天狗岳 2646m   ―紅葉と温泉と展望を一度に味わう贅沢な山旅―  

   秋になり、紅葉のたよりが聞かれるようになりました。しかし、この時期、山は大変混雑しそうです。そこで金曜に休みを取り、紅葉と温泉と展望を一度に、しかも静かに味わえる山旅を計画してみました。
1日目  Date:2003/10/3   はれ
稲子湯12:40−しらびそ小屋14:05/14:30−本沢温泉15:20    歩行合計時間:2時間15分

2日目  Date:2003/10/4   くもりときどきはれ
本沢温泉6:40−夏沢峠7:25−根石岳8:00/8:10−東天狗岳8:30/10:00(途中、西天狗往復30分)−高見石小屋12:00−渋の湯13:20     歩行合計時間:5時間30分

写真上は本沢温泉野天風呂から見た硫黄岳爆裂火口壁   写真下は根石岳から見た西天狗岳 tengu1

1日目  朝はやや曇っていたが、高曇りのため、中央線の車窓から鳳凰三山や甲斐駒がきれいに見えていた。やがて雲が取れ、小海線に乗るころには、日差しを受けて輝く八が岳がくっきりと見えるようになった。南には奥秩父の山々が見えている。やがて着いた松原湖駅は本当に何もない駅だった。バス停まで少し歩く。稲子湯行きのバスに乗ったのは、他に6名だけだった。

  稲子湯からは森の中をゆるく登って行く。途中、何度か林道を横切る。カラマツが多い。白駒林道を分けた後、橋を渡る。ダートの林道をまた横切ったり、林道を歩いたりするうちにまた山道になる。昔のトロッコの軌道の跡をたどって歩く。ところどころ線路が残っている。軌道の跡なので、急な登りはない。広葉樹の木々がだいぶ黄色くなっている。やがてしらびそ小屋に到着する。しらびそ小屋の裏がみどり池で、池の向こうに天狗岳が大きく見えている。しらびそ小屋でコーヒーを頼み、しばらく休憩する。窓辺にリスが来ているのが見える。

  しらびそ小屋からは平坦な道を進む。歩き始めて少しのところで中山峠への道を分ける。そこからしばらくは平坦な黄葉の森を進む。やがて道は針葉樹の森をゆるく登り始める。少し登った後は尾根を乗り越し、下っていく。ダートの林道に出て、しばらく行くと、テント場の表示があり、そこから少しで本沢温泉小屋だった。テント泊と野天風呂の申し込みをした後、早速風呂に行く。小屋からまた少し登り、夏沢峠への道を分けてから、川に向かって降りて行く。風呂にはだれもいず、貸しきりの状態だった。お湯の温度はちょうどよく、見上げると、硫黄岳の爆裂火口壁が大きい。山肌の紅葉がきれいだった。

tengu2 2日目  少し寝過ごし、薄明るくなってから目を覚ます。支度を終えて夏沢峠を目指して出発する。野天風呂への分岐を過ぎて、少し登ると、左手はるか下のほうに川と野天風呂が見下ろせた。このあたりは紅葉した木が多く、とてもきれいだった。やがて針葉樹の森に入り、つづら折れを繰り返して登って行く。尾根に上がってから、またしばらく登ると夏沢峠に飛び出す。南側に硫黄岳が大きい。これから向かう北側は箕冠山がなだらかに広がっている。

  また森の道をゆるやかに登って行く。やがて道は平坦になり、少し歩くと、オーレン小屋の分岐に着く。そこを右に進むと視界が開ける。広い砂礫地は風が強くとても寒い。曇っているが、高曇りなので展望が良い。目の前に根石岳が見える。その左手には西天狗岳が大きい。遠くの景色も見える。砂礫の道を登って行くとすぐに根石岳に着く。あまりに寒いので雨具の上着を着る。雲がかなりとれてきて、青空が広がる。一旦下ると、白砂新道の分岐になり、そこから砂礫の道を登ると岩稜のルートとなる。日が差してくる。ひといきで東天狗の頂上に着く。

  東天狗岳からは360°の展望が得られる。南・中央アルプスが広がり、西天狗の右手には北アルプスが見えている。槍と穂高の頂上部には雲がかかっているが、大キレットははっきりと見えている。北アルプスの北側の山は少し白くなっている。目の前にはすぐ、北八つの山並みが広がり、その一番向こうに蓼科がきれいに見えている。北八つの右手は朝日を受ける佐久平があり、浅間が高い。上信国境の山々も良く見える。佐久の山の右手には奥秩父連山があり、そしてその右手にはなにより、南八つの山々が大きくそびえている。やはり赤岳がひときわ高い。

  しばらく展望を楽しんだ後、西天狗を往復する。こちらも同じように展望が良い。東天狗とあまり変わらないが、こちらからは横岳が少し見えるのと、東天狗からは西天狗の影になっていた御嶽が見えた。東天狗に戻って食事にする。だんだん人が多くなってくる。食後、中山峠に向かって下る。たくさんの人が登ってくる。中山峠までの下りは結構急だった。中山峠から一旦黒百合ヒュッテに寄り、トイレを借りる。その後、また中山峠にもどって、中山への登りに入る。少し登るとすぐ頂上になり、そこから少しで中山展望台に着く。西側の展望が開けている。そこから高見石への下りはかなり長かった。

  やっと出た高見石小屋には人がいっぱいいた。そこから西へとルートを取る。少しで渋の湯の分岐があり、そちらへ折れる。しばらくは平坦な道が続くが、ゆるやかに下るうち、大きな岩がたくさん積み重なった、賽の河原と呼ばれる場所につく。岩の上はとても歩きやすい。広い谷の底を快調に下っていく。紅葉した木々が混じる山肌がとてもきれいだった。やがて谷がせばまり、森の道になる。沢沿いに下っていき、なんどか橋を渡って歩くと、ほどなく渋の湯に着く。
   天候にもめぐまれ、すばらしい展望を楽しむことができました。紅葉も少し枯れが入った木が多かったのですが、なかなか美しく、見ごろを迎えているようです。この後、山の中腹あたりがきれいになることでしょう。また、温泉が楽しめるのも、このルートの魅力です。本沢温泉の野天風呂はとても気持ちよく、また入りに行きたくなりました。

 Topページへ   アルプス・八ヶ岳の山々へ   2003年の山行記録へ