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| 私とウィルキンソン・ジンジャエール。 |

■私がジンジャーエールの名を知ったのは、小学生の頃に読んだジュブナイルの推理もの「少年探偵ブラウン」の中で、確かバイオリニストが殺される小道具の中に出ていました。読んだ当時は名前を知らないこともあって、お酒のようなもの、という印象を持っていました。当時はまだカナダドライやシュウェップスなどのジンジャーエールは販売されておらず、一般的な飲み物ではなかったのです。
■そして思い返せば?年前、あれは私が中学生だった頃。姫路に住んでいた私は母と神戸に出かけました。お昼を食べようと、北野でふらりと入ったイタリアン・レストランのメニューを見てびっくり。それまでスパゲティというとミートソースかナポリタンぐらい(姫路だと600円くらいだった)しか知らなかったのに、ここでは一番安いスパゲティでも1200円。しかしメニューでもう一つ目を引いたのが「ジンジャーエール500円」。これがあのジンジャーエール!お酒かと思ってたけど、コーラなど他のソフトドリンクと並んで書いてあります。「頼んでいい?」と聞くと、この食事が高くつくと既に観念していた母からOKが出ました。
初めてのジンジャーエール。氷とともにグラスに入って出てきた液体は飴色、ストローで飲んだその刺激的な味に私はショックを受けました。きつい炭酸もさりながら、ジンジャーの味がガンと来ます。それでいて飲んだ後味は残らずさわやか。母と一緒に「美味しいわねえ」と言いながら、一つのグラスを交互に飲みました。ジンジャーエールって美味しい、と私の記憶に刻みつけられたのですが、しかしその後長年このジンジャーエールに出会う事はありませんでした。
ちなみにその時食べたボンゴレ・ビアンコとボンゴレ・ロッソ(一番安かった。料理の名前は覚えてないけど内容を思い出すと多分そう)の美味しさにも感動しました。初めてのちゃんとしたイタリアンとの出会いだった訳ですが、いいレストランだったんですね。
■初めてのジンジャーエールから数年たち、コカコーラからカナダドライ・ジンジャーエールが発売されて、一般に売られるようになった時、「ジンジャーエールだ〜!」と悦び勇んでそれを飲んだ私は首をかしげました。記憶に残っているあの刺激的な味と違い、なんだか間の抜けた感じです。これでは色がちょっと茶色いだけのサイダーと大して変わりがありません。こんなのじゃなかったよなあ、これじゃないのかなあ、とがっかりしました。
■その後、輸入食料品など置いてあるお店でシュウェップスのジンジャーエールを見かけ、「これか!?」と興奮しながら購入、飲んでみましたが、やっぱり違う。あの刺激がない。私のあの記憶は間違っていたんだろうか、初めてだったからあんなにも刺激的に感じたんだろうか。本当はこんなもんだったのか?私の舌はそんな適当なものなのか……?と長年疑問に思っていたのです。
■そして再会。時は流れ、私も大人になってちょっといいお店にも入るようになりました。あるお魚の美味しいお店で、食べるのも一段落ついてお酒ももうそろそろ、とジンジャーエールを頼んだら「辛いけど大丈夫?」と聞きます。辛い?望むところだ、と飲んだら、記憶に残るあの刺激的な味!これだ!
これがウィルキンソンのジンジャーエールだったのです。
■名前が判ったのはいいものの、やはり普通に売ってるところと見かけません。しかし今はネットも発達しています。調べてみると、ミキシング材料として使われることの多い業務用のケが強いものだということ、酒屋で売っているということが判りました。それが判った上で大きめの酒屋に行き聞いてみると、売ってるじゃありませんが、あの長年探し求めて来たジンジャーエールが!幸せの青い鳥は身近にいたんですね。
■そういう訳で、私にはジンジャーエールといえばウィルキンソン、という妙な刷り込みがなされてしまっています。そして今ではウィルキンソン・ジンジャエールはうちに常備されているのでした。
■あなたとウィルキンソン・ジンジャエールとの出会いはどうでしたか?
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