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青い空青い海

普天間かおりの『ヘルシー&ダイエット』

1997/12/04

以前このページで『石黒寛のみんな元気か』というディープなラジオ番組が別の時間帯へ移動になったことをお伝えしたが、惰性でこの枠(東海ラジオ[土]23:00)を聴いてたところ『かおりのヘルシー&ダイエット』という番組が偶然耳に入ってきた。

『みんな元気か』のしんみりした雰囲気がイヤになったか、同じスポンサーが若い女性をターゲットに番組模様がえというわけだ。パーソナリティーは本間かおり、いやいや、普天間かおりだ。

本間かおりと聞いて、いわゆる「アニラジ」(アニメ関係のラジオ番組)ファンなら、97年9月で終了してしまった7年間の長寿(?)番組『かおりのHello!アニポップ』を思い出すだろう。

『かおりのHello!アニポップ』はアニメ情報中心だったが、97年11月から始まった『かおりのヘルシー&ダイエット』は、普天間かおりのピンということもあって、『アニポップ』では聞けなかった彼女の一面も聞くことができる(ただスポンサーの意向が強すぎて、番組の後半がまるまるスポンサーの宣伝になったりする)。

これから少しずつ彼女の本音が聞けるんじゃないかと期待しつつ(進行上手になるなよ!普天間かおりぃ!)、「11月29日放送分で僕のハガキがちょこっとだけ紹介されたぞ記念」も含めて、番組の感想など。

この記事を書くために、ホームページ検索で「普天間かおり」をキーワードにしても、たいしたものは見つからない。それじゃあ、と「本間かおり」にすると、ぞろぞろといろんなページが見つかった。

本間かおり(本名:普天間かおり)。生年月日1973年9月23日。159cm。所属:エスパル・プロモーション。キングレコード。出身:沖縄県。デビュー:1991年1月21日。1992年のNHK新人歌謡コンテストに出場。「みんなのうた」に楽曲が採用されたこともある歌手である。

デビュー当時はアニメの主題歌・挿入歌が多かったようで、「つかまえていて」「人生まだまだあげだマン」「世界はワタシのために」「星のララバイ」「それいけコロリン」「ところがどっこい!セクシー娘」などなど(アニメファンじゃない僕にはさっぱり分からない!なお「ラジメニアンのお部屋」を参考にさせていただきました)。

そんな彼女が、今年の夏、インディーズ・アルバムを発表した。『真南風』、沖縄方言では「マフェー」と発音するらしい。東海地方では上述の「ペーパームーン」でしか入手できないので、近々購入して感想をアップしたいと思う。

普天間かおりの『真南風』の中で、唯一僕が聞いたことのある「芭蕉布」という、沖縄民謡のオリジナルアレンジは、『かおりのHello!アニポップ』のエンディングテーマになっていた。たぶん『アニポップ』リスナーからのリクエストハガキだろう、『ヘルシー&ダイエット』の11月22日放送分でもこの曲がかかった。

そのときの普天間かおりのコメントは「この曲を聴くと、青い空に黒い米軍機というイメージが思い浮かびますねぇー」というものだった。

彼女の名前にもなっている普天間飛行場は、嘉手納飛行場、伊江島飛行場についで大きな沖縄の米軍空軍基地だ(ちなみに、面積で日本の1%に満たない沖縄県には、日本の米軍基地の75%が集中している)

本間かおりという芸名をやめて、普天間かおりという本名で活動するようになり、今年になって独自の沖縄ポップス色を打ち出したインディーズアルバム『真南風』を発表。ようやく本題に入るが、このエッセーのほんとうのテーマは「沖縄」だ。

最近の僕らにとって沖縄といえば、安室奈美恵、SPEED、知念里奈...要するにアクターズ・スタジオになるだろうか(ちなみにアクターズ・スタジオの社長が、日本娯楽映画の天才監督・マキノ雅之の息子だなんて知らなかった!)。

もちろん、1972年以降の国をあげての広告戦略で、沖縄は国内随一のリゾートでもある(現在でも沖縄県民総支出に対する観光収入の割合はなんと10%強[朝日新聞社 JAPAN ALMANAC 1998参照])。

しかし他方では、政治的なコノテーションが強い「基地の島」でもある。僕ら「本土」の人間の多くは、沖縄が1972年に「本土復帰」するまで、またそれ以降について、あまりにも知らなさすぎる。

用地返還問題や、米兵による少女暴行事件など、最近の話題をひろってみても、ひょっとすると沖縄の「戦後」はまだ終わっていないのではないかと思う。

少し前、会社の英会話研修のプライベートレッスンで、たまたま日本の米軍基地の話になった(もちろん英語でだヨ)。英会話の教師は政治学専攻で、韓国他アジア諸国を転々としながら生活しているという、風変わりな経歴の若い白人の男性だ。

彼と僕で意見が一致したのは、アメリカはいったいなんのために沖縄にあんなデカい基地を持っているんだ??冷戦も終ってるのに???ということだ。フツーのアメリカ人の多くは、沖縄の基地などドーでもいいか、あるいは??と思っているらしい。

このエッセーを書くにあたって、岩波新書の『沖縄』『沖縄戦後史』の2冊を読んでみた。まず驚いたのは、沖縄の歴史が「本土」に数百年も遅れていたことだ。『沖縄』のp.65から引用すると、たとえば「仏教の伝来」は「本土」が6世紀、沖縄は13世紀。中央集権国家の成立が、それぞれ7世紀と15世紀末。鉄製農具の普及が、6世紀と14世紀。

現在にいたるまで第二次産業の発達基盤が未整備なのは、明治以降の急激な近代化が生み出した、農業のモノカルチャー化と戦後の第三次産業への依存が遠因らしい。

沖縄のそんな特殊性は、もちろん「本土」の人々が大きくかかわっているわけだが、そんなことは僕もふくめてほとんどの人が知らずにすごしている。

普天間かおり自身のコメントを聞くまで、僕が「芭蕉布」の曲に、青い海と青い空しか思い描けず、そこに「米軍機の黒い影」など思いもしなかったところに、「本土」に住む僕にとってのリアリティーと、沖縄出身の彼女にとってのリアリティーの寒暖差がある。

もう21世紀になり、インターネットが世界中に張りめぐらされている時代にさえ、たった8度の緯度の差はけっこう大きいようだ。

なによりもまず、事実を知ることが大切だろう。



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