
<018>フィボナッチ数列系とφ(1)
20010423rep.
改めて言うまでもないが、「フィボナッチ数列」とは下に示したように初項<1>、第2項<1>で、以下順次前2項の和となる数の数列である。しかしなにもこの初項と第2項が必ずしも1と1である必要はない。そこで前2項の和が第3項目になるという文法はそのままで、別の数を入れてみることにしよう。では順を追って展開を見ていくために、初項は1に固定し、第2項を2,3,4…と順次自然数を入れていくことにしよう。(なおここには通奏低音として、初項と第2項を別枠として扱い、「数は第3番目から始る」というテーマが流れている。)まず初項<1>、第2項<2>としたものが2番目の数列である。
<初項1,第2項1の数列(フィボナッチ数列)>
| 項数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
| F1;1 |
1 |
1 |
2 |
3 |
5 |
8 |
13 |
21 |
34 |
55 |
89 |
144 |
233 |
<初項1,第2項2の数列>
| 項数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
| F1;2 |
1 |
2 |
3 |
5 |
8 |
13 |
21 |
34 |
55 |
89 |
144 |
233 |
377 |
これは見てすぐ分かるように、フィボナッチ数列の初項が抜け落ちただけで、以下順次1つずつずれた同じ数列である。次に初項<1>、第2項<3>にしたものを下に示した数列である。この数列は特別に「リュカ数列」と呼ばれている。その特徴は様々あるのだが(※1)、まず次のことが言える。
「リュカ数の第n項と黄金比φのn乗とは極似した値である。」
今試しに黄金分割比φ(=1.618…)の累乗した値を見ると次のようになる。なお、その下の数列は黄金分割比φの逆数1/φ(=0.618…)の累乗の値である。
<初項1,第2項3の数列(リュカ数列)>
| 項数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
| F1;3 |
1 |
3 |
4 |
7 |
11 |
18 |
29 |
47 |
76 |
123 |
199 |
322 |
521 |
<黄金分割比φの累乗の数列>
| n乗 |
φ1 |
φ2 |
φ3 |
φ4 |
φ5 |
φ6 |
φ7 |
φ8 |
φ9 |
φ10 |
φ11 |
φ12 |
φ13 |
| = |
1.618 |
2.618 |
4.256 |
6.854 |
11.09 |
17.944 |
29.034 |
46.98 |
76.013 |
122.992 |
199.005 |
321.997 |
521.002 |
<黄金分割比の逆数1/φの累乗の数列>
| n乗 |
φ1/2 |
φ1/3 |
φ1/4 |
φ1/5 |
φ1/6 |
φ1/7 |
φ1/8 |
φ1/9 |
φ1/10 |
φ1/11 |
φ1/12 |
φ1/13 |
φ1/14 |
| = |
0.618 |
0.382 |
0.236 |
0.09 |
0.056 |
0.034 |
0.02 |
0.013 |
0.008 |
0.005 |
0.041 |
0.003 |
0002 |
さてここでφそのものは超越数(※2)だから何乗しても整数にはならないが、その逆数1/φを同じだけ累乗した数を足したり引いたりすることによって、整数化することが可能である。すぐ上の数列表を見てもらえば次のことが分かるだろう。
「φn±1/φnとリュカ数の第n項とは等しい。」
つまり黄金比φの累乗数から、黄金比φの逆数1/φを同じだけ累乗した数を引く(もしくは足す)ことによって得られる数列は、リュカ数そのものだということである。なお累乗する数が奇数の時は差から、偶数の時は和からこの数列が得られている。ということはリュカ数列の数値が、黄金分割比φの累乗の数値よりも、その逆数の累乗分だけプラスとマイナスにずれて振動しつつ、限りなく漸近していくということである。
φ1−1/φ1=φ1/2=1
φ2+1/φ2=φ1/3=3
φ3−1/φ3=φ1/4=4
φ4+1/φ4=φ1/5=7
φ5−1/φ5=φ1/6=11
φ6+1/φ6=φ1/7=18
φ7−1/φ7=φ1/8=29
φ8+1/φ8=φ1/9=47
φ9−1/φ9=φ1/10=76 (以下省略)
(この項、その2に続く)
(※1)例えば3項ごとに偶数が現れている。が、これは初項と第2項とが奇数なので、<奇数>+<奇数>→<偶数>となり、また<偶数>+<奇数>→<奇数>、<奇数>+<偶数>→<奇数>であるから、<偶数>+<偶数>→<偶数>のパターンがないためだ。また、任意の項を2倍して1項前の数を足すと、2項先の数値になるなどもあるが、ここでは省略。
(※2)「超越数」とはπや自然対数の底eのように、整数係数のどの代数方程式の根にもならない実数のこと。

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