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甲武信岳 2475m
―雪に苦しみスーパーデインジャラスコースを行く―
ゴールデンウィークになりました。昨年歩いた続きを歩いてみたくなりました。雁坂峠から昨年は広瀬に降りたので、今年は秩父から登ってみることにしました。ただ、雪が多そうなので、行けそうなところまで歩くことにしました。 1日目 Date:2003/4/26 くもり晴 川又発10:30−水の本11:35/11:50−突出峠13:30/13:45−雁坂小屋17:45 歩行合計時間:6時間45分 2日目 Date:2003/4/27 雨のちはれ 雁坂小屋8:25−雁坂峠8:55/9:05−雁坂嶺10:00/10:10−東破風山11:25/11:40−破風山避難小屋13:00/13:50−甲武信小屋16:00 歩行合計時間:6時間10分 3日目 Date:2003/5/4 はれ 甲武信小屋6:00−甲武信岳6:20/6:40−甲武信小屋6:55/7:00−戸渡尾根分岐7:25−1869mピーク8:50/9:05−ヌク沢の橋9:45/10:00−西沢渓谷バス停10:50 歩行合計時間:3時間55分 写真は上から「川又近辺の渓谷」 「木賊山から見た甲武信岳」 「甲武信山頂から国師岳・金峰山を望む」
1日目 三峰口から乗ったバスの乗客は大輪でみんな降りてしまう。秩父湖から川又へ行くマイクロバスにも他に乗客はいない。川又のバス停には立派なトイレがある。家は1軒あるだけだった。国道を雁坂トンネルへ向けて15分ほど歩くと登山口がある。危険なため4月上旬までは入山禁止とある。登り始めるといきなり急坂になる。気温が高く、暑くてかなり参る。ひとしきり植林帯を登ると水の本の水場に着く。一休みをして、また植林帯を登る。途中、白泰山が良く見える箇所がある。そのあたりからミズナラの林になる。更に登って行くと突出峠に着く。ここからはゆるやかになる、と書いてある。 突出峠から緩やかになった道を行く。避難小屋を過ぎて、少しずつ高度を上げていく。1800メートル地点あたりから雪が少しずつ出てくる。ピークの北側を巻くころから雪ばかりになる。踏み後はまったくない。雪がやわらく、ひざ上まで潜る。うっかりすると腰まで埋まって身動きできなくなる。 ひとつめの沢を渡る箇所でルートがわからなくなる。カモシカの足跡をたどって登って行くとだるま坂の標識がある。そこから雪に覆われたルートを探しながら歩くことになる。地図を見ると、ほとんど水平に山腹をトラバースしていくようになっている。見晴しが開けて雁坂小屋が見える箇所があったが、そこからいくつもの雪に覆われた急な沢をトラバースしなければならない。非常に危険な箇所が何カ所もあった。雪のためルート通りにたどることができない箇所は、高巻いたが、それもまた非常に危険だった。尾根を越えるところでは小屋が見え、すぐに着けるように思えるが、そこから何度も危険な沢をトラバースしなければならなかった。時間ばかりが経過して、ちっとも小屋は近くならない。 やわらかな雪に埋もれながらへとへとになったものの、夕方が近くなった頃、やっと小屋にたどり着く。小屋の戸を開けて声をかけるが誰もいない。営業していないようだった。天場へ行って見るとテントが二張りあった。いずれも単独者で、雁坂峠から降りてきたという。
広瀬から雁坂峠までは雪はなかったので、峠を越えると雪だらけで驚いたと言う。その日はよく晴れていたが、夜半から雨になる。かなり降るが、途中、止んだりまた強くなったりする。
