林原めぐみの『Tokyo Boogie Night』:
林原めぐみは、新世紀エヴァンゲリオンで綾波レイという少女の役を演じている。綾波レイは無表情かつ寡黙なキャラクターだが、最近の声優人気投票では、彼女は常に一位を独占し続けている。
その理由は、おそらく林原めぐみがちょっと「お姉さん」だからだろう(僕よりも3つほど年上)。演技者としての自覚があり、声優としてのプロ意識をはっきりと表現する。あえて素人っぽさを売りにする声優が多い中で、彼女は異質な存在であることは間違いない。
たとえばこの番組の冒頭には、リスナーから送られてきた早口言葉に挑戦するコーナーがあるが、かなり凝った早口言葉でも舌をかむことなく言ってみせる。
また、アニメ雑誌のファン投票で声優部門の一位になったコメントは、「最近とみに、芝居をしない、のっけからする気がない、したつもりになっている『人気声優さん』が増えているように思うのです」(『アニメージュ』Vol.228, p.44)と、後輩にも辛口である。
緒方恵美のようなエロネタの悪乗りもなく、番組はわざと可愛っぽく舌足らずを装った淡々としたトークで進んでいく。舌足らずを装わず、林原めぐみの地のしゃべり方で同じトーンだとしたら、声優番組としては淡白になりすぎてしまう、というところでの妥協か。それとも彼女が本当は照れ屋なのか(真相は不明)。
内容も、アニメファンの「内輪ネタ」は少なく、緒方恵美がときに番組中でエヴァンゲリオンのシンジに感情移入したコメントを吐くのに対して、林原めぐみは「レイちゃんのプリクラしちゃいました」と、あくまでお仕事として距離を置いている。
最近の放送で、あこがれの「徹子の部屋」にようやく出演できたことを、彼女にはめずらしく興奮ぎみで話していたが、「ようやく出演できた」という語調からしても、やっぱりアニメというのは不当に差別されているメディアであると感じざるを得ない。
そういうわけで、僕にとっては林原めぐみくらいのスタンスが、いちばんぴったりくるのでした。後半のラジオドラマ部分は聴き飛ばしてもけっこうですので、Tokyo Boogie Night、いちどきいてみてちょ。