株式インデックスの系列相関

2004年7月18日 Mozart


株式収益率は各種理論的分析では独立同分布に従うという仮定がおかれることが

多いが、我々投資家は経験的に株式収益率の動きには何らかの癖があることを知っている。

そこで日米の代表的な株式インデックスである日経平均とナスダック総合指数の月次対数

収益率の系列相関の有無を調べてみた。なお使用データは97/6〜04/6までの月末終値データであり、

またここで言う系列相関ρkとは、以下の式

 

ρk=Cov(Rt、Rt-k)/(V(Rt)・V(Rt-k))^0.5

 

で計算されるものである。なおRtとはt月における対数収益率kはラグを表す。

まず観測期間全体における両者の系列相関を見てみる。

 

<日経平均>

ラグ 自己相関
-1 0.016
-2 0.112
-3 -0.013
-4 0.041
-5 0.066
-6 0.025
-7 -0.065
-8 0.047
-9 0.022
-10 0.029
-11 -0.072
-12 0.030

 

<ナスダック>

ラグ 自己相関
-1 0.056
-2 -0.015
-3 0.033
-4 -0.008
-5 -0.013
-6 0.200
-7 0.103
-8 -0.062
-9 -0.010
-10 0.159
-11 0.057
-12 -0.080

 

基本的に両者とも1〜12ヶ月までの各ラグについて系列相関は大きくない。日経平均でラグk=2、ナスダックで

同k=6の所で正の方向に最も大きな相関係数を取るが、具体的な意味は見出しずらい。

次に観測期間内のデータをもう少し細かく見ていく。今以下の二つの月次収益率ベクトルY1、Y2

 

Y1=(Rt、Rt-1、・・・、Rt-11

Y2=(Rt-1、Rt-2、・・・、Rt-12

 

についての相関係数を計算する。これを12ヶ月の移動系列相関と称することにする。

この月次収益率の12ヶ月移動系列相関と日経平均の価格をグラフ化すると以下のようになる。

 

 

全期間でみると0に近かったk=1の系列相関であるが、期間中には明確に高い時期と低い時期が

存在することが分かる。具体的に意味づけとしては

 

移動系列相関が正⇔前月上昇(下落)したなら今月も上昇(下落)⇔一方向に動き勝ちな相場

移動系列相関が負⇔前月上昇(下落)したなら今月は下落(上昇)⇔もみ合いの相場

 

と考えることができる。最近だと日経平均が一万円を割り込み悲観一辺倒となった2002年中に

強い正の系列相関が出現している。直近では系列相関が0近傍で動いており、気迷い気味の

相場観が見て取れる。

一方ナスダックの同期間における同様のグラフは以下のようである。

 

日経平均ほど移動系列相関の正負の時期が明確でない。よりランダムな挙動に近いように見える。