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空間・時間の限界を超えて
( 19990402 )

Japanese/English

空間・時間の限界を超えて〜インターネット広告の可能性〜(京都経済新聞1999/03/18掲載)

ウィンドウズ・ショッピング

...会社の昼休みにインターネットを見ていたら、「北海道格安ツアー」の文字がチカチカ点滅している。2泊3日で2万円。今年の夏は久しぶりに家族旅行も良さそうだ。 そのチカチカする広告をクリックすると、旅行社のホームページが開き、ツアーの中身をじっくりと確認できる。道央の雄大な自然の美しい画像が目を引く。予約状況のボタンをクリックすると、7月末の連休なら空きがあるようだ。予約入力画面で必要なデータをインプットして送信ボタンをクリック。オフィスにいながらにして、心はもう北海道...

こんなふうにインターネットは消費のすがたを大きく変える。それとともに人々を消費へと駆り立てる広告のかたちも一変する。

空間は無限・時間はゼロに

ネットワーク上の電子商取引が広まるにつれて、インターネットはますます有力な広告メディアになっている。今までの広告は物理的なスペースに限界がある。新聞や雑誌の紙面には限りがあり、テレビCMもせいぜい30秒。一方インターネットなら広告をクリックして自社のホームページを開かせさえすれば、いくらでも詳しい説明が可能だ。広告は入口に過ぎず、そこから開けるスペースは無限である。米国のある市場調査会社は、どれだけの人が広告の中身をおぼえているかを調査した結果、インターネット広告は30秒のテレビCMとほぼ同等の効果ありと結論づけた。

また、新聞やテレビの広告を見てから、店頭に足を運んで商品を買うまでにはかなりの時間差がある。インターネットならクリック一つでオンライン上の決済ができるので時間差はゼロ。インターネット広告は露出度の高いマスメディア広告と、即効性のある購買時点広告の長所をかねそなえているのだ。

インタラクティブ(双方向)広告の登場

しかしインターネット広告と従来の広告の最大の違いは「双方向性」にある。現在インターネット広告のほとんどが「バナー広告」と呼ばれるものだ(バナーとは「横断幕」の意味)。ホームページ上で横長の小さな画像がチカチカして見る人の注意を引く。一方的にメッセージを送りつけるだけなので、これまで広告と本質的な違いはない。

そこへ「キーワード連動広告」なる変種が生まれている。たとえばインターネット検索のページで「フランス料理」というキーワードを入力したとすると、その検索結果のページにワインの広告が表示される、といった具合だ。

他に、見た人がアンケートの回答を書き込める広告も登場している。このように利用者の入力した情報に対してその場で反応するインタラクティブ(双方向的)な広告は、インターネットならではだ。これなら個人の趣味・嗜好にぴったり合ったピンポイントの広告が可能になる。

「すき間広告」で知名度アップ

米国のインターネット広告市場は今年中に30億ドルの規模に達すると見られ、2003年には米国民1人あたりのインターネット広告費がラジオ・雑誌を上回るという試算もある。

確かにわが国のインターネット利用者はまだ少ない。日経マーケットアクセスの調査によれば昨年9月末時点のWWW(world wide web)利用者は国民のたった6.8%だ(米国は昨年11月の調査で全人口の41%という数字が出ている)。だが利用者は確実に増加しており、女性ユーザーの割合も増えている。インターネット広告といえば大企業やパソコン関連企業だけ、という先入観は捨てた方がよさそうだ。

ターゲットごと、表示回数ごとのきめ細かな料金設定があるので、中小企業にとってはコスト的に有利な面がある。顧客ターゲットをしぼり、それにあった内容の人気ホームページが見つかれば「すき間広告」で知名度アップのチャンスだ。技術の進歩とともに広告効果を秒単位で測定する手法もあらわれ、インターネット広告の可能性ははかりしれない。広告の洪水はうんざりという向きもあろうが、企業にとっては埋もれた顧客を掘り起こす新時代のコミュニケーション・ツールになるだろう。


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