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![]() 老犬、芸を学ばず ( 20010212 ) ※米ロータス社がマイクロソフトの開発方針についての意見を自社サイトに掲載している(2001/01/26)。以下は下名による翻訳である。 Exchange 2000:老犬は新しい芸を覚えられない なぜ既存のWindowsNT・ExchangeユーザはExchange2000へ移行するより、Dominoへ移行した方がより簡単で信頼性のあるシステムを構築できるのか:マイクロソフトは1994年以来共同作業を支援するシステムを顧客に提供しようと努力してきたが失敗に終わった。昨年Exchange2000を発売してロータス社に追いつこうとしたが、結局Exchangeは効率的な共同作業環境を実現しないだろう。マイクロソフトの開発者さえそのことに気づいている。 昨年12月、マイクロソフトはExchange2000用のOffice DesignerやLocal Web Storage Systemの発売中止を発表した。これらは共同作業の中核をなす製品になるはずで、Office Designerはアプリケーション開発の機能、Local Web Storage SystemはDominoの複製機能をモデルにしてExchangeがぶち上げていた「同期」機能のエンジン部分になるはずだった。 開発資源を他の製品に移動することで一歩後退:この撤回方針が発表された後、同社CEOスティーヴ・バルマー氏がマイクロソフトの開発者グループに送った内部メモによれば、マイクロソフトがこれら2つのExchange製品を中止したのは、「Yukon」というデータベースサーバの開発に集中するためとのことだ。「Yukon」はSQL Serverの後継製品で、バルマー氏によれば「2年後に発表される『Yukon』は次世代のストレージ、データベース、ファイルシステム、電子メール、ユーザインターフェースのキーになる製品である」。 Exchange2000開発中止のサイン:ロータス社の大口顧客マーケティング部長エド・ブリル氏によれば、マイクロソフトのこの動きは、Exchange2000のアーキテクチャを捨ててしまうことを示唆しているという。「マイクロソフトの戦略がExchange製品の基盤技術から離れつつあることは明らかだ」とブリル氏は語る。 META Groupはマイクロソフトの戦略が「混乱している」と指摘:META Groupは共同作業支援システムの市場に対するマイクロソフトのアプローチをあからさまに批判している。「SharePoint(マイクロソフトのポータルサーバ)がバックエンドのデータストアであると同時に、複雑なポータル戦略でもあるのだが、これらすべてがマイクロソフトの共同作業支援システム戦略がいかに混乱しているかを示している」 Exchange2000には多くの問題があり、本来の目的にそぐわないような製品になってしまっている。つまりLotus Dominoに大きな遅れをとっている。「Exchange2000の最大の問題は本質的にメッセージングのためのプラットフォームであり、共同作業を支援する製品ではないということだ」とブリル氏は言う。 ロータス社のマーケティング部長として、ブリル氏はExchange2000の問題点に精通している。なぜマイクロソフトがExchange2000のコラボレーション・アーキテクチャをはっきりと捨てることにしたのか、氏はその欠点をいくつか指摘している。 複製とアプリケーション開発の欠点:まずブリル氏が最近のマイクロソフトの発表について指摘しているのは、Exchange2000がDominoに匹敵する複製とアプリケーション開発の機能をまったく提供できていないという点だ。 「マイクロソフトはExchaneg2000の『同期』機能についていろいろと騒ぎたて、何年もかけてオフライン作業の機能を提供しようとしつづけてきたが、とうとう完成することができなかったので、ついにその機能を落とすことにしてしまった」 結果として、Exchangeを遠隔地から利用するユーザはExchange 5.5のときと同じ機能制限をうける。もっとも基本的な電子メール機能しか利用できず、オフライン状態では共同作業の機能はまったく利用できないのだ。遠隔地からの利用はロータス社が開拓し、定義したように、共同作業のプラットフォームにとって重要な部分であり、企業がExchangeではなく、Dominoを選択する主な理由の一つとなっている。さらにDominoユーザは、Lotus Notesや、Webブラウザ、携帯無線端末など、どんなクライアント機を使っていようと遠隔地から共同作業をすることができる。 共同作業アプリケーションの開発ツールが存在しない:マイクロソフトは上記のようにExchange 2000用のOffice Designerの発売を中止したが、これによってExchange 2000は共同作業のためのアプリケーションを開発するツールを持たないことになってしまう。Exchangeの開発者は必要最低限の基本的なテンプレートさえないまま、共同作業のためのアプリケーションをゼロから開発しなければならない。 一方、DominoにはDomino Designerという汎用の開発ツールがあり、エンドユーザ自身が高度にカスタマイズされた業務アプリケーションを低コストで開発することができる。これは共同作業の技術をささえるもう一つの重要な要素だ。 白旗をあげたマイクロソフト:なぜマイクロソフトはExchange用の2つの重要な技術をあきらめてしまったのだろうか。ブリル氏によれば、Exchange 2000のプラットフォームはその基盤の部分で問題をかかえていたために断念したのだという。