| メキシコ−死に彩られた街
URBAN HYMNS - 都市の聖歌
BOMBAY DREAMS
スリランカ映画祭2002 (Sep.25 - Oct.2,2002)
アジアフォーカスのスリランカ映画コレクションが、そっくりそのまま東京(溜池)でも上映された。スリランカ映画は、今世界的にちょっとしたブームだそうで、最近日本でも見る機会が増えている。2000年のアジアフォーカスで上映された「サロージャー」が素晴らしかったので、それ以来スリランカ映画に注目しているのだか、今年も東京国際でその新作が上映されるハンダガマ監督の「マイ・ムーン」(2001年東京国際映画祭)などはずいぶんユニークな作品だ。今回のスリランカ映画祭のラインナップは、そういった斬新な映画というよりオードソックスなものが多かったが、それでも見たいくつかの作品はどれも見応えがあった。『湖畔の邸宅』は裕福な大家族が没落してゆく様子を描く。湖のほとりに立つ大邸宅の最後の主である未亡人の願いも空しく、一家の精神的支柱でもあった館を手放す結末は哀愁が漂う。『白い影』は家族や男女の関係を繊細に描きながら、生きることの無情感を漂わせる興味深い作品。イギリスの植民地支配に反乱をおこした仏教僧のスドゥは、身を隠すためにコロンボに8年間逃れる。ほとぼりが冷めた頃に故郷に戻るが、そこに暮らしていたのは年老いた母と疲れた顔をした兄嫁とその子供たち。兄は刑務所だった。仕事をはじめ、家族を養うようになったスドゥは、いつのまにか兄嫁へ愛情を持つようになっていた。二人は結ばれ、兄嫁は身ごもった。そこへ突然兄が特赦で刑務所から戻ってくる。当時のスリランカでは一妻多夫が認められていたというが、それでも兄と弟と二人の間には微妙な感情的対立が生まれる。子供たちは刑務所帰りの父親を疎ましく思うばかりで、兄は身の置き場がない。時は満ちて兄嫁は子供を出産するが..。淡々と進んでゆく物語のなかで、少ないセリフだけで人々の感情の彩が繊細に表現されている。突然途切れるようにして終わるラストは、あまりに悲しく非情だ。 |
| 『湖畔の邸宅』 | 監督:レスター・ジェームス・ピーリス | 2002年 | スリランカ |
| 『スリ』 | 監督:リンタン・セーマゲー | 2002年 | スリランカ |
| 『白い影』 | 監督:スニル・アーリヤラトゥナ | 2002年 | スリランカ |
| 『告白』 | 監督:ベナットゥ・ラトゥナーヤカ | 2001年 | スリランカ |
| 『私への道』 | 監督:ワサンタ・オベーセーカラ | 1998年 | スリランカ |
| 『城壁』 | 監督:プラサンナ・ヴィーターナゲー | 1997年 | スリランカ |
| 『長女』 | 監督:スミトラ・ピーリス | 1993年 | スリランカ |
| 『ジャングルの村』 | 監督:レスター・ジェームス・ピーリス | 1980年 | スリランカ |
| 『変革の時代』 | 監督:レスター・ジェームス・ピーリス | 1982年 | スリランカ |
| 『蓮の道』 | 監督:ティッサ・アベーセーカラ | 1987年 | スリランカ |
アジアフォーカス福岡映画祭2002 (Sep.13 - Sep.23,2002)
イラン映画が良かった。特に『私は15歳』。15歳で婚約し妊娠してしまう主人公タラネを演じた実際の名前もタラネという少女の無垢な可憐さに、見るものは一瞬で魅了されてしまう。「一時的結婚」さえ認められるイスラムの男性社会で少女の立場は圧倒的に弱い。身ごもった挙げ句に男に捨てられるタラネはしかし、社会から排除されることを恐れることなく、ひとり子供を産み育てる決意をする。その強さが清々しい。監督のやや教訓的な意図をこえて少女の魅力が映画を輝かせている。『ベマニ』もまた弱い立場に置かれたイスラム社会での女性を取り上げる。ここではさらに悲惨で、追いつめられた女達の行き着く先は死しかない。暗い気持ちにさせられた。 アジアパノラマ作品リスト |
