●アレキサンダー・スペンス『オール』
(日本)VIVID SOUND VSCD-1497
 60年代サンフランシスコが生んだ最強のサイケデリック・ハード・ロック・バンド、モビー・グレイプ。本作は、モビー・グレイプのリーダーだったスキップ・スペンスが、69年に発表した唯一のソロ・アルバム。ドラッグ中毒がもとでグループを脱退、半年にもおよぶ精神病院での入院生活を余儀なくされたスペンスだったが、その中で書き溜めた曲をほぼ一人での多重録音によって纏め上げたのが本作だった。ここで聴かれるのは、米国版シド・バレットとも形容されるスペンスならではの、アコースティックでアシッドでサイケでマッドな精神世界。シドのアルバム同様にその幽玄の世界は、聴く者をとらえてやまない不思議な魅力をたたえている。シド・バレット・ファンは必聴だろう。
  今回のCD化にあたってはオリジナル・アルバムに加えて、アルバム録音時のセッションから10曲をボーナスプラス、うち5曲はなんと初CD化。ご存知の方も多いと思うが、スペンスは本作発表後、30年以上にわたって入退院を繰り返した末、昨年4月にこの世を去った。彼の偉大さに敬意を表わした、ロバート・プラントらによるトリビュート『モア・オール』もその死後リリースされた。

●アン・ブリッグス『コレクション』
(日本)VIVID SOUND VSCD-2798

 冬のこの凛とした時期、僕が朝よく聴くものといえば、もちろんブリティッシュ・フォーク(トラッド)だ。中でも一番のお気に入りといえば、やはりブリティッシュ・トラッドの歌姫アン・ブリッグス。
  60年代のイギリスの音楽シーンといえば、当HPを見ていただいてる一般のファンの方は、ブリティッシュ・ビートにサイケにブルース・ロックにプログレなんかを連想するだろうが、その一方でアコースティックなフォーク・ミュージックのシーンも隆盛を極めていたのだ。そしてそういったムーヴメントは、やがて60年代後半になるとロックとも密接な関わりを持ってくるのだ。一例をあげれば、後期ヤードバーズやレッド・ツェッペリンに於けるジミー・ペイジの奏法には明らかにトラッドからの影響が窺がえるし、事実「ブラック・マウンテン・サイド」は本作にも収められている「ブラック・ウォーター・サイド」をまんまパクッたものだったりする。
  本作はアン・ブリッグスが60年代に英トピック・レーベルに残したすべての音源を網羅したもの。その清い歌声とみずみずしくもミステリアスなギター演奏は、まさに英国の田園風景を想起させる。癒されるよ。
●THE CREATION 『BEST OF CREATION』
(GERMANY)REPERTOIRE REP-4736-WY
 いわゆる60年代の数あるカルト・モッズ・グループの中でもジョンズ・チルドレン、アクションなんかと並んで人気の高いクリエイション。ここ数年で彼らの音源が手を変え品を変え出されてきているが、入門編として最もベストなアンソロジーがドイツ盤でリリースされたのでここで取り上げておこう。
  コレはドイツで67年にリリースされたアルバムにシングル曲や、また彼らの前身バンドとして知られるマーク・フォー(キンクスのジョン・ダルトンも在籍)時代の貴重なシングルなどをプラスしたもの。大胆不敵なサイケデリック・ロック「LIFE IS JUST BEGINNNINNG」や「HOW DOES IT FEEL TO FEEL」から、ザ・フーばりのモッド・チューン「BIFF,BANG,POW」など彼らの代表曲のほとんどがこのアルバムで楽しめる。個人的にはロン・ウッドが在籍していた後期のナンバー「FOR ALL THAT I AM」などでのアート・ロック的なアプローチが興味深い。プロデュースはキンクスやザ・フーでお馴染みのシェル・タルミー。活動期間は僅か2年ほどのグループだったが、ポール・ウェラーら後のモダニスト達に与えた影響はかなりデカかったといえる。
