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常滑訪問記

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● 常 滑 焼

 常滑は愛知県知多半島の西側に位置します。良質の土や地理的条件に恵まれ、900年以上も前の平安時代から常滑焼きは始まりました。常滑は日本六古窯(瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前・越前)の中でも最も古いといわれているそうです。
 有名なのは土管。それと朱泥急須。赤茶色のあの急須です。


【ぶつくさ日記 その483〜484】より抜粋

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−平成9年8月11日(月)晴れ

● PM 8:38
 走行距離二五六九九キロ。とりあえず瀬戸に向けて出発。後は野となれ山となれ。事故だけは気を付けて。

● PM 9:16
 近所の中華料理屋で夕食。いつもなら、吹田ジャンクションから名神高速道路に乗るが、今日は京都南インターから乗ろうと思う。空いているので、国道一号線を京都まで走ってもさほど時間はかかるまい。高速道路代の節約だ。まあ、千円も違わないだろうけど。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−平成9年8月12日(火)晴れ

常滑市の位置 ● AM 0:14
 東名高速道路東郷PA。一気にここまで来た。来過ぎたような気もする。地図を見てみると、瀬戸市を過ぎているのだ。下調べ無しで来たものだから、こうなった。まあいいか。
 今夜はここで寝る。結構疲れた。

● AM 6:56
 起きた。寝苦しかった。多分、三時間ほどしか寝ていない。もう少し寝たいところだがガソリンが残り少ない。下手すれば寝ている間にガス欠になる。
 とりあえず出発。給油して、眠たければどこかで仮眠しよう。

● AM 7:18
 東名三好インターで下りて二番目のガソリンスタンドで給油。リッター九〇円。安い。
 まずは常滑へ行こうと思う。県道五四号線を南下。知立市で国道一五五号線に乗り継ぎ、知多半島道路へ。半田常滑インターで下りると四、五キロで常滑市である。
 ちなみに、高速代は四二〇〇円。

● AM 7:31
 コンビニで地図を買った。これで安心。

● AM 8:27
 常滑市到着。土管と植木鉢の街だ。それと競艇。小さな街である。INAXの本社があるとは驚きだ。

● AM 8:39
 『常滑市陶磁器会館』
 常滑焼きの展示即売。さっそくミニ招き猫三匹購入。四五〇円二匹と三百円一匹。
 ここが「やきもの散歩道」のスタート地点になっている。AコースとBコースがある。Aコースは窯元を巡る一・五キロ、四〇〜六〇分のコース。Bコースは資料館などアカデミックな施設を見て回るもので、四キロ。二時間半ほどかかるらしい。とりあえずはAコース。Bコースは車でポイントだけ。

土管坂
土管坂
● AM 9:31
 「やきもの散歩道Aコース」終了。まだ十時前というのに汗だくになった。顔も焼けたと思う。
 Aコースは窯元が集まる丘の上の集落を見て回るもの。車が通れない細い道を上ったり下ったり。その道の左右に窯元が並ぶ。窯元といってもしゃれたものではない。薄ぐらい倉庫か車庫のような感じだ。それも作業していないところが多い。窯元の軒先に並んでいるのは土管や瓶ばかりで、なお殺風景である。
 窯元を覗き見て回っていると「斜陽」の文字が頭に浮かぶ。中小レベルの陶磁器産業は採算が取れず、衰退しているのだろう。設備投資もほとんどされていないようだ。こんなことを言うと怒られるかもしれないが、寂れた町だと感じた。
 そもそも窯元の街は殺風景なものである。有田も伊万里も備前も、陶器市でもなければ人の歩かない静かな街である。それでも、その奥に活気を感じたものだ。静かで寂しげでも窯元の街は生きていた。だが常滑はひっそりしている。
 常滑は土管と瓶、きゅうすで有名になった。きゅうすは別として、土管も瓶も陰に隠れた陶器だ。それだけに、有田や伊万里のような派手さもなければ、備前のような詫び寂びも感じない。常滑は戦略を間違ったのだ。
 Aコースを回っていて、招き猫には一度も廻り会えなかった。そのせいか、招き猫のあのデザインがこの常滑で生れたとは信じられない。
窯元の街
窯元の街
 招き猫マニアの中で常滑系といわれる招き猫は、常滑で始まったといわれている。もともと招き猫というのはちょっと怖いデザインをしたものだった。それが、ここ常滑で垂れ目で愛敬のあるキャラクターに変わったのだ。これが全国的にヒットし、招き猫と聞いて誰もが思い浮かべるデザインとなったのだ。だが、あの明るく可愛く、現代でも通用する派手なデザインが、この淋しい田舎の街で生れたとは思えないのだ。
土管や瓶以外にも、花器や食器、動物の造形モノなど色々な焼きものがあるが、招き猫のキャラクターだけが異質なのだ。招き猫だけが浮いているのだ。
 招き猫のデザインは本当にこの街で生れたのだろうか。外部の者が常滑に持ち込み、生産しただけではないだろうか。
 それにしても、暑い。

