きをとも(船尾)片付けてデッキに戻ると、デッキは縄のもつれやサメが転がっていました。 背中を見せているサメの目に指を差し込んで海に戻そうとしていると、もう一人の乗組員が尻尾を持ちます。 サメは釣りを飲み込んでいる場合が多く、その釣りをはずす為に包丁で胃袋の方まで切り開きます。 そんなことも知らない私が、サメを持ち上げ捨てると、下唇が垂れ下がり、サメの歯は私の左足の内側をかすめて行きました。 覗き込むと、ビニールの合羽、ナイロンのタイツが切れて血が噴出しているのが見えます。 もちろん船には医者などは乗ってませんので、その道の経験豊富な乗組員が処置をする事になります。 幸いに傷は軽く、皮を3-4センチ位引き裂いだ程度で、麻酔もなく5針縫って済みました。 ここで映画の感想を言わせてもらえれば、出てくる魚はすべて、この映画の為に製作された物と言うこと。 製作過程を紹介する「メイキング」ですべて作られてた物と言われても、信じられないくらいすばらしく良く出来ています。 大きいメカジキ、小さいメカジキ、解体されるメカジキ、釣りに掛かったメカジキがすべて製作された物とは驚きです。 反対に落水シーンで、映画に画像として載せるには光が必要なのはわかりますが、光があり過ぎて本当の「死」っと言う事への恐怖感が伝わってきません。 私が航海中に海に入ったのは、パナマ運河通過前にプロペラを確認する為に海に入った時だけです。 それは仲間が見守る中の昼間でしたが、船から離れると言う事で、それは心細いものでした。 仕事が過酷なので、慢性的な寝不足、疲労で正常な判断が出来にくくなり、事故が発生します。 ここで私と同じ体験をされた、上川さんの 出航が1970年と言いますから、私の出航より5年前の事になります。 私の経験がいかに幸せなものだったか思い知らされます。 |
|