課題【 友達 】 板尾岳人選
ロボットが親友になる日が近い 忠 雄
早逝の友にはすまぬ我が馬齢 昭 二
泥沼で共にもがいて友となり 将 文
(人)古里のうわさ土産に友が来る 昭 二
(地)あの時に目で頷いてくれた友 泰 直
(天)最後までつき合う友よ影法師 忠 雄
(軸吟)
友達の奥さんだった日の悩み 岳 人
友達が一人も居ない葬式屋 岳 人
友達の間隔でいる妻だ 岳 人
友達にもらったパンの耳がある 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)狭い路地天下御免の地蔵盆 晃 一
(4)日本語を知らぬ松茸ばかりなり 睦 彦
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☆★☆江戸川柳(その三十)☆★☆ 御めかけは元民間に人となり ふぐ汁の様なものだと妾を見 お妾は臍をさること十二尺 腹ばかりかしてりゃ妾いい女 小便をして逃げるのは妾(ショウ)と蝉 災いと幸いの門(カド)妾持ち 主人相知らず妾は色をもち |
課題【 消しゴム 】 板尾岳人選
消しゴムが丸くなるほど書きなおし 勉
殺戮の歴史は消さず語り継ぐ 直 樹
消しゴムを使って明日へ脱皮する 昭 二
喜寿過ぎて消しゴム使うこともない 卓 三
メモ書きの消し残しから嘘がばれ 家 道
消しゴムと疎遠になって字を忘れ 忠 雄
(人)消しゴムで消される程の悩みです 昭 二
(地)消しゴムで白紙にしたい過去がある 卓 三
(天)消しゴムで暑いという字を消してみる 勉
(軸吟)
頼りない男を笑う消しゴムだ 岳 人
生意気な消しゴムだった暗い街 岳 人
消しゴムに喋ってならぬ現住所 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)台風も満更でなし水不足 睦 彦
(4)秋の蚊は精魂こめて刺してます 家 道
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☆★☆江戸川柳(その二十九)☆★☆ 秋茄子は姑の留守にばかり食う 秋茄子里で姑に食って見せ 月見には女房がきらう女郎花 月見客筆をかみかみさて出来ぬ お月見に亭主に団子丸めさせ お月見に紙の団子をまるめこみ ぶらついて月見に切れる糸瓜(ヘチマ)客 |
課題【 背中 】 板尾岳人選
いろいろな背中並んでいる朝湯 忠 雄
ドンと背を押して見送る子の門出 直 樹
女房の背中に目がある口がある 家 道
強がりの背に綻びが見え隠れ 昭 二
ほほえんで敵の背中とすれちがう 卓 三
我が背中面と向ったことがない 睦 彦
振り向かぬ背が泣いているおぼろ月 直 樹
(人)太鼓打つ背中も躍る夏祭り 直 樹
(地)背なの竜張りをなくしたダイエット 睦 彦
(天)気にくわぬ時は背中で返事する 泰 直
(軸吟)
自画像の背中はいつも泣いている 岳 人
死ぬまでに背中の黒子消え去りぬ 岳 人
結婚をしてから背中丸くなる 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)肩の荷がおりて背中が丸くなる 昭 二
(3)セールスに人の良いのを見抜かれる 晃 一
(3)二日酔い吹き飛ばせよと蝉しぐれ 忠 雄
(3)無理するな短い命蝉しぐれ 忠 雄
(4)暴走を解凍すれば気弱な子 泰 直
(4)楽しい日妻が鏡を磨きだす 晃 一
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☆★☆江戸川柳(その二十八)☆★☆ 母親のゆだん娘の放し飼い かくし引出し明け母ぎょっとする まだかよと苦労に思う里の母 国の母生まれた文を抱き歩き 里の母うぬが姑は棚に上げ 百八のうち五六十嫁のこと 小姑も見よう見まねにいびるなり |
課題【 結ぶ 】 板尾岳人選
赤ちゃんと指一本で手を結ぶ 晃 一
結び目がゆるんで遠い仲となり 昭 二
