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![]() 無口なサラリーマン ( 19980718 ) このページの読者からおもしろいメールを頂いた。 「東京には空がない。日本のサラリーマンには口がない」、というものだ。その心は、日本のサラリーマンはまともに議論ができないということである。 メールを要約すると次のようになる。 彼は、あるプロジェクトに参加していたが、パートナー企業の選定についてリーダーと違った意見をもっていた。リーダーはA社を推し、彼はB社を推していた。 そこで彼は自分の意見を、他社状況や自社の予算などを論拠に資料としてまとめ、リーダーに提出した。リーダはその場ではうなずいて受け取ってくれたが、ほどなく彼はプロジェクトからはずされた。 ある日、彼はリーダーが他部署のマネージャーと雑談しているのを偶然耳にした。 彼のリーダー:「B社という意見もあったんだけどね」 マネージャー:「そうだったの?」 彼のリーダー:「やはり社内の実績からしてもA社が有利なんだよ」 マネージャー:「順当なところだね」 彼は自分がなぜプロジェクトから突然はずされたのか、また、自分の提案がなぜ却下になったのか、いまだに知らされていないというのである。 彼曰く、「そのプロジェクトが会社にとってとても重要なものであることを知っていたからこそ、パートナー企業の選定について議論を深めて、よりよい選択をするべきだと考えた」ということだ。 ところが彼のリーダーは、彼の提案に対して、議論どころか何の返答もせず、突然プロジェクトのメンバーからはずした。それだけでなく、他部署のマネージャーに向かって彼の提案を雑談まじりに批判したのだ。 彼はむしろ、そんな信頼できないリーダーのいるプロジェクトからはずれて良かったと考えているようだが(ちょっと強がりが入っているかも)、この手のサラリーマンは皆さんのまわりにも多いのではないだろうか? こちらがより良い仕事をしようと思って議論しているのに、だまったまま何も言わず、それどころか第3者に向かって批判ともため息ともつかないグチをごぼすタイプ。自分の意見を説明することができず、上が言ったとおりにしか行動できない人間。 幸い僕の在籍する会社には、こんなおそまつなリーダーはいない。情報システム部門のSEとして、ある基幹システムのダウンサイジングに参加しているが、開発環境の選定についてより良い選択をするため、リーダーと違った角度からの提案をした。もちろん根拠となる数字を資料として添えて。 そうしたところ、リーダーはメンバーを集めてミーティングを開き、リーダー自身の考えをきちんと説明して下さった。その結果、僕の提案よりもいくつかの重要な点で優れていることをすぐに納得でき、僕は自分の提案を取り下げた。 メールを頂いた彼は、納得のいく説明もなしに、黙ってプロジェクトからはずされるという経験をしたため、会社に対する不信感だけが残っているという。 最近、よく「アカウンタビリティー」ということが言われる。一般的には一企業が投資家との関係において、経営状況などについて十分な説明をすることを言うが、これは社内の業務プロセスについても同じであろう。 直属の部下にさえ、まともに自分の考えを説明できないようなリーダーのいる会社に、対外的なアカウンタビリティーを望んでも無駄だ。日本企業がアカウンタビリティーに欠けるのは、経営陣だけが悪いのではない。その企業の社員一人ひとりに最低限の「説明能力」さえないというだけのことだ。 いい年をしてまともに自分の意見も言えない社員がゴマンと集まって、問題点を明確にせず、なんとなく仲良く、雰囲気だけの合議制でものごとを決めていく。そんな企業に未来はない。 無断転載禁止
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