

分離発注で建築費が有利に
Webで建築士のKさんのHPを見つけた事で、分離発注という大胆な建築方法が現実的なものになりました。
Kさんはオープンネット株式会社の会員です。
オープンネットは分離発注を進めていきたい建築家の集合体です。既に全国にネットワークを広げているようです。
分離発注では、資材調達と実際に建築を行う工務を分離させ、資材は実費で購入するのが基本です。
工務はそれぞれの工事ごとに複数業者に競争入札を行うという、建築費の低コストを実現させる画期的なシステムです。
分離発注での建築プランを進めていけば、従来のハウスメーカ(工務店)が利益としていたマージン部分が消えていきます。
ですから、ハウスメーカにとっては非常に困った建築方法だろうと思います。
しかし、建築費が格段に安くなるのですから、これから広まっていくでしょう。
資材の輸入でさらに建築費が有利に
さらにKさんが提案するのは、建築資材のうち構造材を含む相当部分を米国から直輸入する方式です。
建材価格の日米格差はいまだに大きなものがありますから、これだけでも資金が節約できます。
アメリカでは、ホームセンターに行けば住宅建築に必要な資材がすべて揃うそうです。
建築業者もホームセンターから資材を購入して家を建てます。
したがって資材価格は全くのガラス張りです。業者は手間賃のみで仕事をします。
日本の建築方式では嫌になるほど積まれていく「マージン」が存在できないのですから、うらやましくなるのは仕方ないですね。
支払いは金融機関が発行するL/C(貿易信用状)で資材を輸入します。
送金ベースの輸入では、届いた資材に問題があっても(届かない場合もある)金額を支払った後ですからトラブルになりやすいのです。
L/Cがあれば、売り手側としても代金の保証があるので安心だし、買い手側としても実際の資材を確認した後で支払いが行われるので安心です。
分離発注での建築に補償共済
実際に分離発注を進めるとなれば、さまざまなインフラが必要になります。
たとえば、分離発注ですから、建築中の事故、盗難など不測の事態が起きれば、建て主(私)の責任になります。
これに対応してくれる保険はあるのでしょうか。
これがあるんです!オープンネットが東京海上火災と開発した補償共済があります。
この補償共済は、建築工事中の補償、完成引渡後10年間の瑕疵補償・PL法・建築士賠償責任をセットにしたものです。
この補償共済ができた事で、分離発注に対する不安感はほとんどなくなりました。
この補償共済に加入すれば、建築中のトラブルについてはハウスメーカとの契約よりも有利な環境になったと思います。
最近、建築中にハウスメーカ(工務店)が倒産したという話をよく聞きます。ハウスメーカと契約した場合、「建築中の家」はハウスメーカの所有物ですから非常に面倒な事になるのです。場合によっては立ち往生のような状態になります。
にもかかわらず、不審火などで全焼した場合は施主負担にするハウスメーカもあります。
分離発注では、万一業者が倒産しても、被害はその業者の担当部分に対して前払いした金額だけです。
その被害についても補償共済が対応してくれます。
分離発注は資金繰りがポイント
分離発注では、各工事会社への直接発注になりますから、資金は前倒しで出て行きます。
業者としてもできれば半金は着工時に受け取りたいというのが普通だと思います。
この資金の動きに、従来の完成後一括実行方式の住宅ローンでは対応しきれないようです。
住宅金融公庫の融資であれば、つなぎ資金を金融機関から借りる事は可能ですが、銀行ローンなどの場合は原則的につなぎ融資はできません。私の場合はなんとか資金繰りができそうですが、この点で分離発注を断念するケースも多いのではないかと思います。
分離発注に対応した住宅ローンについて、銀行のローン担当者の方と話をしてみました。
その時の話では、これからの流れとしては損保も一体になった逐次融資になっていくのではないかと言う事でした。
つまり、
(1) 米国式に建築契約時に損害保険会社と補償契約をする。
(2) 保険会社から派遣される検査員が工事の検査を行なう。
*(リスクを背負う会社(損保)が検査を行なうのですからナァナァで済ませれば自分の首を絞める事になります。)
(3) 工事の進行状況に応じて、検査に合格した工事会社に金融機関から直接代金が支払われる。
という方式です。
信用金庫やリテール(個人)重視の銀行などにとっては有力な商品になると思うのですが、今後の展開やいかに、という
ところです。
現場の「監理」と工程「管理」
住宅建築の総合監督が「監理者」なのですが、分離発注では「監理」と「管理」の重要度が非常に増してきます。
業者の立場で言えば、ハウスメーカ(工務店)からの受注は継続的なものですから、スポットの受注に比べれば重要度が違います。あとでトラブルにならないように充分な打ち合わせ(工程管理)と検査体制(現場監理)が「いい仕事」の基本になります。
分離発注での仕事は発注者が個人だけに各工程をチェックする「目」は多いほどいい結果につながります。
まぁ職人さんが嫌になるほど監視するのは問題です。何事も程度問題ですね
私の場合、基本的に「監理&管理」はK建築事務所から委託を受けた会社が行ないます。
しかし、私が手配した業者さんについては発注段階までは私が「管理」する事になります。
別にこだわっていないんですが、仕様と値段の交渉は私の仕事ですから。
さらに重点監理として、各工程の重要ポイントでは知り合いの建築家の方にチェックを依頼しています。
私も仕事の行き帰りに現場に足を運ぶつもりです。進行状況は、このHPで随時レポートしていきます。
大工さん、職人さんにとっては、心地よい緊張感のある現場になると確信しております。 (^^;
さて、こうして始まった「分離発注で建てる こだわらない輸入住宅の建築」ですが、どうなることやら。
お楽しみに。
(2002年3月の時点で、諸般の事情により建築士さんの実名掲載を止めました。
引き続きオープンネットさんにはリンクしてますので分離発注指向の方はご活用下さい)
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