川柳入門教室
平成十三年度第3四半期

2001年12月18日の教室

              課題【 十二月 】   板尾岳人選


    お年玉前借したい十二月       陽 一
    住所録喪中通知が消してゆく     家 道
    来年の暦気になる十二月       昭 二
    ありがとう妻にひと言除夜の鐘    直 樹
    溜息が一気に漏れる十二月      昭 二
  (人)新年の期待を込めて十二月       勉
  (地)十二月延長戦のない暦        昭 二
  (天)物指しで背中掻いてる十二月     山 風

    
          【 雑詠 】    板尾岳人選

  
    年新たカレンダーだけを取りかえる   家 道
    年の暮れ忙しそうな靴の音        勉
    アフガンの雪は知らないクリスマス   将 文
    年の瀬が忙しそうな顔させる      昭 二
    くしゃみしてまた一年を始めます    家 道
  




2001年12月4日の教室

              課題【 時計 】   板尾岳人選


    流星を記憶に刻む古時計       泰 直
    十秒前韋駄天固唾飲む一瞬      山 風
    目覚ましが悪魔に見える二日酔い   卓 三
    おふくろの時計止まったままでいる  将 文 
    親ゆずり時計が少し遅れだす     睦 彦

    
          【 雑詠 】   生徒互選 

  
  (3)学生の頃の床屋で白髪かる       泰 直      
  (3)なで肩の猫は丸い夢を見る       忠 雄
  (3)肩書きがとれて背中が丸くなり     昭 二
  (3)肉抜きのカレー無いかと云うてみる   将 文
  (3)ほどほどに義理を欠くにもコツが要る  家 道
  
        
  




2001年11月20日の教室

              課題【 手 】   板尾岳人選

    忘年会全員一致の手があがり     昭 二
    ひと言は手書きも添えて年賀状    直 樹
    酔うほどに手柄話のリバイバル    睦 彦
    飽食に手振り足踏みダイエット    まもる
    手土産の酒まで空けて午前さま    直 樹
    手土産と笑顔をつれて里帰り      勉 
  (人)農繁期聖徳太子の手を借りる     将 文
  (地)遠景の富士を両手で抱きかかえ    昭 二
  (天)手を貸せば母の小さき手の力     忠 雄

    
          【 雑詠 】   生徒互選 

   < 山風さん 祝 叙勲 >
  土に還る思いを秘めて野良仕事      山 風 
  陽当たりが眩し過ぎます門の菊      山 風
  
  (3)里の秋黄金色して人招く        将 文       
  (3)残り紅返すさかずきほんのりと     喜美子
  (3)きまじめな人生かたる友がいる      勉
  (4)褒め合って次の約束するゴルフ     昭 二
  (4)同窓会探しあぐねる元の顔       陽 一
  (4)年令の差が駅の階段よく分かる     陽 一
  (6)菊花展見ない総理や知事が賞      卓 三


         席 題【 予定 】  板尾岳人選 <前回分発表>
  
    予定表まばらとなって寒厳し     忠 雄
    予定表子供の頃から不実行      卓 三
    アウトドア予定を流す雨が振り    喜美子
    人生は予定どおりにすすまない     勉
    二重丸孫の来る日の予定表      昭 二
    予定外の馬が来てからつきがない   卓 三
    予定した人が来ないで酒余り     家 道
    百までの生きる予定の酒楽し     忠 雄
  (佳)予定表ない人生を気まま旅      睦 彦
  (佳)予定では今ごろブッシュの得意顔   泰 直
  (佳)予定せず気ままに歩く一人旅     昭 二
  (人)予定なしだから愉しきわが余生    まもる
  (地)早々に嫁ぐ予定が三十路超え     睦 彦
  (天)あの服を着こなす予定ダイエット   泰 直 
  




2001年11月6日の教室

              課題【 台風 】   板尾岳人選


    台風がそれてくつろぐ夕餉の灯    昭 二
    午前様嵐過ぎてもすきま風      将 文
    青空は台風一過のおくりもの      勉
  (人)山里の地蔵嵐で身を清め       将 文
  (地)台風が往ったかと顔出すきのこ    忠 雄
  (天)台風がきても桶屋は儲からぬ     卓 三