● AM 9:44
 『常滑市民俗資料館』。「やきもの散歩道Bコース」のポイントのひとつだ。車で来たが随分とややこしい場所にある。

● AM 9:52
 『常滑市民俗資料館』は無料。でも、なんか淋しい。でも勉強になった。
 常滑は知多半島の中ほどにある海岸線の町だ。丘陵地が多く、坂が多い。窯を作るのにもってこいの地形なのだ。しかも日本の中心部に位置し、海運の便も良い。それに加え、焼きものに適した土があるために、常滑は古くから焼きものの街として栄えたのである。
 常滑の土は可塑性があるそうだ。だからどうなるのかは解らないが、とにかく、早く焼き上がるので、大きな焼きものを作るのに常滑の土は適していたのである。そのために、常滑は土管や大きな瓶などの生産が中心となっていったそうだ。
 さて、次は『常滑市立陶芸研究所』。

ヤマタネの看板招き猫 ● AM 9:59
 『常滑市立陶芸研究所』。書くべきこと無し。

ヤマタネの看板招き猫 ● AM 10:24
 常滑焼き展示即売『ヤマタネ』。ここはいい。ドル・キャット、恋招きなど、あらゆる招き猫がいる。それに安い。上代(標準価格のようなもの)七〇〇円の三号が三九〇円、上代一八〇〇円の六号が九九〇円。半額ぐらいだ。三十三号で四万八千円。これは一mほど。三mのコンクリート製もあり、これは駐車場に看板代りに立っている。写真撮りまくり。
 買ったのは白の三号右三九〇円。三・五号白福猫四五〇円。鈴三〇〇円。それと心ときめいた「グリーン染錦」二二五〇円。これは常滑ではないだろう。箱には「彩堂窯」とある。抹茶色の透明感のある招き猫で、金の彩色がしてある。渋い。

 ヤマタネさんのホームページはこちら

常滑ボート
ガイドブック『とこなめ探訪』より
● AM 10:41
 『常滑ボート』。つまり競艇場。ここに巨大招き猫がいるそうだ。

なかよしひろば ● AM 11:11
 入場料五〇円を払う。赤鉛筆は三〇円。手ぶらも何なので、皆に習って出走表を手にする。僕も記念に買おうかとディスプレイを見る。締切一分前。本命が一−四で、大穴が五−六……と思ったら船券の販売が締め切られた。ずらりと並んだ販売窓口がいっせいに閉まる。残念。
招き猫と遊ぶ子供  外に出る。潮の香り。招き猫は子供が遊ぶ「なかよしひろば」にあった。ゴーカートのコースのド真ん中に立っていた。招き猫はボートが走る青いコースを見下ろしている。身長六m。体重十t。観客が歓声を上げ、ボートが爆音と水しぶきを上げる中、僕は招き猫の写真を撮る。この巨大招き猫は名古屋で開催されたデザイン博に展示されていたそうだ(多分)。役目を終え、常滑に帰って来たのである。
日本一の招き猫  エンジン音が聞こえなくなった。第一レースが終わったようだ。何と五−六。十五・二倍。僕の人生みたい。

● AM 11:17
 『常滑物産情報センター』。名鉄常滑駅のビルの中にある。車は駅横の駐車場に入れたが無料。すごい。

● AM 11:39
 展示即売をしていた。常滑や焼きもの関係の書籍が並んでいたが収穫無し。

● AM 11:56
 常滑焼展示即売場『まるふく』。ここもいい。
 買ったのは陶器のミニ招き猫。先日、大阪の「とうき祭り」で美濃焼きので店で買ったものと同じ形のものがあった。四三〇円。これが左右二匹。もうちょっと小さいものが三九〇円。それと現代的デザインの文鎮招き猫九五〇円。
「どちらからおこしになりました?」
「大阪」
「二割引いときますね」
 感激。

セラモール
ガイドブック『とこなめ探訪』より
● PM 12:11
 『とこなめ焼卸団地 セラモール』。常滑市街地から車で五分ほどの丘の上にある。陶器の卸の店がたくさん並んでいる。工場もあるようだ。
 ショッピングモールのようなところもあって、真新しい店が並んでいる。これで解った、「やきもの散歩道」が淋しいわけが。資金力のある店はこちらに来ているのだ。並んでいるものもちょっとあか抜けている。
 ただ、あか抜けているものには、伊万里焼きや瀬戸焼きが混じっているようだ。招き猫を見ていて解った。大阪の「とうき祭り」で信楽焼きとして買ったものまで並んでいる。どうやら、土産物の細々したものは、それ専門のルートがあるのだろう。どこの焼きものか明記していないものが結構あるのだ。

軒先に並ぶ招き猫 ● PM 12:42
 買った招き猫。「方円館」というハイセンスな工房で万歳招き猫。合格と書かれた本を膝に抱え万歳をする両手上げ招き猫である。ペン立てになっている。一一〇〇円から三割引。消費税込みで八〇八円。縁起が良い。
 続いて「いそべ」なる普通の店で三号左白、右黒五〇〇円とミニ黒三六〇円。
 店の名は忘れたが、シンプルな招き猫九八〇円。
 常滑はこれで終了。知多半島の海岸線を走るプランもあるが、明日は十三日。盆休みが本格化する。出来るだけ見たいところは今日の内に済ませたい。ということで瀬戸へ。




【瀬戸・信楽訪問記】



常 滑

■ 住所 ■
愛知県常滑市

■ 交通 ■
名鉄常滑線常滑駅下車
東名高速岡崎ICより約1.5時間/名神高速小牧ICより約1時間

■ 問合せ ■
常滑市役所商工観光課
(0569)35-5111

■ ホームページ ■
常滑商工会議所 TOKONAMEへ着陸スタンバイ
常滑焼 ヤマタネ


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