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Hindi Movie Reviews


LAJJA
マニーシャばんざい

監督 : Rajkumar Santoshi
出演 : アニル・カプール、ジャッキー・シュロフ、アジャイ・デーヴガン、マードゥリー・ディークシット、マニーシャ・コイララ、レカー、マヒマ・チョウドリ他 (特別出演:ウルミラ、ソナリ)
音楽 : Anu Malik 作詞 : Sameer
2001年/インド

裕福な夫(ジャッキー・シュロフ)と共にニューヨークに住む若妻マニーシャ。夫は妻を愛しながらも、遊び人で身勝手な男だった。夫の横暴さに愛想をつかし、マニーシャはひとりインドへ戻る。戻ってきた娘に実家の両親も困惑し、また夫も妻を取り戻そうとする。だが、度重なる不実な行動に嫌気がさしたマニーシャは夫を逃れてひとり無謀な旅に出る。そこで出会う人々、いろんな女達。結婚式をまさに迎えようとする瞬間に夫の本性を知るマヒマ、男に裏切られる踊り子のマードゥリー、 村に住むレカーも男たちの暴力の餌食に。女達は踏みにじられるばかりなのか・・(というような内容らしい。字幕なしDVDにて鑑賞)
ストーリーはともかく、この監督の映像センスは素晴らしい。繊細な色彩感覚や奥行きのある画面構成、細部にまで注意の行き届いた人物配置。しかし、一番驚いたのは、マニーシャの清楚な美しさ。インド女優にはめすらしいモードなナチュラルメイクが彼女の本来の美貌を引き立て、押さえた演技が、いつになく愛らしい魅力的なマニーシャを作り出している。女優だなー、この人は。豪華な登場人物が続くが、オールスターキャストの映画にありがちな「空疎さ」が感じられないのは監督の手腕か。後半、妙なカッコで登場するアジャイ・デーヴガンで、シリアスな映画が一挙に笑いに突入。踊りシーンだけで、ウルミラとソナリが登場する。音楽シーンもどれも楽しい。
(Aug.,2002)

KHOON BHARI MAANG (血塗られた髪の分け目)
インド映画無法地帯

監督 : ラケーシュ・ローシャン
出演 : Rekha, Kabir Bedi, Sonu Walia, Kader Khan, Shatrughan Sinhaa
Rakesh Roshan, Saeed Jaffery
音楽 : Rajesh Roshan
1988年/インド

80年代インド映画のひとつの特徴である「強引さ」を堪能できる一本。見るものを置き去りにする無茶な展開と演出はひたすら爽快。
大富豪の一人娘でありながら、顔に傷があるために陰気で内気な性格のレカー。夫と二人の子供と幸せに暮らしていたが、夫を事故で失う。失意のうちに田舎にひきこもり、子供たちや召し使いと静かに暮らしていたが、実の父親も心臓麻痺で亡くなったという知らせ。本当は、自分の使い込みがバレた側近によって殺されたのであったが、娘は知るよしもなく悲しみにくれる。 父親の財産を受け継いだレカーの周囲には、その財産を狙う悪人らがひしめいていた。ロンドンから戻った側近の甥は、さっそくレカーに近づき、子供たちを手なづけてまんまと、夫の座におさまることに成功する。そして、愛人と仕組んでレカーをボート遊びに誘うが、その池にはワニがうじゃうじゃ。絶好のチャンス到来と、レカーを池につき落とす。娘は無残にもワニの餌食となる。男は悲しみを装いながら、財産を相続しようとするが、「死体が発見されない限りは死亡と認められない。7年間発見されなければ、はじめて相続できる」という法律で、せっかくの計画もパー。一方、池でワニに食われたはずの哀れな娘は、どんな奇蹟が起きたか、岸辺に打ち上げられ漁師に助けられる。一命をとりとめたが、顔にはワニに齧られた醜い傷が。自分や子供たちを不幸に追いやった夫とその愛人に復讐を心に誓ったレカーは、身に付けた宝石を売って外国へ渡り整形手術を受ける。一変して美貌の女性に変身して戻ってきたレカーの復讐が始まった…。
ワニ、馬、犬の動物たちが、ある時は物語の鍵となり、ある時は薬味となり、出演者に劣らない演技をみせている。 前半の陰気な娘時代のレカーは、誰だかわからないくらいに地味だが、後半生まれ変わって美女になってからは、恐いくらいド派手になる、そのギャップが見物。モデルになって、愛人とビューティ対決する音楽シーンの毒々しさは忘れ難い。やっぱ、主役はワニでしょ。

