Open your eyes
内田上爾
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「文学」
調和的なものより変則的なものを好む様式。
繰り返す特殊な文学、芸術作品。
魅惑し衝撃を与える術を。
刺激し内面の平衡を攪乱する術を。
しかしこの傾向は人を退屈させることもありうる。
芸術の働きは衝撃と退屈の間にあるのだ。
人工的、作為的、虚飾的、
極端に誇張した表現形式、
固有の自我、社会、因襲的思考、
不調和なるものの反伝統主義的伝承。
そう、不調和なるものの崇拝。
僕は、問題的な人間だ。
自己を超え、規範を懐疑し、
神学的且つ反古典的なのは、
心理的構造の美学的現象の表明だ。
僕の精神史は洞窟である。
ゆえにヴァイタリティと知性が結びつく。
けれども均衡を取る力や能力が欠如する。
僕には脳髄や心や血が多過ぎるか、
それとも少な過ぎるのだ。
かくてここから典型的な不調和の数々が生じてきた。
僕をいかに評価するかは、各人の好むがままに任せるがよいだろう。
だが、問題的な人間もまた、
ある独特の神話的秩序を具有している。
神話的源泉という運命の力に打ち倒された、
僕も呪われた詩人である。
文学の迷宮を。
情動と計算の混合を。
精神史的な魔術を。
思考内容の変則的形式の異端性が極度の緊張の中湧き起こり、
激烈な情動が文学の造型へと進化する。
地下的な血管組織、神経組織、
所謂深層心理学の中において、
深層美学の基礎を構想する。
この現象の極端な人工性は、気質に応じ、
教養の程度に応じ、また道徳的受容力の幅に応じて、
いつかは人々を魅きつけ且つ驚愕せしめることだろう。
細心な、愛情のこもった寛容精神によってはじめて、
この現象に正当な評価を受けることが出来る。
悪魔的、精力的な表現衝動、
辛苦をいとわぬ、しばしば骨身を削るような知性的探求、
神経性の興奮、計算と幻覚、
ほとんど祈らんばかりの神力、
自我解体的に夢に応ずる傾向、
牧歌的貞潔と獣的性愛、
グロテスクな迷信と敬虔な信心。
単なる遊戯や娯楽を超えた、精神的意味を獲得する。
異端の世界像を。
数々の人間的緊張力が、数々の抒情詩を作る。
これは崇高で偉大なる美術や音楽と完全に符合する。
たえずある啓示的力と偶然の弱さとの間の危険な刃渡りに身を委ね、
第一級の反古典的芸術作品の高度の特殊な美と表現力を。
異常に心を唸る超越的様相の数々の扉を開き、
かくて神性の特殊な、いわば神性の夜の側をもさし示す。
僕は課題を未だ解決していない。
それは単に伝統的な手段のみに頼って解決することは不可能である。
変則的なものの総体との出会いは、この点に関して、
新しい道を指示する術を知っている。
おのれの自由をそれなりの流儀で追求する人間に対する偏見を君は捨てろ。
この自由が何物によっても還元不能の真理の拘束に従っており、
且つ隣人愛に奉仕している限りは。
「無題」
この東京の空から、天国は繋がってるのかな
どこまでも独り
最後は、飛ぶしかないんだと思う。
神様 僕は、自殺を考えてます
不気味にそびえ立つ水道塔
この胸の苦しみがわかるか
この手の寂しさがわかるか
女に振られたってだけだ
でもこれだけでこうなるんだから、
僕はこれだけのものだったって事だ。
なんにも見えない
道が塞がれた
胸の中は真っ暗だ
毎日吐き気がするんだ
手も震える
苦しくて苦しくて
昔を思い出し、涙も出ない
裏切りを、呪いたくない
あの子を、呪いたくない
恋愛を、呪いたくない
僕は何も、怨みたくない
穢れたくない
だから、死ぬしかない
ママがいるからずっと死ねなかったけど
こうするより他はない。
最後は、この東京の空に
全ての世界に、
別れの挨拶をしよう
神様 僕は小さかったよ
情けなかったよ 惨めだったよ
僕はこれだけのものだった
何も期待に応えられなかった
弱さよ、飛んで消えてくれ
苦しみよ、飛んで消えてくれ
悲しみよ、飛んで消えてくれ
孤独よ、飛んで消えてくれ
人生よ、飛んで消えてくれ
愛よ、飛んで消えてくれ
心が死んで、灰になる
これで終わり
「kiss」
彼の心臓は
彼の鼓動は
自由にしたいのに
ああ猿はいいな
彼女の後ろには
何を引きずってる?
