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「誹風末摘花」は安政五年初篇が上梓されて以来、享和元年第四篇が刊行されるまで
約25年かかって出版されたものである。 「柳多留」同様、その名を以って謂われるようになった柄井川柳の万句合せ選句中より編纂されたもので 、特に初篇は「柳多留」に余り思い切った赤裸々な表現のために除外された“恋句”を集めて1冊にして出来た ものである |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その30)・・☆★☆ ざしき中屏風がたつとうごくなり 眠ったか置かうと亭主すねるなり またぐらで芋茎あへる面白さ 目をさまし丁稚へのこの縄をとき 蚊を焼けば亭主へのこを見せて置き 名代をしてもいいかと連れにきき この子ここに嫁ぐでよく流行るなり |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その29)・・☆★☆ ひっこりと抜けると女房追いかける へのこから朝起きするひとりもの 灯を消すと下女いっそうにけなるがり ちょとづつ毎晩しなと下女は云う 見るは目の毒女房の寝相なり はやる外科今日もへのこを五本みる 下にして呉れなと女房せつながり |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その28)・・☆★☆ 口説かれて下女雑巾をあてッつき 生むすめにうかとかかるも安大事 夕べからけちを見ますと出会茶屋 べんべんとおやかして茶を飲んでいる 男へは武具をあきなう小間物屋 大きいがいいとも女房云ひかねる ひんまくると直キに船頭漕ぎ出だし |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その27)・・☆★☆ あいあいと嫁さまざまに行われ きやんな筈ないしやう売りもする娘 是切りで済むは泣くなと下女はされ さそう水下女汲みに出る手筈なり 下女の屁をかぶった晩に口説く也 新造はうつつのやうに紙をとり 書き賃は晩に行くぞと下女が文 |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その26)・・☆★☆ 内ィ証でいつゥか女おやしてる おやかして寝ている奴へ鈴をつけ 生娘はさせそうにしてよしにする 初ものは十六本ほど生えるなり 憐愍でしてやるに下女ねだりごと もう一つさせてたもたれとゆり起こし するたびに小便に出る姑ばばぁ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その25)・・☆★☆ 悪いことばかりと云うが起きるしな またぐらを好もしくする緋縮緬 足のおや指でつめって呑み込ませ まずいこと紙てっぽうでしてさせる 鎧武者またぐらへ入るおもしろさ 手も足も離してしなと下女は泣き よがるはずこれは九州肥後の産 |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その24)・・☆★☆ わるいくせ女房よろこび泣きをする させそうでさせない下女はお竹なり ぬれ加減神のごとしと神楽堂 耳をほる嫁を見ていておやすなり 針さきをよけよけまたへ手を入れる 云ひ分はあとでとへのこを納めさせ 今夜ばかりよと女房上になり |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その23)・・☆★☆ 出会茶屋泣き叫ぶのが耳につき 長つぼね足摺りして泣いている もがくこと神の如しと四ツ目云ひ 酔ふたとき夜ばいはよせと懲りた奴 七番され世迷言貴妃は云ひ 病み上がり女房ひやひやものでさせ 遠くから口説きを見れば馬鹿なこと |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その22)・・☆★☆ 下女が色おしなえへへと気取ってる 田舎嫁すのこを鳴らしいびられる つんとしてあて事もなくたたかせる 抜き足で泣くのを聞きに五六人 ふんどしが破れそうだに承知せず したくない顔している奥女中 物置で下女沢庵をふりまわし |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その21)・・☆★☆ やらかすところ見ましたと子侍 突出しはもうよがりんすまいと泣き 聞訳けのないものおへたへのこなり させそうな身振りで弟子が矢鱈ふえ うしろからまくると子守ぶっ座り 恥もかかせずさせもせず発明さ しないからやれでは女房合点せず |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その20)・・☆★☆ 湯へ行けと女房むしょうに不潔がり 時候たがえず十六のはるは生え 下女が色あそこの隅じゃごうそごそ 目覚しきよがり隣でいきどほり させたからさァくんなと下女せつき もてぬ奴へのこと腹を立てるなり ここはまだ生きてござると女房泣き |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その19)・・☆★☆ 気の弱い下女アレにさせコレにさせ 後家の生酔させそうでさせそうで いやならばいいが嬶ァにそう云うな まァはめてごろうじませと小間物屋 よくつづきなさると女房大きげん 我が女房でもひるする時は盗むやう 恥ずかしさかくごの前へわりこまれ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その18)・・☆★☆ またぐらを尊く見せる緋ちりめん 酒買ってしりをさせるは樽拾ひ してみたが章魚だと女衒気張るなり 付け文はへのこの方にむすぶなり 間男をしたのを見たと口説くなり 気の弱い下女アレにさせコレにさせ し放しはご無体さまと下女が宿 |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その17)・・☆★☆ ぼたもちをなぜしたと下女大口説 穴もないくせに小町は恋歌なり したい時ァいつでも云へと下女に云ひ またぐらの裾分けするにくい事 おつけ沢山がどやどやと鬼子母神 殿様がしていたと言う子ざむらい 馬鹿なことおへたを猫がねらっている |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その16)・・☆★☆ 