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名古屋・栄のベスト10
1998/09/09

テレビ東京系の二流バラエティー番組『アド街ック天国』9月5日放送分で「名古屋・栄」が紹介されていた。

司会の愛川欽也は名古屋のことを完全に「きわもの」あつかいしていたが、果たしてほんとうにそうなのか?大阪で18年、東京で5年暮らした後、現在名古屋にすんでいる筆者がベスト10を検証したい。

第10位「錦三」、第9位「フーゾク」はひとまとめに論じることができる。

「錦三」とは錦三丁目の略で栄の中でもクラブの集中している一角。「フーゾク」が第9位に入っているのは、成人男性人口あたりの風俗営業店件数が東京・大阪に比べて段違いに多いためだ。

クラブやフーゾクが多いのは中部という土地柄「ゆきずりのサラリーマン」が多いからである。関西・関東から出張で名古屋をおとずれる男性サラリーマンや、単身赴任で名古屋近辺に住んでいる場合も多い。

そういうわけでどうしても風俗店が多くなってしまう。フーゾクにたよらなければ性欲のコントロールができないのは男性の普遍的な問題であって、けっして名古屋人が特にスケベなわけではない。

第8位の「まるはち」は名古屋市のマークになっている。図案化された東京都のいちょうマークと比べると、ひどくセンスが悪い。近代的な街並みと、毛筆体の漢字の「八」はどう見ても違和感がある。市バスのエンブレムにもなっているが、これもダサい。

愛知県の自治体は情報公開度で全国ワースト1となるなど、全国有数の保守地盤なだけに、とにかく変化を嫌う。「まるはち」マークを変える動きも出てこないだろう。

第7位の「アサヒドーカメラ」。名古屋ローカルのテレビCMで見苦しくないのはアサヒドーカメラだけだ。大阪のCMは「引越のサカイ」にしても、アクが強くったって全国区になるだけのことはあるけれど、名古屋のCMはセンスが悪い。

アサヒドーカメラのCMが面白いのはナンセンスだから。地方CMは下手にロマンチックで意味のあるストーリー仕立てにしようとするので、ダサダサの結果になってしまう。CMに限らず、地方局は安易にロマンチシズムに走るので見苦しい。

ただし、アサヒドーカメラそのものは「CM負け」している。確かに安いが、品ぞろえが悪い。

ところで、名古屋ローカルのCMのBGMに、マンボのリズムが多いのはなぜだろうか?(「若鯱屋」など)。セーラー服おじさんの影響?

第6位「中日ビル」。12階建てのダサダサビルがどうして6位なのか不明。屋上の回転レストランは、人によっては乗り物酔いするらしい。

第5位「M」。栄にある松坂屋・三越・丸栄の3つのデパートをあわせてこう呼ぶらしい。松坂屋・三越は全国区だから説明の必要はないだろうが、丸栄は名古屋ローカルである。

名古屋に住み始めたころ、丸栄が都心のデパートだとは信じられなかった。建物の外装がタイルのモザイク画というダサダサ状態だし、内装もしけている。1階の化粧品売り場の天井の低さも出色である。

名古屋のデパートといえば、栄ではなく名古屋駅前にツインタワーが建設中だ。駅前の交差点から見上げると、周囲に高層ビルがないだけに、双子のバベルの塔のようにそびえて、ある種異様な光景である。

名古屋もあちこち再開発しているので楽しみでもある。ただ、容れ物がいくら立派になっても、名古屋のソフト面はド田舎レベルにとどまるだろう。

第4位「山本屋総本家」。味噌煮込みうどんの元祖らしい。名古屋のバランス感覚の悪さは、味噌煮込みうどん、天むすなど、どう考えても合わないものどうしを無理やり組み合わせてしまうところに端的に現われている。

ぜったい奥へつめない満員電車の乗客にしてもそうだが、名古屋人に欠けているのは、バランス感覚である。

第3位「地下街」。ことあるごとに名古屋は栄地下街を日本一だと自慢したがるが、大阪の地下街の方がはるかに広いし、快適で清潔だ。いったい名古屋の地下街の何が日本一なのか理解に苦しむ。

まず汚いトイレが多い。地下鉄の駅のトイレにしてもそうだが、10年は掃除してないだろうというトイレがある。

それから、内装が暗い。例えば梅田地下街(ホワイティー)は壁を真っ白な板で張って、全体にとても明るくて清潔な印象だ。

いっぽう栄地下街の南半分は全体に暗くて、店舗にも汚いものが多い。用事がなければ歩きたくない地下街である。

しかし、テレビ塔の真下に広がるセントラルパーク地下街は、最近改装されたこともあってとても快適。トイレも大理石張りで美しい。名古屋へお立ちよりの際も、セントラルパーク以外の地下街は無視してよい。

第2位「ナディアパーク」。最近できた斬新な設計のビル。これは非常によい。もちろんよいと言っても、大阪や東京ならゴロゴロ転がっている商業ビルにすぎないが。

2つのまったく外観の違うビルが並立して、背の高い方には地下から5階まで名古屋唯一のLoFTが入っている。6階は名古屋唯一の紀伊国屋書店。

紀伊国屋書店が入ったおかげで、名古屋の洋書小売りは丸善の独占状態が解かれたわけだが、品揃えがものすごく悪いので、お客にあまりメリットはなかった。

第1位「テレビ塔」。通天閣や東京タワーがそうであるように、中に入るとダサダサである。一年のうちに何か月か、夜になるとテレビ塔に向かってレーザー光線が照射される。どうやら環境アートらしい。別に光線が動くでもなく、数分おきにテレビ塔、夜空に向かって真上、と切り替わる。

それを知らない名古屋人もたくさんいて、宇宙人と交信しているんだとか、光線がテレビ塔に当たる位置で時刻をあらわしているんだとか、根も葉もないウワサが多い。

テレビ塔がカップルのデートコースになっている理由は、最上階の展望台から屋外のテラスに出ると、転落防止用の金網に無数の錠前が取りつけられているが、これが永遠の愛を誓うしるしだかららしい。笑えるぜ。