氏はまず最初にExchangeのシステム管理者が直面する日々の運用の複雑さ・難しさをその理由にあげている。 情報システム管理者にとって複雑すぎるパズル:昨年9月の記事で『Exchange & Outlook Magazine』のクリス・シュラフ氏は次のように書いている。Exchange 2000の日々の管理業務は情報システム部門のスタッフにとって「真の意味での障害」となってしまっている。「現実に起こるさまざまなシステム管理業務が以前の倍になってしまい、さらに悪いことに、プログラマーの助けを借りなければ業務を完了させられない」 ブリル氏も同じ意見だ。氏はActive DirectoryをExchangeのGlobal Catalogと統合するためにどれだけの手順が必要かを例としてあげている。「ExchangeサーバはGlobal Catalogサーバに送信先を問い合わせなければメール一通を送ることさえできない」。 Dominoはメールと共同作業アプリケーションを、同じサーバの同じディレクトリ構造で扱うことができる。電子メールと共同作業の統合に追加の設定が必要などということは一切ない。 「システム移行というより、Exchange 2000の導入は『一からのやり直し』だ」。ブリル氏はExchangeのディレクトリやセキュリティー機能、システム管理環境が一新されたことについて、このように言っている。「Windows NTとExchange5.5を使っていたユーザは、まったく新しい情報基盤に慣れる必要がある」 しかしブリル氏のことばを額面どおりに受けとってはいけない。マイクロソフトの『Server Resource Kit』そのものにExchange 2000のシステム管理者が直面する困難について次のように書いてある。「Exchangeをうまく運用するのはパズルを解くようなものです。パズルを効率よく組み立てるためには、ピースの大きさや形をよく考えなければいけません。もしピースが一つでもなくなってしまったら、パズルを完成させることはできないでしょう」(『Exchange 2000 Server Resource Kit』, 39ページより)。 Exchangeのブラウザ機能〜単なる「窓飾り」〜:Exchange 2000の特長の一つにWeb Storage System(WSS)をURLで指定できる機能がある。マイクロソフトはこの機能をDominoに対する優位性の一つとしているが、WSSはExchange 2000に組込まれたファイルシステムで、共同作業アプリケーションを開発するための基礎となっている。URL指定できるWSSのおかげで、ユーザはWebブラウザにURLを入力することで受信箱の特定のメールを取り出すことができる。 ブリル氏はこの機能が非常によくできているとしながらも、業務上どれくらい価値のあるものか疑問視している。「たとえば遠隔地にいる営業部長がWeb経由で社内データを取り出したいとき、特定のURLを入力することがほんとうにいちばん効率的なやり方だろうか?」 「ロータス社は特定のプロトコル(通信手順)の上に製品を構築するのではなく、どんなプロトコルにもかんたんに適用できるような製品を作っている」とブリル氏は言う。氏はDomino上のアプリケーションはすべてWeb経由で遠隔地のユーザから利用できると指摘している。 Exchangeのアーキテクチャはつねに「開発中」:「今こうしている間にも大勢のDominoユーザが、1989年当時と基本的には同じアーキテクチャの上に構築された柔軟な仕組みをつかって、インターネットとイントラネットの両方でアプリケーションを利用している」とブリル氏は話す。「他方、マイクロソフトはExchange 2000で3度目のアーキテクチャ変更をし、4度目の変更を発表してすぐに中止し、『Yukon』計画にもとづくまったく新しい方向性を示した。要するに顧客はたえず刷新されるようなプラットフォームからは価値を引き出すことはできないのだ」 しかもDominoとは異なり、Exchange 2000にはWeb経由のシステム管理機能がない。保守、アップグレード、利用者のステータス変更はすべてWebブラウザから管理できないWindows 2000のActive Directoryに縛られている。たしかにWindows 2000 Terminal Serverを使えばWebブラウザから管理することはできるが、Terminal Serverは別途設定が必要な追加サーバになる。 結論...行きづまったプラットフォームに移行するのは要注意:結論としてブリル氏は、Exchangeを利用している企業で情報システムの決裁権をもつ人たちに次のような警告を発している。Exchange 2000に移行する前に十分に注意すべきだ。「膨大な時間と経営資源を費やした見返りとして、非常に限られた共同作業機能しか得られないだろう。今やマイクロソフト自身がそのプラットフォームの行き詰まりを認めているのだ」 その一方で、NotesとDominoへの移行は今までより簡単になっている。Dominoサーバの共同作業機能を直接、効率的に利用する他に、ロータス社とビジネスパートナー各社は電子メールを自動的に移行する各種ソリューションを提供している。IBM、ロータス社、ビジネスパートナー各社は共同作業のためのいかなる情報化投資にも、最大のリターンが得られるように顧客のための努力を惜しまない。 参考:Network World誌の記事『マイクロソフトのあいまいな計画〜Exchangeの将来に懸念』(2001/01/29) 無断転載禁止
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