《設計者から見た、悪い建築主?悪い施工者?》メモ   99/07/29 増沢幸尋

サブタイトル・『動きの中でとらえる』
建築主、設計者、施工者の良き連係作りは、各々の問題点として捉えるよりは、その関係をどのように形作れるかに係っている。立場上の技術や方法の構築よりも、工程にのっとった時期において、各々が確実な方法を実施できるかにかかっている。ようするに、その動きの中で、目的に対して、予想できる準備と確実な製作、その集合体として建築を捉え直すことが必要でしょう。
このような考えから、『動きの中でとらえる』というサブタイトルを付けてみました。例えば、契約書の問題は、建築主がその書式や約款の事を知らなければ、設計者あるいは施工者が助言をして補う事によって、確実な契約書の作成に至ります。このように補完しあう関係として、問題点を『動きの中でとらえる』事の意味があるのではないでしょうか。
問題点が現われてきた時の原因の追求と結果の処理、対策の検討を含めた『動きの中』で設計と契約、工事監理、現場と問題点を明確にするところに、建築主、設計者、施工者の良き連係作りがなされ、システム作りにつなげられると考えてみました。
【キーワード】
       ◇設計図 ◇契約書 ◇見積り内訳書
       ◇工程表
       ◇現場を見る
       ◇現場監督 ◇工事監理者
       ◇施工図  ◇検査    ◇変更、追加
       ◇アフターケアー(メインテナンス)

【思いあたる事リスト】

○悪い建築主
一般事項
 ・家を建てる常識に欠ける
 ・設計監理者の役目を理解できない、しない
 ・設計図が読めない、理解しようとしない
 ・家族の中の意見がまとまらない
 ・自分の考えが頻繁に変わる
 ・多くの人に意見を求め、考えが定まらない
 ・要望と予算のバランスが悪い
 ・違反建築を強要する
契約
 ・設計監理契約、工事契約の意味がわからない
 ・契約金額を最後に値切る
 ・地盤調査費を節約する
工事
 ・工事に対する理解がない(手順等)
 ・近隣に対する配慮が足りない
 ・工事監理者の役目が理解できない
 ・現場の工程に興味がない
 ・現場の進み具合に興味がない
 ・現場での指示が非常に多い
 ・現場の職人に直接苦情を言う
 ・施工者と変更等を勝手に決めてしまう
 ・追加、変更項目が多い
 ・支給品の責任を施工者にかぶせる
 ・口頭でいつも指示する、記録を残さない
○悪い施工者
一般事項
 ・現場の管理、施工体制が組めない
 ・電話連絡がなかなかつかない現場監督、施工会社
 ・現場監督がいない、少ない、掛け持ちの件数が多い
 ・設計図と異なった工事をしてしまう
 ・工程表を作らない、作れない
 ・工期についての関心が低い
 ・竣工後のアフターケアーができない、遅い
契約
 ・工事契約書の不備
 ・工事契約約款の意味を知らない、伝えない
 ・見積り内訳書がない、作れない
 ・書類関係の整理、保存ができない
現場
 ・設計図のない現場
 ・設計図を理解できない
 ・施工図が描けない
 ・会社が現場を把握していない
 ・主要な現場チェックができない
 ・現場監督の技術不足
 ・設備、電気との連係のとれない現場
 ・安い材料ばかり勧める
 ・仮設の段取りが悪い
 ・資材の整理整頓ができない
 ・運搬物、宅急便を受け取れない現場
 ・現場の清掃に気が回らない
 ・工事の安全に無頓着
 ・工事の手順が組めずに現場が混乱
 ・主要な下請け工事会社が頻繁に変わる
 ・変更工事の見積り対応が遅い
 ・変更、補修工事の工程が不明確
検査・記録
 ・根伐底の確認をしない
 ・垂直、水平の管理不足
 ・監理者の検査日程、補修の工程が組めない
 ・打合せ記録が作れない
 ・工事写真を撮らない
 ・工事報告書が作れない、遅れる