紀州 民話の旅
本ページの内容は、昭和57年に和歌山県が発行した「紀州 民話の旅」を復刻したものです。施設整備、道路改修等により、現状は記載内容と異なっている場合がありますので、ご注意ください。
最後の仇討ち
〜九度山町河根〜
玉川の渓流は、四季折々に、すばらしい風景を描きだす。春から初夏にかけての若葉の青、夏の冷たい流れ、秋の紅葉、冬枯れの河原。そして奇岩怪石の蔭で鳴くカジカ。
その渓流にかかる千石橋のすぐ北。いかつい総ケヤキの乳門を構えた中屋旅館が、ひっそりとたたずんでいた。
最後の仇討ち〜。父の仇を討つため、赤穂藩の村上兄弟ら七人が、密議をこらしたのが、ここだという。明治四年二月二十九日のこと。江戸時代、高野山へ向う武士や公家たちの宿泊所だったという中尾旅館だが、コケむした庭石や梅の古木は、そんな時代の移り変わりを、静かにみつめ続けてきたのだろう。
(メモ:中屋旅館は、橋本から学文路を経て高野山へ入るルートのひとつ、東高野街道河根宿の旧本陣。南海高野線高野下駅から徒歩20分。高野口町の国道24号線からは河根行きのバスも出ている。)
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