●ホリーズ『フォー・サートゥン・ビコーズ』
(日本)東芝EMI TOCP-50752

 ホリーズ版『ラバー・ソウル』として個人的には彼らの全作品中、最もフェイヴァリットなアルバムが、ステレオ、モノの2イン1というパッケージで昨年国内発売された。
  これは66年12月に英本国でリリースされた、彼らにとっては5作目にあたるオリジナル・アルバムで、全曲ともアラン・クラーク、グレアム・ナッシュ、トニー・ヒックスのメンバー3人による作品集だ。このことからも当時の彼らがシングル中心の活動から、アルバム・アーティストへと脱皮しようとしていたことがおわかりになるだろう。そしてまた、このそれぞれの曲がクオリティーが高くてもう本当に最高なのだ。ホリーズといえば3パートのコーラスをいかしたポップなビートグループという印象が強いだろうが、ここではそれに加えてフォーク・ロック、ラガ、ボードビルといった多彩な要素もそえて、ビートグループとして一つの頂点に達したかのような貫禄を漂わせている。最高の佳曲「ペイ・ユー・バック・ウィズ・インタレスト」を始め全曲、それぞれ色褪せることのない、あの66年という時代の空気を象徴するかのような、甘酸っぱくてキラキラとした幸福感に包まれている。まさにエヴァーグリーンな1枚。

●マーク・ワーツ『ティーンエイジ・オペラ(オリジナル・サウンドトラック)』
(日本)MSI MSIF-3613

 60年代のカルト・プロデューサーの一人、マーク・ワーツが企画、制作しながらも未完に終わった幻のロック・オペラ、それが『ティーンエイジ・オペラ』だ。本作はアビーロード・スタジオに残っていた当時の音源を集めて、マークの当初の意図を忠実に再現した同オペラのサントラ盤である。当時このプロジェクトの中核をなしたのは、トゥモロウのキース・ウェストとスティーヴ・ハウで、うちウェストの歌った「グロッサー・ジャック」は67年にシングルとして発売されるや、全英2位のヒットを記録、オペラの上映に期待がかかったものの企画自体はポシャッてしまったのであった。  さて本作に収められた楽曲は全23曲。いずれも67年のサマー・オブ・ラブの季節に相応しく、ドリーミーでカラフルでサイケなポップ揃いだが、中でもニック・ロウが在籍していたキッピントン・ロッジによる「シャイ・ボーイ」(もともとはトゥモロウの持ち歌)、そしてメルヘン・サイケ・ポップとでも言うべき愛らしさがたまらない「ウェザーマン」がベスト・トラックか。もちろんトゥモロウのナンバーも良し。全ブリティッシュ・サイケ・ファンのみなさま、これは買いです。

●スティーヴ・マリオット『クリアー・スルー・ザ・ナイト』
(日本)MSI MSIF-3640

 昨年(99年)は、念願であったスティーヴ・マリオットのトリビュートイベントも無事開催できてほっとしましたよ。今年は吉祥寺のON AIR Planet Kというライヴハウスでまたまた豪華ゲスト陣をお招きしてやる予定ですのでお楽しみに。詳細が決まり次第、イベント・インフォのコーナーにて。
 さてマリオット関連の未発表音源も昨年は3枚MSIからリリースされた。まずは『クリアー・スルー・ザ・ナイト』。これは75年のハンブル・パイ解散後のスタジオ・セッションを収めたもの。何かふっきれたかのようなリラックスした雰囲気が全篇を包む。ハンブル・パイのテイクよりもカッコイイ「ストリート・ラッツ」にご注目。日本盤は初回分のみジャム・セッションを収めたボーナス・ディスク付きなのでお早めに。『オフィシャル・レシーヴァーズ』(MSIF-3671/2)は87年に結成した同名バンドによるライヴ&スタジオ集。レイドバックなんてなんのその、ひたすらワイルドに吠えまくるマリオット先生、美しすぎる。最後はハンブル・パイの『ランニング・ウィズ・ザ・パック』(MSIF-3673)で、パイ最後期のスタジオ録音とラスト・ツアーのライヴを収録。やや迫力に欠けるかも。

