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昔むかしのこと。
ある国にひとりの農夫がいた。
農夫は自分の足で立てるようになる年齢になるころには、
もう畑に出て働いていた。
だから農夫は読み書きをできなかった。
読み書きのできないその農夫のつくる葡萄は、
けれどその国でいちばん素晴らしいものだと、
これは誰もが認めることだった。
名前があるような特別な神を
農夫たちは持っていなかった。
神を持たない農夫たちは、
しかし葡萄やその他の果実、
それから麦を育んでくれる太陽と風と土、
季節ごとに降ってくれる雨、
それらのものを尊敬し、うやまっていた。
だから農夫たちは太陽を拝み、肥沃な土地に感謝し、
日照りが続いてなかなか雨が降らないときには、
雨を乞うためにみんなで祈った。
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