    
          【 雑詠 】   生徒互選 

         
  (3)お役人云えば云うほど怪しくて     陽 一
  (4)自販機は丸太のようにビールだし    将 文
  (4)大国は空爆野球共に見せ        忠 雄
  (5)細君が取り仕切っている無事な家    家 道  
  
   




古典鑑賞

     ☆★☆江戸川柳(その三十三)☆★☆


     末ながくいびる盃姑さし

     姑女の日向ぼっこは内を向き

     百八の五六十嫁のこと

     あげ足を取ろう取ろうと姑ばば

     入婿は下女と一緒に追ン出され 

     すべきこと精出して婿腎虚也

     女房だと思うが婿の不覚也    




2001年10月16日の教室

              課題【 靴 】   板尾岳人選


    玄関に並んだ靴見て後戻り      家 道
    玄関の靴見てそっと後戻り      将 文
    定年で出番よろこぶ登山靴      睦 彦
    赤い靴履いて少女は夢の中      昭 二
    生かされて今日も晴れやか靴が鳴る  直 樹
    モミジ狩り妻と揃いの靴を買う    泰 直
    ほころびが努力知ってるトウシューズ 睦 彦
    厚底は卒業しましたハイヒール    家 道
  (人)旅支度年齢をわすれて赤い靴     喜美子
  (地)靴跡を消して風紋となる砂丘     忠 雄
  (天)すりへった靴が知ってる長い道    昭 二


        (軸吟)
    靖国へ十文三分の靴履いて      岳 人
    父の靴磨いて今日の無事祈る     岳 人
    耳よりな噂を聞いているブーツ    岳 人
    

          【 雑詠 】       生徒互選 
         
  (3)人様に苦労は見せぬ母の背な      昭 二
  (3)折角のしゃれ着値段も訊いて欲し    家 道
  (5)新米が届き今年も父元気         睦 彦
  (6)空爆の夜も笑ってる丸い月        まもる  
    
   




古典鑑賞

     ☆★☆江戸川柳(その三十二)☆★☆


     雨宿り惜しい娘に傘が来る

     是も縁濡れてる軒で雨宿り

     近づきを考えて居る雨宿り

     本降りになって出て行く雨宿り

     婚礼のあした息子見世で照れ

     明くる日は花嫁なにもくわぬ顔

     くどかれるように花嫁脈を見せ     
    




2001年10月2日の教室

              課題【 鏡 】   板尾岳人選


    鏡から今日の体調聞いてくる     卓 三
    恋進む鏡変化を知っている      睦 彦
    追い越してミラーで覗き見る美人   卓 三
    悠久のロマン漂う古代鏡       睦 彦
    紅を引き女になっていく鏡      昭 二
    青春の夢多彩なリ万華鏡       忠 雄


        (軸吟)
    艀の子みなと祭で買う鏡       岳 人
    鏡にも選ぶ権利がある化粧      岳 人
    見ない振りして湯上りを見た鏡    岳 人
    


       【 雑詠 】     板尾岳人選   
         
    黙々と20世紀を出荷する      睦 彦
    赴任地で思い荷物を背負い込む    昭 二
    1日を名所漬けするバスツァー    昭 二
    抜け穴が闘争心を鈍らせる      昭 二
    身内からボロ出て枯れそう月見草   山 風
    不意の客番茶玉露に惑う妻      山 風
    ごちそうを眼で食べているダイエット 卓 三 
   




古典鑑賞

     ☆★☆江戸川柳(その三十一)☆★☆


     子のものは親のものだに嫁困り

     親父まだ西より北へ行く気なり

     皆おれが業とは弱い叱りよう

     口説く奴あたり見い見いそばへ寄り

     孕まない仕方があるとくどくなり

     口説かれてあたりを見るは承知なり     
    
    










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