課題【 濡れる 】 板尾岳人選
濡らすのが惜しくて浜にいる水着 忠 雄
雨予報笑った罰で濡れ帰り 家 道
濡らすのが惜しくて差せぬ高級品 紀代子
重宝な落ち葉さ僕の濡れ具合 直 樹
紫陽花の濡れ慎ましく彩変化 晃 一
雨の音心も濡れて人を恋う 信 子
窓濡らす小雨予報を裏切らず 昭 二
濡れた瞳が今も読んでる写真帖 直 樹
濡れた手を拭く間も待たず鳴るチャイム 信 子
USJ濡れたい人が列作る 泰 直
剪定の夫にそっと濡れ納豆 睦 彦
紫陽花が濡れているからう雨読とす 忠 雄
長雨に濡れて胸張るネギ坊主 将 文
濡れながらつんと澄まして立つあやめ 睦 彦
(人)ずぶ濡れの雨に決意を迫られる 昭 二
(地)泣き濡れた自分と出会う三面鏡 信 子
(天)持って出た傘を忘れて濡れている 将 文
(軸吟)
泣きながら母と寝ました女の子 岳 人
泣きじゃくるホタル1匹人を恋う 岳 人
駄々っ子のように泣きます風呂の刑 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)職終え慌てて探す道しるべ 昭 二
(3)新じゃがのお袋の味俺が継ぐ 将 文
(4)不肖の子なお庇いたい母心 直 樹
(5)履歴書の行間にあるほろにがさ 睦 彦
(5)もう恐いものなしおんな風を切る 信 子
(6)裏おもてなくて軍手がお気に入り 泰 直
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☆★☆江戸川柳(その二十四)☆★☆ 女房にへつらいすぎて気どられる 里のない女房は井戸でこわがらせ 朝帰りそりゃ始まると両隣り 手がさわり足がさわって仲直り 舌戦がこうじ三くだり書いている 去ったあす物をさがすにかかって居 去り状を取るが年が三つふけ 「柳多留」より |
課題【 心臓(ハート) 】 板尾岳人選
お尻ふり席に割込む強心臓 睦 彦
他人みな強心臓にみえる時 勉
全身に脈打つ鼓動聞く夜半 信 子
抱きしめて猫の鼓動をたしかめる 郁 子
デパチカの試食肴に酒を飲む 直 樹
仁王さんどっこいあいつは蚤心臓 山 風
不安感知らせてくれる鼓動音 信 子
心臓を静めるために人を呑み 晃 一
心臓の休むひまなく喜寿待つ 勉
ピンチには強心臓で押し通し 昭 二
友達の大事なハート置き忘れ 将 文
さすが妻半額セールまだ値切る 直 樹
心臓がおだやかに打つ元気な日 勉
心臓によくないくらいよい話 昭 二
ハンサムな医者に鼓動を聞かれてる 信 子
心臓よ何故に高鳴るあの人に 晃 一
アルバムに若いハートを秘めてある 将 文
心臓をつき刺し串も焙られる 忠 雄
怒気荒くノミの心臓かくしてる まもる
心臓に刃が立ってサスペンス 家 道
(人)心臓の弱い男の妥協癖 晃 一
(地)わがままな心臓によく背かれる 昭 二
(天)心臓の高鳴る人がひとりいる 睦 彦
(軸吟)
ミイラ死す心臓も死すこの世の苦 岳 人
我が身丈ほどの心臓大仏殿 岳 人
小さき蚊の小さな心臓持つ命 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)茜雲明日の別れを予感させ 直 樹
(3)厚い顔車内私の化粧室 忠 雄
(4)お国訛り駅を過ぐたびふえていく 郁 子
(5)旅帰りご機嫌伺う体重計 家 道
(5)遅れ来て末座で扇虚勢張り 山 風
(6)花よりも蝶を育てるわが菜園 泰 直
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☆★☆江戸川柳(その二十三)☆★☆ 新世帯ある夜隣の壁が落ち 新世帯何をやっても嬉しがり 里帰りじじばばあをまず咄し 里帰り話さぬことは母聞かず 女房をこわがる奴は金が出来 女房をおそろしがってただ帰り 風吹かばどこら女房あらしなり 「柳多留」より |
課題【 髭 】 板尾岳人選
口ひげを縁起かついでのばしきり 勉
髭はやし男は野心かきたてる 郁 子
仏頂面髭剃る朝の百面相 山 風
悪いことしにくい髭がよく目立つ 忠 雄
初志かけてのばし放しの不精髭 昭 二
妻よりも大事にしているあごの髭 信 子
少年の無口の顎に髭がみえ 晃 一
髭面の顔に似合わず目がやさし 信 子
髭伸ばす勇気へ妻が不思議がり 山 風
白い歯が振りまく笑顔髭だるま 直 樹
付け髭の哀しく踊るチンドン屋 昭 二
髭紳士指が気にする鼻と顎 山 風
票読みが進まず睨む髭だるま 睦 彦
(人)百歳を目指すひげだよ乾杯だ 泰 直
(地)二度の職可愛い髭に暇を出す 晃 一
(天)口髭の感触恋し父の膝 まもる
(軸吟)
漱石の髭を知ってるうちの猫 岳 人
十二面観音さんに髭がない 岳 人
笑っても笑わなくても恐い髭 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(4)筍の間引き逃れて伸びる丈 将 文
(4)手の切れるようなお札が繋ぐ義理 晃 一
(4)そよ風にうたた寝妻の顔のしわ 忠 雄
(5)常連が黙って坐る隅の席 昭 二
(6)無神論辛い時だけ神を呼ぶ 信 子
(7)雑草でよかった好きに生きてきた 直 樹
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☆★☆江戸川柳(その二十二)☆★☆
