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自性院・西方寺訪問記

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猫地蔵の碑 ●自性院

 自性院の歴史は古いようです。しかし、詳しいことは解っていません。
 乏しい資料の中で猫にまつわる伝承が二つあります。一つは合戦の途中、道に迷った大田道灌が黒猫に招かれて自性院に導かれ、命拾いをしたという「道灌招ぎ猫」伝承。江戸中期に、貞女として誉れ高かった江戸小石川の豪商の娘の冥福を祈るため祀られたという「猫面地蔵尊」の由来。この二つの猫に関する伝承から、自性院こそ招き猫発祥の地だとする説もあります。



●西方寺

 現在は新宿区にある西方寺ですが、江戸時代は浅草の方にありました。明暦の頃(1655〜1657)に道哲という念仏僧が草庵を結んだのが始まりとされ、別名道哲寺と呼ばれました。吉原に至る日本堤にあることから、土手の道哲としても知られていました。
 高僧道哲は、刑死者や無縁仏の供養のため、昼夜の別なく念仏を唱え鉦を叩き続けました。引き取り手のない吉原の遊女の死骸も引き取り、供養したといいます。遊女などの無縁仏が投込まれたために、西方寺は投込寺という悲しい名前も持っていました。
 この西方寺と招き猫の関係ですが、一つの逸話が元になっています。吉原の遊女薄雲が、愛猫の死を嘆き西方寺に回向しました。その逸話が招き猫を生んだとされており、西方寺も招き猫とゆかりのあるお寺とされているのです。




【ぶつくさ日記 その449】より抜粋

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−平成9年5月1日(木)晴れ

● PM 12:32
 豪徳寺から、再び小田急線で新宿へ。新宿で西武新宿線に乗り換え中井へ。そこに自性院がある。ここも招き猫ゆかりのお寺である。

自性院門● PM 1:27
 中井駅を下りて急な坂を上る。地図を片手に三十分ほど探し回り、ようやく見つけた『自性院』。しかし、赤い門は閉ざされ、「工事中につき閉鎖」と貼り紙がしてあった。
(せっかく大阪から来たのに……)
 とりあえず、門の写真だけ撮っておく。

自性院の招き猫 ● PM 1:35
 閉まっていた門に、御用の方は青梅街道側に回って下さいと書いてあったので、青梅街道に出た。街道に出ると、いました招き猫が。自性院入口の右手には『厄除開運猫地蔵霊場』と石碑。左手には狛犬のように招き猫の石像がいた。高いところから、青梅街道を行き支う車を眺めている。色を塗ってあるが、塗らなかった方が良いのではないだろうか。
 ここには猫地蔵があるようだが、中に入ってもどこにあるのか解らなかった。工事現場を囲む虎縞の柵が境内の半分を囲っていた。その奥にでもあるのだろうか。
 この猫地蔵が招き猫の始まりといわれるが、自性院の縁起自体があやふやで信用するに足らない。しかし、招き猫ゆかりの寺なのである。寺の周囲に招き猫を思わせるものは何も無く、狛犬代わりの招き猫がいるだけであるが。

● PM 1:59
 中井駅。くたびれてきた。
 ここから高田馬場に出て、JRで巣鴨まで一二〇円。そこで都営三田線に乗り換える。西巣鴨で降りると西方寺があるはずだ。

● PM 2:24
 巣鴨。
 JRで巣鴨まで一五〇円。ここから西巣鴨まで地下鉄で一七〇円。
 曇ってきた。また雨かな。

西方寺門扉 ● PM 2:42
 『浄土宗道哲西方寺』
 キンキラキンの正法院横にある。どうやら奥でつながっているようだ。門扉の右に石像の間抜け顔の招き猫がいる。豪華絢爛、檀家から巻き上げた金で造った門扉や本堂に比べ、招き猫は質素で謙虚である。なんだか不釣合い。招き猫の表情が悲しげなのはそのせいだろうか。
 遊女薄雲の愛猫が命をかけて薄雲を大蛇から守った。その忠義を哀れみ猫塚を築いたのがこの西方寺である。その薄雲の愛猫を人形にしたのが今戸の招き猫だという。ここも招き猫と無縁ではない。
 奥にはご立派な料亭のような住居があって、とても入れる気配ではない。門のところで引き返すとする。
 これで招き猫をたずねる東京の旅は終わり。予定より早く終了してしまった。さて、これからどうしたものか。これなら一泊二日でもよかったのではないだろうか。残りの一日を常滑見物にすれば良かったかな。





●自性院と西方寺の招き猫

 自性院の門柱に石造の招き猫が鎮座しています。この招き猫は、元々銅像だったそうです。愛猫家として知られる彫刻家・河村目呂二が銅像の招き猫を献納したものだったといいます。しかし、戦時中に供出でなくなり、石材店主が奉納したものが今の石造の招き猫だということです。
西方寺の招き猫 この自性院には猫面地蔵があるということですが、現物を見ることはできませんでした。『猫の歴史と奇話』(平岩米吉著)によりますと、「猫地蔵は明和四年四月十九日(一七六七年)の銘があり、小松石に彫った高さ五〇cmほどの女人の立姿で、頭は総髪、右手に数珠、左手に香炉を持っている。鼻下の上口唇が割れているので猫とわかる。この秘仏の開帳は、年に一回、二月の節分の日のみである」とあり、写真が掲載されています。ちょっと恐いです。
 2月3日の節分の日の「猫地蔵祭り」には、秘仏のご開帳と七福神行列、豆まきがあるそうです。当日には梵字で地蔵の主字「か」の文字を入れた招き猫を1000円で分けてくれるそうです。(情報提供;かぷちーのさん)
 西方寺の門扉に座る招き猫も石造です。大正5年に浅草から巣鴨に移ってきた際に造られたそうです。上げている左手の肘から先だけが色が違い、折れたものを補修したのではないかと思うのですが、確信はありません。
 両寺とも、門のところで招き猫が座っているところが、僕には何ともいえず悲しげに見えるのですが、なぜなのでしょうか。


自性院

■ 住所 ■
東京都新宿区西落合1-11-23
■ 交通 ■
西武新宿線中井駅下車徒歩20分

西方寺

■ 住所 ■
東京都豊島区西巣鴨4-8-43
■ 交通 ■
都営地下鉄三田線西巣鴨下車徒歩3分


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