| 『旅の途中で』 | 監督:中山節夫 | 2002年 | イラン・日本 |
| 『ベマニ』 | 監督:ダイユシ・メヘルジュイ | 2002年 | イラン |
| 『私は15歳』 | 監督:ラスール・サドレアメリ | 2002年 | イラン |
| 『ふたりのミナ』 | 監督:モハマド・ホセイン・ラティフィ | 2002年 | イラン |
| 『演説者』 | 監督:ユスフ・ラジコフ | 1999年 | ウズベキスタン |
| 『根のない樹』 | 監督:タンビール・モカンメル | 2001年 | バングラデシュ |
| 『光、新たに』 | 監督:マリルー・ディアス=アバヤ | 2001年 | フィリピン |
| 『旅立ちの汽笛』 | 監督:アクタン・アブディカリコフ | 2001年 | キルギス・仏・日 |
| 『心の調べ』 | 監督:シャージ・カルン | 2002年 | インド |
| 『島』 | 監督:ギリーシャ・カーサラヴァッリ | 2002年 | インド |
| 『虹に乗って』 | 監督:ジャヌ・ボルア | 2002年 | インド |
| 『ビューティフルフラワー』 | 監督:ナビン・スッパ | 2002年 | ネパール |
| 『チキンライス・ウォー』 | 監督:チーク | 2000年 | シンガポール |
| 『ムーンハンター』 | 監督:バンディット・リッタコン | 2001年 | タイ |
| 『グァバの季節』 | 監督:ダン・ニャットミン | 2000年 | ベトナム |
| 『男人四十』 | 監督:アン・ホイ(許鞍華) | 2001年 | 香港 |
| 『きらめきの季節/美麗時光』 | 監督:チャン・ツォーチ | 2001年 | 台湾・日本 |
| 『酔画仙』 | 監督:イム・グォンテク | 2002年 | 韓国 |
| 『おばあちゃんの家』 | 監督:イ・ジョンヒャン | 2002年 | 韓国 |
| 『ラスト・プレゼント』 | 監督:オ・ギファン | 2001年 | 韓国 |
| 『美しい夏キリシマ』 | 監督:黒木和雄 | 2002年 | 日本 |
| *青字はこれまでに見たもの |
第16回 福岡アジア映画祭 (July 5 - 14, 2002)
小規模な映画祭ながら、今年はアジアフォーカス以上の話題作揃い。去年の釜山でもいろんな場所で広告を目にし、しかも主演はイ・ソンジェにソル・ギョング...とくれば期待せずにはいられない『公共の敵』。「アタック・ザ・ガスステーション」や「新羅の月夜」ですっかりファンになってしまったイ・ソンジェの新作でもある!が、しかし..。 コメディでもなければサスペンスでもない中途半端な展開で、大いに期待外れ。しかもかなり気持ち悪いシーンも多くて辛い2時間だった。『バッド・ガイ』は去年の釜山で一度見ているので、最初見たとき程の衝撃はなかった。それにしても、どれもすこぶる変った映画が多いキム・ギドクだが、そのもの悲しさと不思議な雰囲気は決して忘れられない。「魚と寝る女」にしろ「受取人不明」にしろ、いろんなシーンがいつまでも心に焼き付いてしまうのだ。 |
| 公共の敵 (*) | 監督:カン・ウソク | 2002年 | 韓国 |
| バッド・ガイ | 監督:キム・ギドク | 2001年 | 韓国 |
| 初恋メリーゴーラウンド | 監督:トーマス・チョウ | 2001年 | 香港 |
| 天使の眼 | 監督:リー・シン | 2001年 | 中国 |
| チキンライス・ウォー | 監督:チーク | 2001年 | シンガポール |
| アナムのスカーフ | 監督:ブケット・アラクシュ | 2001年 | ドイツ |