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のんびり屋さんのリーダー
( 19981016 )

Japanese/English

このページでは政治ネタはとりあげない。その理由は僕が政治に関心がないからだが、ひとことだけ言わせてもらうと、小渕氏が首相に就任したときはあきれて物も言えなかった。

よく言われるように小渕氏は危機の時代のリーダーとしては完全に不適格だ。彼をかつぐ立場からすればあやつり人形型のリーダーは都合がいいのだろうが、TVの画面で彼を見るたびに「ああ、バカっぽいなぁ〜」と思うのは僕だけじゃないだろう。

じっさい公式の場での発言を聞いていると、「ちゃんと考えてものを言ってるのか?」と疑いたくなることが多い。就任演説だってほとんど一人漫才だ。本人は声を高くして課題に立ち向かう気概を表現したつもりだろうが、まったく威厳や理知が感じられない。

何をしゃべらせても「努力してまいる所存でございます」とか何とか、語尾にやたらと修飾語をくっつけて、それで自分の権威を示しているつもりなのだろうが、ますますウサン臭くなっていくだけだ。

欧米諸国が遅々として進まない日本の改革にイラついて、内政干渉もどきの発言をするのも、あの人が首相じゃ仕方ないなぁという気がする。見るからにリーダシップのかけらもないんだから。

前置きが長くなったが、日本の遅い歩みに英『エコノミスト』誌も毎度批判の刃を鈍らせない。1998年10月3〜9日号では日立製作所がやり玉にあがっている。タイトルは「日立、かたつむりの歩み」。

50年間で初めての赤字計上となる見込みの同社社長は、経営判断の遅滞が赤字の原因であることを告白しているが、『エコノミスト』はその経営計画に疑問を投げかける。重電工場の労働者がハイテク工場で使えると思っているのか、というわけだ。

そして赤字転落の最大の原因を半導体ビジネスと見ている。1997年までに16MBで国内トップになった同社は64MBへのシフトに出遅れた。NEC、富士通などが早々に16MBへの設備投資を3分の2にカットする中で、同社は「伸び」を2割カットしたにすぎない。

ドッグイヤーの半導体ビジネスを、重電の時間感覚で運営していたのが間違いだと同誌は指摘する。

さらに、同社の半導体事業の損益は黒字に転じるという見通しの甘さを、三菱電機の実状(昨年度の半導体事業の赤字は今年度やっと半分になるにすぎない)と比較して指摘している。

唯一プラスの評価を得ているのは日立製作所の圧倒的な資金力である。東芝の2倍、三菱電機の3倍と書かれている。この資金力を生かして事業の集中と選択を進めれば、東芝は揺らぎ、三菱電機や沖電気は存続さえおびやかされるだろうとして、この記事は終わる。

ここで小渕氏の話にもどるのだが、政府や3大電機メーカーに限らず、日本的な組織は今、リーダーの選び方を完全に間違っている。

大禍のないおだやかな時代なら、みんなの意見をよく聞いてまとめるのが得意な調整型リーダーも必要だろう。しかし今は大きな時代の曲がり角にさしかかった変革の時代だ。

そんな肝心なときに、いかにも世あたりだけでのし上がったようなリーダーを選ぶのは端的に間違っている。

でも現実に日本を動かしている50代のおじさんたちは、そのことに何の疑問も感じない人がほとんどなのだ。これじゃ若者が日本の未来に希望を見出せないのも当然だろう。

そろいもそろって...か?


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