(067)そして再び月の周期に戻る

 1891年、セス・チャンドラーというアマチュア天文学者が、地球の自転軸は地理学的な軸の周りを428日の周期で最大21メートルの幅でぐらつきながら回っていることを発見した。また1971年、ホイッテンという測地学者は振幅は同じくらいだが周期が2568日(ほぼ7年2556日に近似…誤差12日)のぐらつきを発見した。この後者は地震多発の7年周期と相関関係があると考えられているが、なぜこのようなぐらつきが生じるのかは解明されていなかった。

 月の自転・公転周期は27.321日であり、月の朔望周期は29.531日だが、この2つの周期が428日ごとにほぼ一致し、さらに2568日ごとにはさらに正確に一致する。モーリス・シャトランはこの2つの周期が3556自転・公転周期、もしくは3290朔望周期である9万7156日ごとにぴったり一致することを発見した。

 ところでこの2つの周期の差は(3556自転・公転周期−3290朔望周期=)266である。そしてこの周期は266太陽年にもぴったり一致する。つまりちょうど266太陽年・9万7156日の間に月の2つの周期がぴったり266回の差をもって同期するのである。266とはアフリカのドゴン族が神聖なる数として扱っていた数でもある。この数値を小数点以下3桁ではなく6桁として、もう少し詳しく比較してみると次のようになる。

   分点月 29.530589×3290=97155.63781
   朔望月 27.321582×3556=97155.54559

 小数点以下にわずかな誤差があるが、これは小数点以下6桁で丸めてあるからであり、充分誤差容認の範囲内である。それにしてもこれはどういうことであろうか。1年365.2422日の間に月の自転・公転周期は13.36826689回あり、朔望周期は12.36826668回ある。

    365.2422/27.321582=13.36826689
    365.2422/29.530589=12.36826668

 つまりこの2つの周期の1年間の回数の差は1.00000021である。つまり誤差わずか0.00000021%でほぼ正確に1回の差があるということだ。したがって月の自転・公転周期と朔望周期が同期する266年では266.0000559回の差が生じるということである。同じ月という天体を2つの周期で見るということは、1年間の回転を12と見るか13と見るかということでもあった。ところで266年間の月の自転・公転周期の回数3556と朔望周期の回数3290とは、以下のようにも表現できる。

    3556=266×13+98=3458+98=3192+98+266
    3290=266×12+98=3192+98=3192+98+0

 この98はどこから出てきたのであろうか。1年を月の12朔望周期と13自転・公転周期で見ると言ったが、この小数点以下の端数0.36826689もしくは0.36826668の266年分の累積が、97.95899274日もしくは97.95893688日(この2者の誤差は0.00005582日…4.82秒ほど)なのである。

 ところで地球から見て太陽の背後で木星と土星の合が起きる周期は355408日(≒973年)だが、この周期は上述の月の自転・公転周期の3556回と朔望周期の3290回が同期する266年・97156日の3.658116843倍である。この間に月は13008.26349回自転・公転し、12035.20441回朔望する。この関係をもう少しゆるく表現すれば、地球から見て太陽の背後で木星と土星の合が起きる周期は355408日(≒973年)、すなわち266年のほぼ3.65倍の間に、月は約13000回自転・公転をし、約12000回朔望するのである。

 
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