●『茂みの中の欲望(オリジナル・サウンドトラック)』
(日本)ビデオアーツ VACK-3015
 スペンサー・デイヴィス・グループとトラフィックが音楽を担当した、スウィンギング・ロンドンの象徴的なロック・フィルム『茂みの中の欲望』のサントラ盤は、現在日本盤ではMSIとビデオアーツの2社からそれぞれ異なったパッケージで出されてる。今回はビデオアーツ版をご紹介しよう。  MSI版(MSIF-3558)が英国盤のジャケットで出されてたのに対して、こちらはアメリカ盤仕様。しかもよ〜くヘッドフォンで聴いてみるとミックスもまったく違ってるのだ。さらにこのCDがレアな点は、ROM対応になっており映画のダイアローグがボーナスとして収録されてることである(そうか〜、この映画で主演をつとめていたバリー・エヴァンスってもう亡くなってしまっていたんですね)。それにしてもこのサントラはいつ聴いてもスゴイよ。映画の内容とあいまって、あの素敵な時代に思いを馳せるのもベストだろう。余談だが、かつて六本木シネヴィヴァンで上映された時に、字幕付きのビデオを貰ったことがあって、今でもたまに見たりするんだけども、なんとかチャンとした商品(ビデオとかLD、DVDなんかで)で発売されないものだろうか。『キャンディ』ともどもね。
●TERRY REID『TERRY REID』
(UK)BGO BGOCD-168
 レッド・ツェッペリンの初代シンガー、そしてディープ・パープルの2代目ヴォーカリストとして白羽の矢が立てられながらも、自身の活動を理由に断った英国のシンガー&ギタリスト、それがテリー・リード。昨年秋には彼がアトランティックに残したサード『リヴァー』が、世界に先駆けて日本でもイースト・ウェストから「名盤探検隊」のシリーズでリイシューされたからご存知の方も多いだろう。何がイイって彼の声がイイんだよ。ジミー・ペイジやジョン・ロードらが惚れたのもわかるよ。とにかく声域ギリギリのところでシャウトするのが、たまらなく甘くてポップでもう最高(オマケに美形だし)。
  このCDは69年にイギリスで発表された彼のデビュー・アルバム(アメリカではこれとは別に『BAN,BAN,YOU'RE TERRY REID』で一足先に68年にデビュー)に、67年の貴重なシングルを加えたもの。プロデュースはミッキー・モスト。これがまたポップでキャッチーな極上のブリティッシュ・ロックときてる。後期ヤードバーズ好きな方ならきっと気に入っていただけるハズ。チープ・トリックもカヴァーした「Speak Now Or Forever Hold Your Peace」が中でもイカしてる。
●TOMORROW『Featuring KEITH WEST』
(UK)EMI 7243ー498819ー2
 68年にシングル「My White Bicycle」でデビューしたトゥモロウは、キース・ウェスト、スティーヴ・ハウ(後にイエス)、トゥインク(後にプリティ・シングス)らを擁したサイケデリック・ロック・グループ。まさに「ストロベリー・フィールズ・チルドレン」とでもいうべき彼らを、当時のEMIはピンク・フロイド、プリティ・シングスとセットで売り出そうとしていたようだ。
  昨年夏に発売されるや全国5000万(?)ブリティッシュ・サイケ・ポップ・フリークを狂喜させた本作は、彼らが残した全音源に加えそこから派生したユニット、アクエリアン・エイジの貴重なシングルやキース・ウェストのソロをプラス、丁寧なリマスターを施したお宝アイテム。ザ・コレクターズの加藤氏も大絶賛の「MY White Bicycle」を始め、トゥモロウ版「ペニー・レイン」的な「Shy Boy」、独自の解釈で聴かせるザ・バーズの「Why」、日本のGSも真っ青の情感溢れる「Hallucination」「Revolution」などクオリティーの高さは保証済みだ。なお伝説的なそのライヴ・パフォーマンスはCD『50 MINUTE TECHNICOLOUR DREAM』(UK:RPM 184)で聴けるので、こちらもゲットだ
