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自殺幇助罪廃止法施行1年・執行者ゼロ
( 19981008 )

Japanese/English

(注)この記事はもちろんフィクションです


201X年10月8日

「自殺幇助罪廃止法案」が成立して1年が過ぎ、厚生省は同法の実施状況をまとめた。

1年間の申請者数は当初の予想を大幅に上まわり、全国で約24万8千人となった。厚生省では過去に年間2万人自殺者が出ていたことから、その5倍と見積もっていたが、実際には10倍以上の潜在的な自殺志願者が存在したことになる。

そのうち3ヶ月の面接期間を通過したのは全国でたった2059人。最終施設に出頭したのはさらに減って149人。実際に執行までたどりついた者は一人もいなかった。

申請者の調査表によれば申請事由の順位は、1位・病気、2位・経済的な困難、3位・人間関係となっているが、自殺幇助施設でのカウンセリングの過程で「自分のかかえている困難に立ち向かおうとする姿勢が芽生えてくる場合が多い」という(東京都のあるカウンセラーの談話)。

ある精神医学の専門家は、この結果を次のように分析している。

「一般に、自殺志願者は自分の意思をうまく表現できないことが多いが、自殺幇助申請という形で、社会的に認知される表現方法を手に入れることができた。それによって周囲がその人の抱えている問題に気づくようになり、かえって自殺者を減らす効果がうまれている」

じっさい従来の統計による昨年度上半期の自殺者数は、前年同期比で約2000人減の8412人となっている。下半期も同様の傾向になっているものと思われる。

法案の成立に積極的だった団体は、思わぬ「逆効果」に落胆の色をかくせないようだ。


(注)繰り返しますが、あくまでフィクションです(^^;


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