愛敬はこぼれて減らぬ宝なり
初午は娘も赤の飯をたき
あの男この男とて古くなり
対面の幕で仲人ひき合わせ
仲人にかけては至極名医なり
持参金嫁なけなしの鼻にかけ
女房をこわがる奴は金が出来
「柳多留」より
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課題【 流れる 】 板尾岳人選
花屑の行く先流れにまかせきり 郁 子
流れ木の口遊び行く森の詩 晃 一
寺鐘の余韻ながれて人恋し 郁 子
流されて藁一本の情を知る 晃 一
根を据えて水草水の動くまま 忠 雄
人脈の流れに翻弄されるまま 昭 二
胸の傷流せば楽になれるのに 信 子
流れには永らう為に逆らわず 晃 一
五月晴れ妻の小言は聞き流す 直 樹
流れ星あわてて願い考える 勉
独り往く勇気をくれた流れ星 直 樹
ITの流れ横目に墨をする 睦 彦
(人)流れ着いたここが私の都です 昭 二
(地)他人にも流す涙は溜めてある 信 子
(天)底流は見せず水面の穏やかさ 忠 雄
【 雑詠 】 生徒互選
(4)鍵穴に差し込む音の安堵感 信 子
(4)人生につまずく石が多すぎる 勉
(5)初夏の色あふれて街もかるくなる 郁 子
(6)石一つ投げて深さを読んで見る 晃 一
(6)いい訳の出来ない今日の青い空 昭 二
5月8日分のアップに際しては泰直さんの協力を得ました。有り難う御座いました
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課題【 笑う 】 板尾岳人選
笑われてなぜか哀しい猿の芸 忠 雄
爆笑の渦に大漁安来節 直 樹
モナリザも恵比寿も笑顔で肩がこり 泰 直
微笑みの母を背にするランドセル 晃 一
黒枠に笑う顔ありなお悲し 家 道
茶の間から内弁慶の高笑い 将 文
親知らず笑いたくても笑えない 紀代子
世話咄笑いの中に江戸の粋 睦 彦
長旅のジャパンスマイル疲れます 睦 彦
泣き笑い絶えぬ隣りは子沢山 家 道
(佳)散る花にさみしき笑みの地蔵尊 まもる
(佳)許し合うゆとりの中にある笑い 信 子
(佳)おかしさをこらえることのむずかしさ 勉
(佳)人の名を忘れて笑顔が補助をする 晃 一
(佳)君は僕のモナリザですと言う勇気 山 風
(佳)仁義礼智信古いと笑われる 晃 一
(佳)仏頂面たまに笑うと気味悪し 紀代子
(佳)にこやかに笑顔の裏にある涙 信 子
(人)旅立ちを笑顔で送る無人駅 郁 子
(地)理由あって笑顔封印しています 泰 直
(天)吉本に笑いのシャワーを浴びに行く 昭 二
(軸吟)
満ち足りて熱いコーヒー淹れましょう 岳 人
愛せずにゴメン笑顔を送ります 岳 人
待ってます笑顔溢れる旅便り 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)再婚の嬉しさ見せるか顔の艶 信 子
(3)一献でその気にさせる桜色 将 文
(4)一服のお茶が思案を変えていく 晃 一
(4)誘惑に勝った安堵と空しさと 昭 二
(4)ケイタイに悲喜こもごもを垣間見る 直 樹
(5)参りました無口で下戸の長居客 山 風
(8)悪態も尽きて最後は母の胸 忠 雄
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☆★☆江戸川柳(その二十一)☆★☆
人はみなめくらごぜの行水し
天人もはだかにされて地ものなり
女房が有るで魔をさす肥立ちぎわ
めし炊きに婆ァを置いて鼻あかせ
秋がわき先ず七夕にかわきそめ
その手代その下女昼はもの言わず
船頭の女房は能い日にせんだくし
「末摘花」より
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課題【 花 】 板尾岳人選
数年前花も恥らう乙女です 紀代子
絶景や唯我独尊花の雲 晃 一
バラ咲いて棘のこわさをひたかくし 勉
悪童の花束曇る師の眼鏡 忠 雄
前垂れを替えて地蔵も花飾り 睦 彦
花びらが糸ひくように散り急ぐ 勉
留守番の役目花壇に水をやる 昭 二
散り際の風は花道練って行き 晃 一
散る花を供に遍路の杖二本 直 樹
(人)花束を抱いて会社を押し出され 昭 二
(地)沈丁花乳の香がする母がいる 直 樹
(天)善人の顔して花に水をやる 泰 直
(軸吟)
菜の花や神や仏に酢の香り 岳 人
女でも男でもない花乱舞 岳 人
花吹雪意固地になって水中花 岳 人
【 雑詠 】 生徒互選
(3)主夫の腕いささか甘い五目寿司 家 道
(6)脇役も楽し人生第二幕 忠 雄
(7)美しい嘘は知りつつ騙される 晃 一
(11)お誘いを心の隅に空けておく 昭 二
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☆★☆江戸川柳(その二十)☆★☆
そこかいてとはいやらしい夫婦仲
ねたふりで夫にさわる公事だくみ
下女の尻つめればぬかの手でおどし
茶臼とは美食のうへの道具なり
子心に乳母がまけたと思って居
おじさんをまかしとと乳母茶臼なり
絵枕を持って炬燵を追い出され
「末摘花」より
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