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![]() ららら、ららぽーと ( 19991031 ) この日曜日、人と会うはずの予定が狂い、津田沼で暇をもてあますことになったので、船橋まで脚をのばした。僕の住んでいる町からすると津田沼と船橋が最寄りの繁華街になる。こちらへ越してからもう1か月、週末ごとに訪れる津田沼にもそろそろ飽きてきたので休日の過ごし場所を新たに見つけなければならない。 船橋は二度め。引っ越してまもなく最初に来たときは南口のLoft目当てだったが、たった2フロアで品ぞろえも中途半端。北口のイトーヨーカ堂も津田沼と大差なく、東武デパートにあるSUBWAYが唯一の拾い物だった。今回は二度めなので南口を開拓しようと歩き始めたはいいが、あちこちに1970年代の残骸がある雑然とした街でげんなりさせられた。(こういう街をジャージ姿で歩くことに居心地の良さを感じる人もいるのだろうが) 一歩裏通りに入れば風俗店のネオンが真っ昼間だというのにケバケバしく光っているし、中堅スーパー「タワラヤ」と「長崎屋」の無表情なビルが商店街の中に無理やり押し込まれている。京成船橋駅そのものが雑居ビルの群に埋まって、改札口もうっかりやり過ごしそうなほど目立たない。 駅前から千葉街道に向かって伸びる道路で京成本線の踏切り待ちをしているバスの行き先表示をふと見ると「ららぽーと」の文字がある。そういえば京葉線の南船橋にそんな名前のショッピングセンターがあると聞いた。船橋の南口でこのまま日曜日の夕暮れを迎えたのでは、ただでさえブルーになる時間帯にますます気が滅入ってしまうと思った僕は、1時間に2本しかない「ららぽーと」行き京成バスを待つためにマクドナルドに入って今月の東日本のバリュー「ベーコンマックバーガー」を食べた。 バスに乗ると船橋南口の街並みは海に向かってだらだらと続き、市役所に近いためか千葉街道との交差点近辺がオフィス街になっていることに気付く。そのまま千葉街道を左折し、海老川をわたってすぐを南下すると10分ほどであっけなく「ららぽーと」に到着。 しかしバス停を降りて建物の外観を見た限りでは船橋の北口よりも貧相な印象。やはり失敗だったか、と肩を落としながら店内に入った。明るく清潔な店内だが、天井を仰ぐと二階までしかない。どうせすぐ出口につき当たるのだと思いながら歩き始めたが、いっこうに店が途絶える気配はない。 そのうち臙脂に白抜きの無印良品の文字が目に飛び込んでくる。そこに行き着いてみれば僕が首都圏で訪れたどの店舗よりも広く、調布パルコ、津田沼パルコ、千葉パルコ、ちょっとなつかしいところでは丸栄スカイルの地下や名駅前近鉄百貨店の無印良品にもなかったアイテムが広大な店内にずらりと並んでいる。僕の部屋にあるソファベッドもちゃんと陳列されているではないか。 無印良品をひとしきり堪能すると再び店内を歩き始める。行けども行けども出口は見えてこない。そのうち小じゃれたインテリア・ショップが見えてくる。「ACTUS」という名前でセンスの良い家具類がぜいたくな空間にゆったりと展示されてある。高くて手が出ないけど見てるだけでも気持ちいいやと思いながら二階にも店舗が続いていることに気付いて上ってみると、傘立てやCDラックなどちゃんとLoftの代替機能を果たすお手頃な品揃えではないか!新宿の東急ハンズでメーカー取り寄せになるというので断念していたウォールミラーの店頭在庫がある。迷わず2900円で白いフレームのを購入した。 まだまだ歩きつづけて気まぐれに右に曲がってみるとオープン・スペースにパスタ屋やカフェやがずらりと並んだ「ハーバー・グリル」に出る。屋外にならべたテーブルで食事することもできるようになっている。 ところでららぽーとの中を歩いて気付くのは飲食店をはじめ、ベンチやソファなど休憩場所がやたらと多いことだ。また女子トイレに一つひとつ「緑のトイレ」「木のトイレ」「光のトイレ」などの名前がついている。このあたり、さすが良く設計されたショッピング・センターだなぁと感心させられる。 さらに歩くといつの間にか「ららぽーと2」の建物に入っていた。こちらには3階が存在し、10のミニシアターからなる映画館になっている。どれもメジャーなロードショーばかりなのは頂けないが、最悪ヒマつぶしにはなる。同じフロアにゲームセンターがあり、のぞいてみると案の定 Dance Dance Revolution 2nd Mixで『Paranoia』にのって華麗なステップを披露しているダンサー君が衆目を集めている。そう言えばもう名古屋・大曽根駅前の『ドラッピー』で踊って以来、ひと月以上もDDRを踏んでいないな。 そのあたりでようやくららぽーとの店舗が尽きたかと思うと、コウズという会員制ディスカウント・ショップのこれまた広大なフロアが始まっている。コウズの店内まで見て回る元気もなくなてきたので折り返し、今度は2階伝いにららぽーと1の店内を引き返す。あまりに広すぎてどのあたりで見つけたか思い出せないが、店内にはディズニー・ストアもあるし、なぜかセサミストリート、ピングー、機関車トーマス、ポスペ・グッズが同時に売られている店「m.i.x!」もある。「ミッフィーとなかまたち」もスヌーピーショップもある。ラオックス、GAP、ベネトン、ラルフ・ローレン、大中、紀伊國屋書店、コイデカメラ、アディダス、とにかくたいていのモノは売られている。 最初に入ってきた入口をやり過ごしてさらに歩き続け、雰囲気が変わったぞと思ったらそこはもうそごうの建物だ。1階、2階はいかにもそごうらしい鼻につく絢爛豪華さの内装だが、3階はカジュアル・ウェア、4階は100円ショップとパソコン・ショップのT-ZONEでシンプルな店内。ここぞとばかりに100円ショップで食器類をしこたま買いこむ。先週末に調理用具をそろえたので、あとは近所のスーパーで調味料と材料を買えば自炊体制がようやく整う。 つまりはららぽーと1とららぽーと2の東西に細長い建物を、そごうとコウズが両脇からはさんだ形になっているのが総体としての「ららぽーと」の全容だ。日曜日とあって店内は家族連れやカップルでお祭り騒ぎだが、閉店時間を迎えれば周囲は船橋港、船橋競馬場、東関東自動車道、湾岸道路、京葉線で完全にゴーストタウンと化す。現にららぽーとから京葉線・南船橋駅に帰る道はさっきまでの店内の喧噪がウソのように、湾岸道路の騒音と排気ガスにまみれ、防音壁にポスター跡が無数に残る殺風景な歩道が続く。海浜幕張もそうだが、いかにも千葉の湾岸らしい繁華街の姿だ。 つまり私生活の場と分離され、良くも悪くも「清潔」な繁華街が「ららぽーと」であり、生活臭にまみれた繁華街が船橋南口である。いずれにせよさまざまな街の形態学を論じる余地があるのも首都圏の醍醐味の一つである。 ちなみに「ららぽーと」へ行くには... ■JR京葉線・南船橋駅から幹線道路沿いのうら寂しい道を徒歩で ■京成線・船橋競馬場駅前の無料送迎バスでラクラク どっちを選ぶかと言われれば当然後者でしょう(JR京葉線・南船橋駅からも無料送迎バスが出ているらしいのですが筆者は利用したことがありません)。 無断転載禁止
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