●ヴィグラス&オズボーン『キューズ』
(日本)VIVID SOUND VSCD-732
 これまた快挙。70年代を代表する英国のポップ・デュオ、ヴィグラス&オズボーンの名作の誉まれ高き72年のデビュー・アルバムが世界初CD化です。若い音楽ファンの方には馴染みのないデュオだろう。しかし僕くらいの年代の人間にとっては、ここにも入ってる「秋はひとりぼっち」っていう曲は、もう深夜のAM音楽番組ではしょっちゅうリクエストされる定番ナンバーだったのだ。そうそう、この曲は当時は売れたのは日本だけだったが、イギリスでは後にムーディー・ブルース(こちらも先日、久々の新作を出しました)のジャスティン・ヘイワードが取り上げて全英トップ10ヒットとさせていたっけ。
  さてポール・ヴィグラスとゲイリー・オズボーンからなるこのデュオが残した2枚のアルバムのうち、どちらがポップかといったらやはりこのデビュー作だろう。今でいうところのソフトロック的な繊細で軟らかな音に清らかなコーラスが被さるあたり、もうぞくぞくきてしまう。しかも根底にはしっかりとブリティッシュ・ポップスの伝統が刻まれているんだ。何度聴いてもまた最初から聴きたくなっちゃうんだよな。なお今回のCDにはボーナストラックとしてシングル曲も追加。
●V,A『Searchin' For Shakes』
(Sweden)AMCD-2032
 60年代のスウェーデンには、ビートルズやキンクスに影響を受けた無数のビートグループがひしめいていた。テイジス、オーラ&ザ・ジャングラーズ、シェインズ、シャムロックス、ジャックポッツ、マスコッツ等など。そして実際、クオリティーも高かった。
  さて先日私的なショッピングやら仕事の資料集めやらで良く通わせていただいている、東京は渋谷のレコードショップ、ロックンロール・エイズ・プロダクションにて面白いオムニバス盤を見つけたので、それをご紹介しよう。「SWEDISH BEAT 1965−1968」とサブタイトルのついたこのオムニバス盤、スウェーデンのビートルズとして今なお彼の国で絶大な人気を誇るテイジス(あちらだとトージェスと発音するらしい)に、マスコッツ、リー・キングス以外だと僕も初めて名前を聞くグループばかり全26曲を収録。典型的なマージーサウンドのコピーもどきもあればサーフィンサウンドもありとなかなかに楽しい。次回このホームページを更新する時には「PICK UP ARTISTS」のコーナーで、スウェーデンの代表的なビートグループの特集をやろうかって思ってるんで、これまたお楽しみに。
●V.A『GIRLS DON'T COME(HERE COME THE GIRLS VOLUME 10』
(UK)SEQUEL NEECD-327
 ワンダーガール・プレゼンツと題して、ザ・コレクターズの加藤ひさしさんと僕との監修で、イギリス盤のそれをもとにパイ音源による60年代のガールサウンズもののオムニバス『ヒア・カム・ザ・ガールズ』を合計3枚、ビクターさんの方からリリースしてきたってのは皆さん、もう知ってるよね?さてさて海の向こうでは、本家本元英国のワンダーガール・コンビ(?)、マルコム・バームガウトとミック・パトリック両氏監修による『ヒア・カム〜』シリーズも最終回ってワケで、とうとうラスト・エディションが出たのだ。タイトルもずばり「ガール・ドント・カム」、オンナのコたちはもう打ち止めよ!ってなとこですか。ちなみにこれはサンディ・ショウのヒット曲のタイトルから。
  なんたって2枚組、しかも全56曲というヴォリュームだ。パイ・ガール・サウンズ・マニアにとっては最後の晩餐といったところかな。内容は改めて言うまでもないでしょう、だってパイだもん、60年代の英ガール・サウンズときたらやっぱパイでしょ、もうハズレなし、キュートでチャームでそしてファニーな胸キュンPOPを楽しんで。サンディ・ショウのフランス語ヴァージョンが激レア。
