農薬の基礎知識
近年、食べ物についての安全性が重要視されています。様々なところからいろいろな情報が発信されています。特に農作物、食品の安全性については耳にすることも多いかと思います。ここでは農作物の安全という面から見た農薬についてお伝えいたします。農薬には悪い点もあればよい点もあります。農薬と聞くとすべてが悪いというイメージがありますが実際はそうでもないですし、そのように思われる方もたくさんいらっしゃると思います。松浦園芸でも農薬は使用しております。農薬のイメージだけではなく実際もお伝えしたいです。基礎知識ですがどちらかというと農薬を使用している私の主観的な意見をお届けしています。今後もいろいろと考えたことや情報を提供していけたらと思います。皆さまのご感想などもお寄せいただければ幸いです。また農薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりよりご覧ください →http://www.nouyaku.net/
農薬のスタート
江戸時代に鯨の油を使用したことが農薬の起源といえます。油により田んぼの害虫を窒息させたそうです。近年、反捕鯨がしきりに騒がれますが鯨は当時の人々にとってこのような役割も持っていました。
農薬の転機
戦後、化学合成農薬が多数開発されました。特にDDTという殺虫剤はとても効果が高く使用が進みました。しかし、この農薬が元で死亡する農家がでてきました。そのためその後の農薬は試験により医薬品と同等の安全性を求められるようになりました。
新しい農薬ができるには
新農薬を開発、販売するまでには長い年月ととんでもない開発費がかかるそうです。安全性を重視し何度もの試験を課されます。また開発には数十億の費用がかかり、さらに登録を受けるまでには十数年かかる場合もあるそうです。そのためコストを回収することが大変だそうです。また、それを逆手に取りアメリカでは農薬会社が遺伝子組み換えによる新品種の農産物(例えばその会社の除草剤を散布しても枯れない大豆)を開発しそれに対応する農薬をセットで売る場合もあります。
改正農薬取締法
作物ごとに使用農薬を決めるという趣旨です。この法が施行されたことにより作物への残留農薬試験が盛んに行われるようになりました。分析は専門機関でないとできないため数十万円の費用がかかるそうです。また、農作物だけではなく昆布、塩、ジュース、ビール、ふりかけなどの加工品までにも分析依頼が及んだそうです。 
詳しくはこちらより→http://www.maff.go.jp/nouyaku/kaiseihou.htm
農薬の種類(大きく分類すると)
殺虫剤:害虫を退治します
殺菌剤:病気の元となる病原菌を退治します
除草剤:畑や水田に発生する雑草を退治します
生育調整剤:植物の生育を調整します
生物農薬:生きた生物を農薬として使用すること(昆虫、線虫、菌類など)
微生物農薬:生物農薬の中でも微生物を使用
天敵農薬:生物農薬の中でもその害虫、病原菌の天敵を使用
農薬の使用方法と形状
液剤:液体で水で希釈し使います
水和剤:液体で水で希釈し使います
乳剤:液体で水で希釈し使います
粉剤:粉状でそのまま土壌や作物、害虫に散布します
粒剤:粒上でそのまま土壌や作物、害虫に散布します
粉衣剤:粉状で種子などにまぶして使います
くん煙剤:煙で害虫をいぶします(ハウスなどのみ)
農薬についてYES・NO方式で考えてみます
農薬は必要であるのか?

YES 我が国は高温多湿な気象条件にあります。そのため農作物には病害虫が多く発生します。農作物を栽培するにあたって、病害虫の防除は必要不可欠で、とても重要なポイントといえます。農薬はそのために使用されます。人間が病気に対して医薬品が必要なように、農作物もまたそうなのです。安易な考えのもとでの過剰な使用は問題視されるべきです。しかし、農薬以外の防除法も視野に入れ、よく検討し、最低限農薬を使用することは必要なのです。

NO 農薬が作られ使用されるようになったのはここ50年くらいの話です。ではその昔はといえばそんなものはありません。だったら今でも可能なんだろうということです。実際、今でも出来ます。しかも現代では科学が進み害虫や病気に対して自然由来の物質で防除することも可能である事が分かってきました(木酢液、ニームなど。また害虫が嫌がる植物を植えたりハウスなどでは害虫の侵入を防いだりもできます。

農薬は本当に体に悪いのか?

YES もともとないものでなおかつ化学合成したものが体内に侵入すればよいわけがなく今はなくてもいずれその影響が出てくるのではないだろうか?現代の一般病となったアレルギーなどにも農薬の影響があるのではといわれることもある。

NO 農薬が体に入ってどのような影響が出るのかといったはっきりしたデータはないと思われる。だからこそ18年に施行される農薬残留のポジティブリストでははっきりしないもの基準値(最高値)を0.01ppmに定めたのではないだろうか。またアレルギーが農作物に農薬を使用するようになってから現代病のように言われているような気がするがアレルギーはすべてが体外から物により引き起こされるのではなく体内での遺伝的な要素などが影響することはすでに言われている。
補足:農薬の使用にはきちんとした、とても厳格な基準がつくられています。これを「残留農薬基準」といいます。残留農薬基準は、人が一生の間毎日その農薬を摂取し続けても、健康上なんら影響をもたらさない量をもとに考えられた基準です。

農薬を使わない農作物は高いのか?

YES 農薬を使わない分、機械や人件費(労働力の増加)の高騰や収量の減少があるので高くなるのは当然。しかも農薬使用したものと比べ流通量が少ないので高価になる。常に農薬を使用しないような有機農産物を食べれる人は世界共通で一定の知識と教養を持ち一般的に言われる中流家庭以上の人といわれる。

NO 生きるために一番必要な自分の体を保持していくために食べるものなのでは高いとは感じられない。高いといっても市価の1〜2割高であるのでその他のものを削れば十分。それよりも有機農産物が一般的なものとなる世の中であればそのものが市価として扱われるはず。
補足:有機農産物の定義は特別栽培農産物のページでご覧下さい

農薬を使ってきたことは罪なことか?

YES 生態系に対する影響(人間の体に対することも含む)は大きい。貴重な生物が失われたり必要としない生物が氾濫したりする可能性がある。また土壌に対する悪影響もある。

NO 農作物の増産には必要不可欠である。また国産農産物が安定供給されることで日本の食糧自給を支える大きな助けとなってきた。