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誰しも思い出したくない昔の思い出というものはあるものです。
就寝前や入浴中 など、ふと緊張がほぐれた時、それは頭の中に突然現れて辱めを受けさせるのです。
頭の中で大声で叫び、思考から追い出そうとすればする程それは大きくなってゆく・・・
アマチュア無線免許、、、久しぶりにその言葉を聞いた時も、酒の席で昔しでかした恥ずかしい失敗の話題を持ち出された時の身長が2、3センチ縮むよう
な居心地の悪さを感じたものです。
実は筆者は小学校6年生の時その試験を受けて見事落ちた事があって、し かも当時の試験は平日だけで、わざわざ授業を早退して受けに行っ たものだから、クラスの皆の知るところになってしまったというオマケ付き。
でも過去の汚点をここで清算しておくのも悪くない。よし、とっととかたずけてしまうとするか。
(試験の概略)試験の内容について簡単に説明すると、出題は無線工学12問、電波法規12問、計24問で行われます。
制限時間は1時間でそれぞれで12問中8問以上正解で合格になります。
当時は電話級と呼ばれていた試験も今では第4級とごく一般的な呼び名に変わったようです。
もう一度あの試験を受けるとわかって最初に思い出したのは、
「あれは工学が厄介だ。」
という事でした。
電気が得意な人には簡単かもしれませんが、全く馴染み のないものにとっては、あれだけわかりにくいものはありません。
もちろん書店や図書館に行けばいかにも理解しやすそうにイラストやカラーの図でいっぱいの試験対策本が並んではいますが、ほとんど答えだけ見せて解説はそこそこ。結局基礎知識の無いものにとっては馬の耳に念仏状態、疑問が疑問を呼び結局全く役にたたないという
感じなのです。
ならば基本に忠実に電気工学の基礎の本から読んでみようと思い、分厚い解説書をひも解いてみた。
「 ・・・ 」
だめだ。 こんな事やってられん!こんなもの読んでいたら何年もかかってしまう。興味の無いものにそんなに時間をかけられるほど暇じゃないのだ。
試験関係の本は何種類もありました。
「昔に比べて種類が増えたカナ?」
と思われる本を一つ一つ眺めてみましたが、どれも工学のほうでは自分に分かりやすそうなものはありませんでした。それどころか謎は深まるばかりのように思えます。
その中にひとつ試験問題を丸暗記する、といった趣旨の本がありました。 小さいけどやけに分厚い本。ページをパラパラとめくると膨大な量の問題が収めてありました。
「こんなに覚えろって言うのか?」
「覚えたってこの中から出題されるとは限らないだろ?予想問題じゃないの?」
疑念がたくさん湧き起こってきましたがその本の巻頭巻末の説明やインターネットで仕入れた情報によると、どうやら試験問題は持ち帰れるらしくその情報を集めると予想問題集ではなく過去の全問題集が出来上がるらしい。新しい問題が追加されたとしても1、2問なので十分丸暗記で対応出来るという計算になるようです。
そうと分かれば迷う事はない。
次の日にその本(完全丸暗記・初級アマチュア無線予想問題集)を買いました。
その本の解説に従い一番近い2ヶ月後の日時の試験をすぐに申し込みました。
よし、 ここまでくれば後は突進あるのみ。ぐたぐた考えている暇は無いぞ。
2ヶ月あればなんとかなるだろうと見切り発車はしたものの、正直いって覚えきる自信があった訳ではありません。
ただこれ以上迷っている時間を無駄にしたくはなかったのです。
試験勉強には主に通勤時間を使う事にしました。
この時間は普段ラジオの英語講座の編集テープを聞いている時間です。2ヶ月の間英語のリスニング時間は減るけどまぁ
この際仕方が無い。
1日1章ずつ進め、昨日やった章は今日また復習というように 繰り返しながらこなしていきました。とりあえず覚えられない問題があってもあまり気にせず印を付けておいて先に進めます。
こんなもの一発で覚えきれるわけが無い。
試験はまだ先なのだ。
読み進めて始めて気づいた事ですが、結構これ同じ問題が何度も何度も繰り返し出てきます。
要は4択の並びが違っていたり、問題の言い回しが少しでも違うものは別の問題として書いてあるらしい。
つまり1つの答えを覚えれば4つ5つ と答えられる問題も増えていく訳で、最初に考えていたよりも遥かに楽に進められました。
1通り読み終わるまで約1ヶ月、また最初の章に戻り2度目の復習の時(つまり4回目)にまだ自信の無い問題についてはその問題のあるページに付箋を挟んでいきました。
これから毎日このページを見返すようにすれば絶対に覚え られるはずです。
試験当日、電車の乗換やバス停の場所が解らなくて慌てたりとハプニングもありましたが、なんとか無事に晴海の試験会場に到着しました。
問題は自信を持って答えられたし終了後に答え合わせをして全問正解を確信しました。
発表まで1時間程あったので近くを散歩 してみる事にしました。
10分程歩くと、今まで試験のために張り詰めていた緊張が少しずつ体から抜けていく感覚を味わいました。
天気も良いし最高の気分でした。
その後会場の裏あたりにある噴水のある公園でしばしの休息をとり、その後会場に戻って合格の確認、そして免許の申請の手続きをしました。
気がゆるみきったせいか帰りのバスは時間を気にせず何処まで乗っても同じ料金という事もあって新宿までそのままバスに乗って帰ってきた。さすがに1時間路線バスに揺られ続けるのは少し疲れたかな。
10日程後、免許証が届いた。
この免許証の写真が一生変わらないのかと思うと気恥ずかしい思いがした。
試験の問題にもありますが無線従事者の免許は一生更新されることは無いのです。
(1999/8/4獲得)
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