(Aug.,2002)

AKS
誰も死なない。誰も殺さない。この人形劇で僕はただの道具。

監督脚本:Rakesh Omprakash Mehra
出演 : アミターブ・バッチャン、マノージ・バジパイ、ラヴィーナ・タンドン、ナンディタ・ダス
音楽 :Anu Malik 作詞 :Gulzar
2001年/インド/157分

副題はThe Reflection-反射、反映、鏡像。ひとつの人間の体のなかで繰り広げられる善と悪の究極の戦い、というインド古代の哲学にもとづいてストーリーが展開する。物語はブダペストで始まる。インド防衛庁長官の外交訪問に、要人警備の任務につくマヌ・ヴァルマ(アミターブ・バッチャン)。背後では長官暗殺の計画が渦巻いていた。その長官暗殺計画の情報が入っていたフロッピー・ディスクが、何物かによって持ち去れる。背後に見え隠れする犯人の影。それは幼少時より殺人を繰り返してきた猟奇的犯罪者のラグヴァン(マノージ・バジパイ)だった。この不可解で謎の殺人者を追いつめたマヌ・ヴァルマは、彼を逮捕することに成功したのだが ....
緊迫したサイコ・サスペンスで、予想外の展開に突入する後半はスリラー仕立て。かなりコワイ。犯人と警官の二人を軸にして物語が進んで行くが、そこにインド哲学や、宗教、仮面つくりの兄弟などの要素がからみ、音楽も含めてミステリアスな雰囲気を醸し出している。主役のアミターブがいい。一人の人間の中に宿る善と悪を完璧に演じわけ、映画に重みを与えている。サイコキラーのマノージ・バジパイは十分に魅力を発揮。殺人者の恋人で踊り子に扮するのはラヴィーナ。アミターブの若妻役に、清楚な美しさが光るナンディタ・ダス。主演男優二人の熱演の前に多少影がうすいが。「羊たちの沈黙」を連想させなくもないが、「ツイン・ピークス」の雰囲気にも似てる。それなりに楽しめる一本。
(Sep.9,2001)

SAAZ (メロディ)
音楽に生きた二人の姉妹。そして人生は続く。

監督・脚本:サイー・バラーンジャベー
撮影:GSバスカー
音楽:ザキール・フセイン、ブーペン・ハジラカー
出演・シャバナ・アーズミー、アルナ・イラニー、ザキール・フセイン
1997年/インド/129分

女性プレイバックシンガーとして名を成したマンシィとバンシィ姉妹は、お互いに愛し合いながらも音楽の世界ではライバル同士。二人の愛憎関係を中心に女性の生き方を繊細に力強く描いた心に残る秀作。
不幸な家庭で肩を寄せ合うようにして生きてきた二人の姉妹は、それぞれが持つ並外れた才能ゆえに、互いへの嫉妬心やライバル意識で、その絆を引き裂かれてしまう。物語は妹のバンシィを中心に語られて行くのだが、彼女の人生のなんと波乱に満ちていることだろう。プレイバックシンガーとしての成功と同時に始まる姉との確執、その合間には不幸な結婚、不倫、年若い音楽家との短い恋。しかも長い間疎遠になっていた姉と再び和解するも束の間、白血病で姉はその生涯を閉じる。
二人の女性のいかにも煩悩にみちた俗世界の人間としての生き方をたどってゆくと同時に、その間に流れる姉妹の天上のような歌声の美しさ。その対比が痛ましい。声を失ったバンシィが再び歌声を取り戻したときに万感をこめて歌ったのは、かつて舞台芸人であった父親が酒代のためにドシャ降りの雨のなかで歌った歌だった。バンシィの強さを支えてきたのが、あの幼い日の雨の夜に聞いた父親の歌であったことが切なくも胸に迫る。ふんだんに挿入される音楽はどれも素晴らしく、またバンシィを演じたシャバナ・アーズミーが輝いている。(Apr 29 2001)