結び目が絡んで誤解とけぬまま 将 文
結ばれて風船遠く飛びたがる 忠 雄
我が事を厭えと結ぶ母の文 晃 一
(人)思い出がどっと噴き出す蝶結び 直 樹
(地)お互いの過去に蓋して縁結び 将 文
(天)結び目がほつれたままで戻らない 卓 三
(軸吟)
いろはにほへとすべて結んでまだ一人 岳 人
港には男を結ぶ太い綱 岳 人
帯堅く結んで線香花火する 岳 人
【 雑詠 】 板尾岳人選
聞き上手遠い過去まで裸にし 晃 一
不揃いのじゃがいもみんな顔がある 忠 雄
一瞬のシャッタチャンスをずっと待ち 晃 一
候補者と握手の中にある不信 卓 三
見舞われる方が元気なホスピタル 卓 三
昼酒に昼寝も添えて妻の留守 直 樹
ガラクタのラジオあの日がよみがえる 昭 二
毒舌に心当りを射貫かれる 晃 一
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☆★☆江戸川柳(その二十七)☆★☆ 気の強い女の落ちる天の川 七夕は川を渡って濡れたまい 秋茄子は姑の留守にばかり食う 月見には女房のきらう女郎花 月見客筆をかみかみさて出来ぬ 独り身嘆息両隣り新世帯 独り者小僧三人抱いて寝る |
課題【 汗 】 板尾岳人選
冷や汗の逆転虎が目をさます 昭 二
おれと汗流してくれとプロポーズ 家 道
やり遂げた男の笑顔汗キラリ 直 樹
代々の汗泣いている休耕田 睦 彦
肩の荷が一汗かいて軽くなり 昭 二
汗一つかくとは見えぬ原節子 睦 彦
汗をかき生きる喜びかみしめる 勉
(人)出た汗は晩のビールで取り返す 忠 雄
(地)野良仕事玉の汗出る夏サラダ 将 文
(天)先代の汗物語る道具箱 睦 彦
(軸吟)
ありがとう汗も一緒にかく余生 岳 人
年上の妻で朝から汗をかく 岳 人
汗臭い体を抱いて夫婦する 岳 人
【 雑詠 】 板尾岳人選
少年の昔探しに森へ行く 昭 二
アンコール声ある内に引く勇気 晃 一
注文は無事に生まれた後にする 将 文
極楽は鱧のゆびきに冷や奴 家 道
人生の登りくだりに泣き笑い 勉
(人)縄電車速度落して又二人 晃 一
(地)パソコンで横糸ばかり太くなり 将 文
(天)野心とげ男が帰る母の背な 昭 二
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☆★☆江戸川柳(その二十六)☆★☆ 土用干し畳の上の回り道 酒飲みの旧悪の出る土用干し コタツほどいい知恵の出ぬ涼み台 七夕は川を渡って濡れたまい 思うこと人に書かせる星の恋 雷の落ちる拍子に後家も落ち 雷のおかげ新造にだきつかれ |
課題【 祈る 】 板尾岳人選
ご多幸を祈るだけとは味気なし 忠 雄
笹竹に小さな祈り結んでる 睦 彦
お守りをそっと握ってホームラン 将 文
祈る手に勇気伝わる亡父の数珠 直 樹
満ち足りた暮らしが祈り遠くする 昭 二
寺閑散祈りの長き老夫婦 忠 雄
(軸吟)
糸電話神に通じる願い事 岳 人
長男の嫁に欲しいと鈴を振る 岳 人
百人の男が祈る恋成就 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)決心を岩の硬さに問うてみる 直 樹
(3)溺愛の子には見事に逃げられる 昭 二
(5)割勘と決まってボトル追加する 睦 彦
(5)熱帯夜脱いで捨てたい皮一つ 将 文
(5)日の当る方に芽を出す木の野心 晃 一
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☆★☆江戸川柳(その二十五)☆★☆ もてる晩広い蚊帳にもせまくねる 蚊帳へ逃げ込んでとられた臍の下 雷も及ばぬ蚊帳の臍と臍 雷が鳴ったで留守に豆を食い 押入れの味から雷も好きになり お千代さん蚊帳が広くば泊まろうか (起きてみつ寝てみつ蚊帳の広さかな 加賀千代女) |
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