2日目 夜が明けても雨は続いている。このまま停滞しようかとも思うが、8時ごろに小止みになったので、撤収して甲武信岳へ向かうことにする。他の宿泊者は先に発っていた。雁坂小屋を発って峠へ向かうと、将監方面に行くと言っていた人が登っているのに追いつく。将監方面へのルートに踏み後がなかったため、一旦峠に上がることにしたと言う。 峠に上がると確かに雪がない。将監方面へ向かう人とわかれ、雁坂嶺に向けて稜線をたどる。しかし少し登ると雪が出てくる。やわらかい雪をたどるが、踏み後はまったくない。誰も歩いていないようだ。雁坂嶺に着くが、展望はまったくない。雨が止んでくる。雁坂嶺を下ったところで、対向者ふたりと続いてひとりとすれ違う。雪が多くて苦労したと言う。雲が動き、空の一部が青くなってくる。東破風山まで苦しい登りが続く。東破風山からは少しばかり展望がある。国師が姿を現す。西破風山の向こうに木賊山が大きい。西破風山まではたいした登りはない。西破風山から一気に200メートル以上下る。木賊山の登り坂を見るとうんざりする。青空が広がってくる。下りつかれた頃、破風山避難小屋に到着する。もちろん誰もいない。ここで食事にする。とにかく静かだ。 食後、最後の登りにかかる。雪はところどころなくなり、ほっとするが、すぐにやわらかく潜りやすい湿った雪になる。硬い箇所もあるが、うっかりすると股下まで潜ってしまう。それでも対向者がつけてくれた踏み後を踏んで歩くことができる。降りかえると破風山が大きい。途中、開けた露岩で休む。すっかり晴れになる。気持ちがいい。そこからまたひとがんばりすると、肩に上がって傾斜がゆるくなる。 そこから少し歩くと、また登りになる。気がつくと人の声が聞こえる。見上げると、人が歩いていくのが見える。戸渡尾根の分岐に到着したことがわかる。そこまで登るともう急な登りはない。ゆるやかな道を歩くと、やがて下りにかかる。少し下るとザレ場になる。目の前に甲武信岳が大きい。ザレ場を下り、そこから森の中の道をたどると甲武信小屋が見えてくる。甲武信小屋は雪の中だった。テント場も深い雪に覆われている。スコップで雪を掘って平にならしてテントを張る。
3日目 翌日はよく晴れている。早めに起きて準備をする。テントを片付け、パッキンをし終わってから空荷で山頂へ向かう。道が凍っているのでアイゼンをつけて歩く。アイゼンがよく効く。間違えて十文字方面への道に入ってしまう。しばらく雪の中を歩いた後、北側から山頂へ向かう登りにかかる。最後の雪が柔らかくて苦労するが山頂へ飛び出す。雪がない山頂にはふたりの人がいるだけだった。彼らが下った後はひとりきりになる。八ガ岳が美しい。国師・金峰の向こうに南アルプスが見える。甲斐駒と白峰三山が見える。富士もくっきりとはしていないが、きれいに見える。振り返ると、両神が影絵のように浮かんでいる。風もなくて気持ちがよい。しばらく展望を楽しんだ後、小屋への道を下る。こちらは南面なので雪はない。こちらからは東方面が見える。越えてきた峰々を眺めることができる。 小屋から木賊山へむけて最後の登りをたどる。ザレ場から振り返ると甲武信岳が美しい。森に入ると見晴はない。戸渡尾根分岐からは凍った急坂を下っていく。アイゼンがよく効くが、アイゼンなしで下っている人もいる。しばらく下るがなかなか雪がなくならない。見晴がよい箇所で雪がなくなったので、アイゼンを外すが、そこからまた雪が出てくる。非常に滑りやすい。このあたりで登ってくる人と続けて出会う。みんなアイゼンをしていない。森の中をひたすら下るとやがて石楠花が多くなり、そのあたりから雪がなくなる。しばらく下るとカモシカの死骸がある。1869mピークについたところでオーバーズボンとスパッツを外す。近丸新道へ入る。どんどん高度を下げて行く。このあたりから山はすっかり春の装いに変わる。ひとしきり下ると、沢音が近づき、ヌク沢の左岸へ渡る橋に出る。水が冷たく、顔を洗うと気持ちいい。ここから渓谷ぞいに歩く。ところどころせまいザレ場を越える。途中、子熊に出会う。すぐに斜面を走って逃げて行く。そしてこちらをじっと伺っている。しばらく歩くと林道に飛び出す。そこから西沢渓谷バス停まではひと歩きだった。しかし、バスの時間まで3時間あった。 川又から雁坂小屋までは、雪に苦しめられ、かなり危険な山旅になってしまいました。また、雁坂峠からも雪に足を取られ、かなりつかれて時間もかかってしまいました。しかし、その果てにたどり着いた甲武信岳では最高の展望に出会うことができました。苦労をしてたどり着いた甲斐があったというものです。いつかこの続きを金峰山までたどりたいと思います。 Topページへ 奥多摩・奥秩父の山々へ 2003年の山行記録へ |