星の光よ
教えてくれよ
ああ父よ
あなたの恋はどんなんだったい?
変革を、するしかないこの身
彼の心臓は
彼の手は
彼女は何も知らず
たとえ純真無垢でも
俺は自分の道を進まなきゃいけない
明日、この道しかない
星の光よ
間違ってないと言ってくれ
「Swallowtail」
彼女の瞳
彼女の笑顔
そう、誰だって、
落とされてしまうさ
子供のように無邪気で、
でも儚いほど大人っぽいね
ガレの美しい硝子を入れた瞳
どんな時にきみは涙を流す
彼女の匂い
彼女の色
そう、誰だって、
落とされてしまうさ
たった一つの世界
綺麗な蝶がひらひら舞って、
たわむれているような
いつだってきみを想うから
「女のこと」
女のこと 俺はこの暑い夜に
女のことばかり想ってる
ああ強くありたいもんだぜ
俺はすっかり弱くなっちまった
女のこと 全く最高の唇だったさ
彼女が胸に入ってくる
ああ花よ 天使よ
俺はイカれて当然の男だぜ
「my darling」
竜巻は、人々を呑み込んだ
豪雨は、人々を呑み込んだ
東京はのどかな一日
夜空に輝く飛行機
my darling
あれは星
夏に何を思うか それぞれの人が
帰ればいいし、遊ぶもいい
おれはきみを思うだけ
「いい感じ」
人々は楽しそうだな
電話ボックスの無くなった街
魂見せない
いいね いいね いい感じだ
やり続ける道
幸せの虫よ 俺の頭に
ああもっと入ってこい
ママ 何も作れない
感じてるんだ なんで寂しくないのか
少女 俺の女
もっとイカれ出しちゃった
いいね いいね いい感じだ
俺の心
ああ もっと落ちてくれ
ママ 俺の服着てる
いちゃ駄目なんだろ
全く気持ちいい頭してるぜ
少女 俺の女
星が見えにくい町の
いいね いいね いい感じだ
「寂しい時間」
強くない日々
どっから来たの お国知れない
涙は風と共に消えた
そう、残ったのは、
寂しい時間
彼女は犬に微笑んだ
夕暮れ時に
俺も疲れた仕事帰りの、
寂しい時間
長い間嘘の中生きてきた
呼び起こしてくれ 熱いものに
俺にある現実は、
寂しい時間
「無題」
薬屋にはないよ
なおす薬
苦労を重ねた夜の顔
夕陽を見た時自殺はやめようと誓ったとさ
戻ろう 戻ろう 戻ろう
今 今・・・
僕も飛べるかな?
あなたには飛べない
薬屋にはなかったよ
愛を知らないあなたが、
愛に飢えたあなたが、
踊れるわけはない
この奇妙な夜に飛びたいよ
僕の頭は自殺のことばかり
こわいよ こわいよ こわいよ
今 今・・・
嘘はこりごり 悲しいってこと
独りってこと
駄目だ その通り
妖精も笑う
行かなくちゃ
飛び立たなきゃ
もう夕陽は見れない
「世界」
苦しみを知っているような女が現れて
花をくれたなら
涙は幸せに変わる
世界を作ってかなきゃならない
美しい薔薇に惹かれるように
川の前で思っていた
魂を持っていってもらえるなら
きみの頭がわからないように
僕の存在がわからないように
この優しい風の意味もわからない
これは幻なのか
鐘の音は 彼女の笑い声は・・・
神様がいるなら 彼の涙は垂れて
ピアノ弾くきみにあたり
音色は美しさを増すだろう
悲しい音楽 悲しい文学よ
僕に教えて
きっと真実はある
世界を作ってかなきゃならない
輝く星に魅せられたように