●ボルテイジ『コンプリート・ボルテイジ:R&Bビッグ・ヒッツ』
(日本)P-VINE PCD-1554
 僕の日本のGSベスト5といえば、スパイダース、カップス、ビーバーズ、ダイナマイツ、カーナビーツの順。そして10番目くらいに好きなバンドがこのボルテイジである。一昨年リリースされたこのCDは、そんなボルテイジがテイチクに残した全音源をもれなくパッケージしたもの。今まで彼らの音源は例の「カルトGSコレクション」なんかでバラバラになってたので、これはホント〜に便利な1枚といえるだろう。
  CDのタスキには「ダイナミック・モッド・ソウル・バンドと海外からも絶賛された不世出のR&Bバンド」と謳われているが、その言葉に偽りはナイ。現に僕も数年前にロンドンのカルトなレコードショップで彼らの唯一のアルバムに「150ポンド!」の値が付けられていたのを目撃したことがある。本作は、アトランティックやスタックス産のR&B(ウィルソン・ピケットやオーティス・レディング、サム&デイブら)を彼らなりに独自のファズ解釈(これが圧巻)で料理したガレージR&Bともいうべきサウンドを披露するほか、「シェイキン・マイ・ソウル」などのレアなシングルもプラス。まさにド級です。ガイジン受けの秘訣はやっぱファズにあり。
●加賀まりこ『愛のレッスン』
(日本)ワーナー WPC7−8598
 ワーナーから昨年まとめてリリースされたJ-POPヒットパレード・シリーズ40タイトル、これはもう借金してでもまとめ買いしなくちゃならないシリーズだろう。こういった企画ものって、まだあるまだあるって思ってるとアッという間になくなっちゃうんだよね。この加賀まりこのアルバムなんてのもその最たるものだろうな。
  さてこの『愛のレッスン』は和製BBことまりこさんが71年に発表した珍品である。といってもいわゆる歌ものではない。「シェルブールの雨傘」「青い影」「ラバース・コンチェルト」といった当時人気のポピュラー・ナンバーを、服部克久の編曲およびワーナー専属のグランド・オーケストラで、シャバダバなムード歌謡に仕立てた挙げ句に、加賀まりこのナレーション(詩の朗読といってもイイ)がそこに被さるというもの。ムード歌謡風のアレンジによるジョージ・ハリスン「サムシング」に乗せて「あなたがやさしくしてくれると、あたし、とても素直になれるの、不思議ね。ううん、いいのよ、あたしも悪かったんだから」みたいなナレーションが延々と続くワケだ、これが。脳ミソとろけそうで不思議な快感に襲われるって按配さ。
●安井かずみ『ZUZU』
(日本)ワーナー WPC7−8599
 これも同シリーズより。安井かずみさんは70年代〜80年代にかけて一世を風靡した大作詞家(『愛のレッスン』の詩も彼女)。数多くのヒット曲を手掛ける一方で、加藤和彦とのおしどり夫婦としても有名だった。しかし90年代に入ってから惜しくも他界されてます。本作はそんな彼女が唯一残したヴォーカル・アルバム(70年発表)。
  作詞は全曲彼女によるものだが、注目したいのは作曲を、当時のグループサウンズのスター(ムッシュかまやつ、加瀬邦彦、クニ河内、マモル・マヌー、沢田研二)や俳優(西郷輝彦、石坂浩二)らが手掛けているということだ。このアルバムがリリースされた70年というのは、日本ではGSからニューロックへと季節は移る一方で、ティンパン・アレイ的な世界も浮上しかけていた時期である。このアルバムはそんな時代の空気を見事なまでに映し出した、輝けるキャンティ文化のモニュメント的作品に仕上げられた。なによりも当時のフリーコンサートと思しき会場で撮影されたジャケットがそれを物語っている。収録曲では個人的にはボサノバ・タッチの洒落たナンバー「わるいくせ」とムッシュが提供した「プール・コワ」がフェイヴァリット。
TEXT BY TAKEO KOMATSUZAKI(2000.1.29)