Open your eyes
内田上爾
50
「時の流れは悲しいね」
時の流れは悲しいね。
あの子はもう二度と戻って来ない。
時の流れは悲しいね。
あんだけ良かった筈なのに。
時の流れは悲しいね。
独りになってから大分経った気もする。
もう二度と戻って来ない。
時の流れは悲しいね。
全くだよ。
僕はあの子から離れ自由になった。
こっぴどく気付くんだ。
僕がどれだけ愛していたかを。
時の流れは悲しいね。
僕の恋人は二度と戻らない。
「神様しか見えないね」
薔薇のようだ。
君は、薔薇のように美しい。
なんて良い時なんだ。
でも、愛がないからいずれ終わる。
真実は、世界の終わりさ。
俺はやはり独りぼっちだよ。
神様しか見えないね。
一緒にいれるなんて素敵だね。
なんて楽しい時だ。
でも、愛がないから終わる。
心は、どこまでも独りの世界。
俺には誰も仲間がいない。
神様しか見えないね。
「愛が溢れ出す」
真夜中、泣いたり開いたり。
ああ愛が溢れ出す。
惜しみなくお前には金使うぜ。
散々泣かせてやるんだ。
ああ今、愛が溢れ出す。
卑猥な街だぜ。全てが道具。
だからこうなる。
お前への愛が溢れ出す。
全てはゲーム脳って訳だ。
ベッドの上でも燃えてやろうか。
ああ今、愛が溢れ出す。
「雲煙」
自分が今、こんな所で叫んでも、
世界中にそれが伝わる事なんてありえない。
外は雲煙。見上げれば綺麗ではない灰色が広がる。
大粒の雨でも降りかかってきそうな異様なこの空の下、
ただ、走りたかった。
空気を、風を、感じたかった。
足に伝わる硬い大地の感触は、自分を拒絶している様にも思える。
あの人の目を、奪った。
腕も、切り落とした。
でも、本当はそんなもの、
欲しくない。
欲しくない。
息が切れるほど走っても、
癒される事のない己の全て。
愛して欲しい。
愛して欲しい。
ただ、愛して欲しかった。
信じて欲しい。
必要だ、とその胸で感じて欲しい。
この自分を、認めて欲しかった。
闇雲に走り続ければ、いつかは美しい青色に、
届く事は出来たのだろうか。
己の正義と罪だけが、この手に染み残っている。
「リスタート」
何も見ようとしない。
何も聞こうとしない。
何も考えようとしない。
全ての苦しみと、恐怖から逃げてる。
僕等は弱いのだ。
苦痛に満ちたこの現代を僕等は恐れているが、
いつまでも逃げ続ける事なんて出来ない。
このままではいけない。
目を開けて。全てのものに耳を傾けて。
強くなんてならなくていい。
勇気を持つ事が大切。
全てを理解出来なくてもいい。
理解しようとする気持ち。
誰かと同じ速度で走ろうとしなくていい。
自分に合ったスピードで。
誰かの考えや感性に合わせる必要なんてない。
嬉しいと感じること。
悲しいと感じること。
自分の感性を信じて。
いつも誰かがそばにいる。
君を見てる。
苦しくなったら手を繋ぐ。
さあここから歩き出そうよ。
「狭間」
例えば、お気に入りのおもちゃを手放したくないとしっかり掴むように、
大切な人をしっかりと抱きしめる。
自分の居場所を確認するように。
太陽が沈みかけた赤い空が、
月に支配されたちりばめる濃紺に移り変わるように、
二人の時は過ぎ去り、心に刻み込む。
互いを忘れないように。
まるで、夢と現実の狭間だ。
触れたら消えてしまいそうな、
不確かで不安定な幻か。
ゆらゆらと風になびく小さな妖精のように、
いつか君も消えゆくのだろうか・・・
「雨音が鳴り響く」
雨音が鳴り響く、
見慣れた街には傘が踊り、
その中で、君は涙を流した。
人とは、どんなに弱くてもろい生き物か。
人とは、どんなにちっぽけな生き物か。
ただ世に吹く風に身を任し、
流れのままに生きる。
それが人なのか。
そんな人が酷く嫌でしょうがない。
そんな自分が酷く嫌でしょうがない。
僕は世の中を呪った。
それを全て雨が洗い流してくれたらどんなに素敵だろう。
籠の中にいる鳥は、大空を自由に飛び廻る鳥達を見て思うだろう。
同じ大きな羽を持つ仲間なのに、どうして私にはそれが与えられないのか。
同じ大きな羽を持つ仲間なのに、どうしてそれを実現出来ないのか。
こんな筈じゃなかったのに・・・
たとえ大きな翼を持っていても、
たとえ大きな夢があったとしても、
それが全て叶うなんてことはない。
目の前の大きな壁が邪魔をして、向こうの世界を見えなくする。
暗闇の中一つの輝く光を求めるけど、
最後には力尽きてしまう。
そんな結末、信じない。
雨が上がれば、青空が広がり大きな虹が架かるように、
未来はきっと開かれる。
それを夢に見ながら、僕等は明日に立ち向かうのだ。
降り続く雨の中、立ちはだかる大きな壁と向かい合い、
光り輝く虹を、空を、
夢を、未来を、
心に感じながら・・・
「太陽浴びて」
熱い陽射しに語らいを。
船に乗って、君と。
そう、太陽浴びて。
このまま落ちよう。
俺だけのものだよ。
晴れやかに、ああ君となら。
この広い海のような愛。
本音が出せる君と、
どこまでも歩んで行けそうだ。
ああ、太陽浴びて。
船は進むよ。
このまま落ちよう。
「おめでとう」
君はたった一輪の花だった。
僕のものだと思ってた。
おめでとう。僕の心は傷ついた。
君が誰かと結ばれるなんて、
全く思いもしなかった。
おめでとう。幸せになるかい?
思い出す、君と抱き合った日々。
君が僕を見つめた瞳。
おめでとう。死にたくなる苦しみだ。
「死」
長い苦しみだ。
とても簡単な事じゃない。
君は僕を思うかい?
この僕を。
早くしないと、
早くしないと死んじゃうよ。
君の強い愛が欲しい。
そんな君を見たい。
ああ僕を救ってくれ!
早くしないと、
早くしないと本当に死んでしまう。