生娘のおかげで下女は責めにあひ いぼ付きは切らしましたと小間物屋 げたげたと笑ふ亭主はらへのせ ふんだんにした癖後家止まぬなり した晩はまけるものよとどやの嬶 神楽堂たいこや笛であじをつけ したい時アいつでも云えよと下女に云ひ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その15)・・☆★☆ 帆ばしらのそばで新造舟を漕ぎ 恋の闇下女は小声でここだわな させたから黙りなんしとむごい奴 ゆうべしたまんまと昼間新世帯 ぬかぶくろほほばって下女こしがぬけ 色おとこ好物ものでせめられる おしいことまくるところを下女呼ばれ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その14)・・☆★☆ 昼見れば夜ばい律気なおとこなり させたから黙りなんしとむごい奴 はやり医者しているところを起される 槍ででもつかれるやうに嫁案じ ぬか袋ほほばって下女こしがぬけ 色おとこ好物もので責められる おしいことまくる所を下女呼ばれ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その13)・・☆★☆ 麦畑ざわざわざわと二人逃げ おめかけの乙な病は寝小便 ねむい下女車がかりをゆめのやう 入り婿のかなしさ嫌な晩もする ねむかろう寝なよと女房させぬなり 嫁の身になってうれしい腎虚なり 不承知な下女沢庵でくらわせる |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その12)・・☆★☆ くどく奴辺り見いみいそばにより やぼらしい大きな声はせぬものさ 田舎医者蛇を出したで名が高し 若後家はいかいくどくとくどく也 悪智恵をかいに妾の母は来る 分別をして女房のばかりする うら寝入して母ははじめさせ |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その11)・・☆★☆ 玉だれの内やおかしきいろは茶屋 出会ィする方は仁王も無言なり 若後家をすすめて和尚法に入れ 十三と十六ただのとしでなし 片思ひそのくせいける面でなし またぐらを等閑にする新造っ子 病根をたづねて見ればさせたいの |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その10)・・☆★☆ 小間物やすぽすぽさせて一本売り はらんだで下女は死物狂いなり 入り婿は聞かずにぬいてしかられる あわび取りなまこのくぐる心地よさ 乗せていて廻って来なのよくどしさ 嫁入りの一の道具を手代わり もうええにしなとは夜鷹むごい奴 |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その9)・・☆★☆ 婚礼はおやもむすめも痛いこと これからは何処ですべいと麦を刈り でけえから嫌だと麦をふみちらし けしからぬよがり隣でいきどほり 足音のたんびにこしをつかい止め 外をふさぐとめしたきに手をつける 塩梅は下女のがよいのでやかましい |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その8)・・☆★☆ まおとこを麦わら笛でくらわせる しりからはいやと持参を鼻にかけ 寝入りをばとるなと孔子のたまわく 浮気ならいやさと下女はぬかしたり 女房の機嫌をとってよじのぼり していたと見たあさ姑大怒り 腎虚にて死んだよめは苦労がり |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その7)・・☆★☆ 病み上がり女房はまたを引っかかれ 女房にいまいましくも惚れられる 恋のやみとは火を消してするなり しころしたなどと後添い怖がらせ 後家の世話しすぎて大家うたがわれ くらやみに牛を引き込む長つぼね 欲得じゃござりませんと下女させず |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その6)・・☆★☆ 沢庵をにぎって下女はされている 胎内である夜赤子はけつをされ 猿ぐつわはめてと子守ないている 丸の字を尻でかかせるおもしろさ 鼻息の出るとき抜いて喰いつかれ 女房のすねたは足でなわをない 因果だてしいしい内儀はらむなり |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その5)・・☆★☆ 木のようにさせて女房はふてるなり 股倉をすぼめて扶持をねだるなり 抜くときに舌打ちをする大年増 うしろからしなとは余程月ッ迫し 新五郎初手は女護の島へ行き いもほりと云ったといろは大口説 すっぱりと這わせておいて内儀起き |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その4)・・☆★☆ またかえと女房は笑い笑い寄り もうしてやらぬと下女はおどされる 孕んだと聞きひとり逃げふたり逃げ 二人とも帯をしやれと大家云い 間男の不首尾はこぼしこぼし逃げ 死にますの声に末期の水を飲み 誰が来るものかと下女は口説かれる |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その3)・・☆★☆ 手を取ると下女鼻息を荒くする 温めてくんなはしろと云ふの也 悪口を云ひなさるなとちぢれ髪 冴えぬ夜は女房とぐろ巻いて寝る 女房の寝耳に下女のよがりごえ 旅の留守内へもごまのはいが付き 囲炉裏にて口説き落として麦の中 |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その2)・・☆★☆ むごい奴はづみ切ったを払いのけ まだ伸びもせぬにもう来る麦畑 裏表下女二タ晩にねだりだし 口説く間がなくて理不尽仕り 乳チ首ひねるが座頭はじめなり 不届きさ池にひびけるよがり声 乗せていて下女二タ声返事する |
☆★☆江戸川柳・・末摘花(その1)・・☆★☆ 下女に尻つめれば糠の手でおどし 寝たふりで夫にさわる公事だくみ ソオむごく云わぬものだとにじり寄り 若旦那夜は拝んで昼叱り 片月見せないものだと下女に這い 和尚さま善女人だと可愛がり 今風はすってんぺんから寄りかかり |
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