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![]() London Under-eat ( 20010326 ) ロンドンといえば食べ物がまずいことで有名だ。最近はそうでもないと言われてはいるが、やはりパリと比べると街中で美味に出会うのは難しい。Regent Streetを歩き疲れてどうしようもなく表通りから少し入ったパスタ屋に落ち着いたが、注文したナポリタンはパスタにトマトの「かす」がわずかにこびりついているといった感じで、パスタだけを食しているのと大差ない。この店がロンドンでよく見かけるイタリアン・レストラン「Ponti's」のチェーン店というのだから、僕らは「サイゼリア」のようなレストランチェーンを持っていることを誇りに思わなければならない。 ロンドン・アイの近くにあるやはりイタリアン・レストランで例の英国名物 fish and chips を試してみたのだが、白身魚のフライはばかデカくて衣をよけなければ食べる気がしない代物で、chipsも妙にあざやかな黄色で食欲をそそらない。食事が合わないという理由で英国留学を途中棄権する日本人学生たちの気持がよくわかる。(ただしいわゆるmodern Britishのレストランには入っていないので、そのあたり話半分に読んでほしい) こんなに食事がまずいならいっそのこと昼食はfast foodですませればいいのだ。ようやく英国人もそこまで学習したのか、街中を歩くとSTARBUCKSがいやに目立つ。目立つのはSTARBUCKSだけではない。同じ系統のエスプレッソ・カフェがやたらとたくさんあるのだ。COFFEE REPUBLIC、COSTA、AROMAなどなど。ただサンドイッチはどの店に入ってもパサパサのパンであることは想像に難くない。少なくともAROMAとSTARBUCKSのはそうだ。 中でも僕から見ていちばん目立ったのがPRET-A-MANGER(プレ・タ・マンジェ)というフランス語の店名をもつカフェ。言うまでもなくpret-a-porte(フランス語で「既製服」の意味。accent graveがなくて申しわけない)のもじりだが、ここは入ってもよさそうかなぁと思ったが機会を逸してしまった。ホテルの最寄り駅High Street Kensington駅構内にも、かの安物衣料店Marks & Spencerの向かい側にあった。 じゃあfast foodで安心できるのかといえばそうでもない。映画で有名になったNotting Hillで歩き疲れてやむを得ずマクドナルドに入り、腹の足しにと日本では見ないドーナツを注文した。ところがこれもひどい。生地はベトベト、かかっているチョコレートもざらついてペースト状に粘っている。僕らは「ミスタードーナツ」がいかに素晴らしいドーナツをわれわれに提供してくれているか感謝しなければならない。たとえマクドナルドに入っても英国メニューには目もくれず、標準的なセットメニューを選択すべきである。 そんなこんなで、慣れないQueen's Englishのイントネーションに神経をつかったせいもあって、英国滞在中にすっかり胃をおかしくしてしまった。夏目漱石の胃炎ももとはと言えば英国滞在のせいではと思いたくなる。歩きづめで体調もすぐれず、英国で唯一、快適な食事のひとときを過ごせると思っていたFortnum & Maisonでの英国流afternoon teaも、吐き気との戦いで惨憺たるありさまとなった。 ロンドンに旅する人は食べ物にいっさいの期待を抱いてはならない。国会議事堂などありきたりの観光名所と、街中のささやかな発見、そして何よりも音楽に悦びを見いだすべきである。
そして音楽について驚かされるのはFM放送局の数と、TV番組なのだが、これについてはロンドン旅行記第3弾にゆずりたい。いくらロンドンがつまらなかったとは言っても、記憶に残して記述しておくべきことは山ほどある。それが名所をぐるりと一周するだけの「自然的観光」と、2日間でロンドンの本質を観取する「現象学的観光」の違いなのである。 無断転載禁止
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